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マテューの直訴

バレンシアに対し、移籍交渉を求める声明文。

左ラテラルもこなせ、リーガを熟知したベテラン選手として、FCバルセロナが獲得にこだわり続けているフランス人デフェンサのジェレミー・マテュー。これまでにバルサ側からは幾つものオファーが提示されたようですが、バレンシアは頑として交渉に応じようとはせず、獲得したければ契約解除金2,000万ユーロを支払うべし、との姿勢を崩していません。それに対して17日(木)、マテュー本人がついに行動を起こし、バレンシアに向けた声明文を公表しました。移籍交渉の席に着くことを求める選手の願いを、クラブが受け入れるのかどうか。動向が注目されます。

キャリアにおける唯一の機会に挑ませてほしい

7月17日夜、ジェレミー・マテューが発表した声明文は次のようなものです。少々長くなりますが、選手の主張を理解するにはほぼ丸々紹介するのが良いということで。「2014年7月17日、バレンシアCF選手である私ジェレミー・マテューはこの短信を通じ、複数のメディアに登場している情報について反論したいと思います。

私がクラブへと抱いている愛情と敬意、そしてファンの立派さにより、バレンシアCFと争う意思はいかなる瞬間も私の中に存在しません。私がこのクラブに来て5年になりますし、クラブからの信頼に私は感謝をしています。

私はこの声明文が、バレンシアCFからの退団を強制させるための手段だと解釈されることを望みません。この文書の目的は、ここ数日における私の状況についての事実を述べることで、ウワサや推測を抑えることにあります。

バレンシアCFのテーブルには、あるビッグクラブからの私に関するオファーが届いています。それがあらゆる意味において私のキャリアを前進させるものであることを、私は認めます。これは私の仕事と努力への報酬であり、選手であれば誰もが活かしたいと望む唯一の機会です。

私は5年前、フリーでバレンシアに入団しました。そしてそのオペレーションは関与したもの全員にとって利益をもたらすものだったと思います。そこから私は常にベストを出そう、プロフェッショナル精神とクラブへの愛情を示そうと努めてきました。けれども今は前進をし、一つのサイクルを閉じる時なのです。私はこのクラブのことをいつまでも心に持ち、感謝をしていくことでしょう。

私がクラブに反逆しており、チームの仕事に協力することを拒んでいるという非難を私は断固として拒否します。フットボルの世界に活きるプロ選手であれば誰もが、可能性ある移籍交渉中に怪我するリスクを冒したくないとの考えを完璧に理解するものです。

私はバレンシアCFとアマデオ・サルボ会長に対し、現状を理解し、私の移籍交渉を受け入れることを求めます。私には世界で最も偉大なクラブでプレーする機会が訪れています。今私が望むのはただそれだけです。私はバレンシアCFに与えられたものを忘れることはありません。

私はこれまで決して論争を起こす人間ではありませんでしたし、今もそのつもりはない。求めるのは敬意と、これが全員にとって利益となる状況であることを理解してもらうことのみです。事実、私が昨シーズンにバレンシアCFと契約を更新した際、会長は私に、もし良いオファーが届いたなら放出させると約束しました。今がそのケースです。

私はバレンシアCFを心に抱き続けるでしょう。しかし私はキャリアのハイライトになるであろう大きな挑戦を経験してみたいのです」

「バルサのオファーは、私たちの要求から非常に遠い」

一方、この声明文が発表となる数時間前、バレンシア会長のアマデオ・サルボ氏がアンドレ・ゴメスの新入団プレゼンテーションにおいて、再びマテューの移籍交渉に応じる考えがないことを強調しました。「彼ら(バルサ)のオファーはバレンシアが求めているものからは非常に、非常に遠いものだ。マテューは私たちにとって非常に重要な選手であり、それゆえに、私たちは彼がバレンシアに居ることを望んでいる。私たちにはマテューを売る考えは一切ない。もし彼らが彼を欲しいなら、契約解除金を支払う必要があるだろう。彼らにはそう伝えてあるし、もし彼らがその額を支払わないのであれば、彼は出て行かない。彼らのオファーは、その額には届いていないよ」

そして会長さんは「私の責任はバレンシアにあり、バルセロナや、選手の願いに対してではない。私はいかなる個人の願いよりも、バレンシアを守っていくだろう」とクラブ責任者としての立場を強調し、マテューがメスタージャで幸せでいる方法もあるだろうと述べています。

メディアに流れる情報では、バルサからバレンシアへのオファー額は1,500万ユーロで、彼らの要求する2,000万ユーロを支払う考えはない模様。なので今回のマテューによる切実なる願いをバレンシアが汲み取り、交渉の席に着くしかこう着状態の打破はないのですが、サルボ会長の言葉を見るかぎりは難しそうです。去るものをムリに引き留めないバルサって、特殊なんですかね?

ちなみにマテューの獲得が頓挫した場合、コストとパフォーマンスのバランスから、アヤックスのオランダ代表デフェンサ、ダレイ・ブリント(24)が“プランB”の最有力候補になったとSPORTとMUNDO DEPORTIVOが伝えています。オランダ人らしくポリバレント性に優れ、左ラテラルやピボーテもこなせる彼。移籍金は1,600万ユーロほどのようです。

 

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