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武者修行の難しさ

 

20年間、これといった成果なしの現実。

アルカンタラ兄弟がバルサを離れることになりました。長男のチアゴはペップ・グアルディオラ率いるバイエルンへと移籍し、弟のラフィーニャはバルセロナとの契約を延長後、ルイス・エンリケのセルタへと武者修行の旅へ出ています。チアゴはもう別クラブの選手ゆえ、古巣との対決以外は頑張ってねと思うばかりですが、気になるのはラフィーニャの修行が上手くいくかどうか。もう一人のキラキラ星デウロフェウも英国エバートンへと修行に出ましたし、彼らが無事計画通りにカンプノウへと帰還できますよう、近所の神社にでもお参りに行こうかと思うくらいです。

 

構想外選手と、出番の少なくなるカンテラーノの2パターン

バルサのセクレタリオ・テクニコは毎年夏、難しい仕事に直面します。補強選手の獲得と並行して進められる、構想外選手の行き先探しです。各選手の希望を満たすだけでなく、経済的にも(多少なりとも)クラブの利益にならなければならないこの仕事。正直なところ、特にクラブの利益面ではそんなに上手くいってるわけでもありません。

余剰戦力の働き口を探す際、バルサのフロントが多用する策が1年間のレンタルです。最近で言えばアフェライ、クエンカ、フォンタス、少し前ならケイリソンやエンリケ、フレブ、カセレスといったところもそう。それによって選手はプレー時間が増えるチャンスを手にし、そこで活躍してくれれば、市場評価額が上がるかもしれません。レンタル移籍先のクラブが、給与を(一部)負担してくれるのも助かります。

一方で、少々毛色が異なるのが若者たちのレンタルです。将来を期待される逸材で、成長促進のためにはプリメーラでプレーさせたいのだけれど、クラックの集うバルサではなにぶん出番が少なくなるから一時ほかのチームに預け、鍛えてもらおうという状況がこれ。契約上の理由によってトップ昇格することでも発生するパターンで、この夏のラフィーニャとデウロフェウがそうです。ボージャン(アヤックス)は、、、帰ってくる気配がないので前者でしょうか。

 

戻ってきたのは3例だけで、しかも・・・

しかし残念なことに、このレンタル方式がバルサに実りをもたらすには至っていません。セスクやピケ、アルバ、テージョのように、レンタルではなく完全移籍となった後に呼び戻された例はありますが、ローンそのものが糧となってカンプノウで成功した例はほぼ皆無といえます。MUNDO DEPORTIVO紙によりますと、20年前にルイス・カレーラスがオビエドへと貸し出されて以来、31選手が述べ60回レンタルされているのですが、生還を果たした選手は3例のみ。その3人ルイス・カレーラス、オスカル・ガルシア、セルヒオ・サンタマリアも、復帰後に名を売ったのはオスカルくらいでしょうか。カレーラスもサンタマリアも、結局1年で他所へと去ってますし。

よって残る57回は一方通行のレンタル移籍。構想外選手は前述のフレブやカセレス、ケイリソンらに加え、サビオラ、ロッチェンバック、ジェオバンニら、そしてカンテラーノではセルヒオ・ガルシア、マルク・クロッサス、オスカル・ロペス、フェルナンド・ナバーロなどなどと、実に無残な結果です。ケイリソンなど1,500万ユーロを費やして獲得しながら(2009)、バルサで1試合もプレーすることなく今もまだレンタル中なり。

・・・というわけで、これらの前例を見るかぎり、ラフィーニャとデウロフェウの前途は明るいとは言えません。しかし!ダメな前例ばかりなら、そんなものは破ってしまえば良いのであって!1年後、逞しくなった2人がバルサでプレシーズンを行い、ティト・ビラノバ(か別の監督)の信頼を得ていることに期待しましょう。ラフィーニャもデウロも、彼らのボスとなるルーチョもロベルト・マルチネス(エバートン新監督)も頑張って!

 

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