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チャビは1年残るッ

監督の情熱と信頼に、迷いは消えた。

ぬか喜びになるかもしれない・・・ と心に防衛線を張りつつも、ホッとして頬も緩むのが29日付のSPORT紙が報じる“チャビ・エルナンデスがあと1年はバルセロナに残る”というニュースです。この夏での退団が濃厚どころか確実とされたセントロカンピスタでしたが、先週のルイス・エンリケとの面談によって考えを変更。その際は、とりあえずの残留決定で期間は分からない、冬の移籍になる可能性もある、とされていましたが、どうやらカピタンから監督に対し、“少なくとも”次の夏まではチームに残る旨が伝えた模様です。

カタール話が頓挫し、N.Y.行きにも問題

メディア情報では、チャビ・エルナンデスの退団の意思は岩のように堅い、と言われていました。それがここへきての、ファンの期待を上回るほどの急激な方向転換。一体なにが起こったのか?と気になるところですが、それだけルイス・エンリケの説得が熱く、チャビが失っていたバルサへの希望を甦らせるものだったのはきっと間違いないでしょう。少なからず彼はチームのダメっぷりに落胆し、サイクルの終わりゆくバルセロナにはもう自分の居場所はないと感じていたはずです。実際、ムンディアル合宿に旅立つ前にバルトメウ会長やスビサレッタSDに会い、退団希望を伝えていたと言われます。

新天地での挑戦へと心を動かされていたチャビの手元には、2つの選択肢がありました。カタールへ行くか、アメリカ合衆国へ行くかです。中東からのオファーは王族も絡んでいるとされ、金銭面はもちろん、下部チームのコーチ業を提案されるなどの条件も魅力的だった模様。当初はこれでもう決まりと各紙が報道し、仮合意済みとのニュースも流れ、涙酒を飲んだクレも多かったことでしょう。

しかしコミッション目当ての怪しげな仲介業者がわらわらと湧いてくるやら、交渉の最後の段になっての王族さんたちの優柔不断やらがあったとかで、チャビはカタールに落胆。今度はフェラン・ソリアーノからのオファーを受け、ニューヨーク・シティ行きが確実とされましたが、ここで問題となったのはMLSの開幕が来年3月だったことでした。春までエリート選手としてのフォームを保つためには、寂しく自主トレを相当頑張るか、ダビド・ビジャのようにオーストラリアでしばらくプレーするかしなければならない。そこでチャビの頭に浮かんだのが、バルサとの話し合いだったとSPORT紙は言います。

「ゼロか全てか。決めるのはキミだ」

ムンディアリスタの早期敗退組たちのプレシーズン合流日まであと数日と迫ったある日、チャビは代理人を通じ、バルトメウ会長&スビサレッタSDに面談を申し出たそうです。彼がクラブに訊ねたかったのは、自分のバルサに残る可能性をどう考えているのかどうか。もちろん2人がその降って湧いたような展開にNOと言うはずもなく、キミの残留歓迎歓迎大歓迎との気持ちを伝えます。しかし、チャビにはそれだけでは不十分でした(分かる)。そこで出番となったのが、我らのルイス・エンリケであります。

ルーチョとカピタンはムンディアル前にも話をしていました。けれどもその際チャビは新監督からの情熱トークに対し、控えにはなりたくはない、チームの厄介者にもなりたくはない、との理由から退団の意思を伝達。ブラジルでの件が終わったらまたじっくり話そう、と約束していた2人でしたが、エンリケとしてはこれは一縷の望みをかけた程度だったでしょう。そして届いたチャビからの面談予約。ミスターは相当気合を入れたはずです。

迷える子羊と確信に満ちた羊飼いであれば、すでに結論は見えていたかもしれません。古くからの友人でもある監督と面と向かって雑談を含めて腹を割って話し合い、ルーチョの溢れるパワーと自分への信頼、愛情、そして厳しさに接することで、チャビの迷いは溶かされていきました。“1週間でも半年でも、好きなだけ居ればいい”というのが決め文句だったとする記事もありますが、SPORTが言う決め文句はこちらです。「ここにはアラカルトのシーズンなんてものはなく、キミの前にあるのは1つの挑戦だ。それはゼロか全てか。決めるのはキミだ

そうしてチャビは「全て」だと即答し、落ち着いた表情でのプレシーズン合流となりましたとさ、めでたしめでたし、というわけです。

それらの話が記者さんの妄想ではなく事実であるなら^^、チャビはルイス・エンリケの語るプロジェクト(スアレスとかクアドラードとか3-4-3とか)に希望を見出し、ラキティッチらとのポジション争い、あるいは新しい役目への挑戦を受け入れたわけです。自分の状況についてあれこれと言われ続けるのをチャビは好まないでしょうから、近々会見当番を担当し、メディアに向かってこれまでの経緯や今後への決意を語ってくれるでしょう。その日を楽しみに待ちたいと思います。

 

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