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ルーチョ、兜の緒を締める

幸福感の出すぎに対し注意コメント。

今のビジャレアルは公式戦18試合無敗と波に乗っていて、相当に厄介らしい。そう聞いていたとおり、カンプノウに彼らを迎えての試合は、2度ものリードを許すかなり厳しい展開となりました。マルセリーノ・ガルシア・トラル監督に率いられた黄色チームは、愛称のサブマリンよろしく突如水面に浮上してはミサイルを撃ち込んでくる効率の良い攻めで2ゴールを獲得。それでもバルサが挫けることなく、2度追いついた上に勝ち切ったのは、クラックたちの個人能力だけでなくチームとしての勝利への意欲が非常に高まっていることの表れです。ゴール運に見放されているルイス・スアレスはもがきの時ですが、この夜はラフィーニャが覚醒。終盤戦へ向けて中盤の駒が1つ増えそうなのは朗報であります。

ラフィーニャの目覚め

ネイマールの同点弾(1-1)のきっかけとなる右からの崩しや、決勝点(2-3)となる右足ロスカを叩き込むなどレオ・メッシの活躍はこの試合でもすばらしく(ラフィーニャの2-2弾の際も頭で合わせていた)、バルセロナの攻撃を牽引していたのは紛れもなく大エースの彼でした。活発にバイタルエリアを動き回り、ビジャレアル守備陣をかき回していたネイマールも相変わらず好調。ルイス・スアレスも得点にこそ恵まれませんでしたが、バルサの2&3点目は9番のアシストあってこそで、貢献度は文句なしです。いずれスアレスは手のつけようのない“キラー”となる。あとはそれがいつになるか、だけでしょう。

そんな偉大なるスターたちに混じって、バルセロニスタに我ここにあり!とアピールしたのがラフィーニャでした。ルイス・エンリケはいつもであればラキティッチ、あるいはチャビを起用する右インテリオールで若きブラジリアンを起用。その信頼に応えた“12番”は持ち前のフィジカルとテクニックを存分に活かしてバルサ選手としてのベストゲームを披露し、ネイの1-1弾へとつながるシュートを放つほか、チームを勢いづかせる同点弾(2-2)も決めています。

これらラフィーニャの絡んだ2つのゴールは、ハーフタイム直前(45分)と、ピケのポカからビエットに再度リードを許したそのわずか2分後(54分)と、タイミングも非常に良かった。それはラファに攻撃参加するべき瞬間(勝負所)を読む能力があり、メッシたちと良い関係でエリアへと入って行けていることを示しています。献身性と集中力にも優れていて、エリアに近い位置でボールを奪い返せるのも良い。ドリブルがあるので、ファールをもらうことも出来る。ルーチョからはラファを育てようとする意思を強く感じるので、この調子でぐいぐい伸びていってほしい若者です(チャビの出番が減っちゃうのは寂しいけれど)。

ビジャレアルとのコパ準決勝は激ハード

11月から試合に敗れておらず、かつフエラで非常に堅い守備を見せているビジャレアル(10試合で8失点)に対し、2度もリードを許しながら勝点3をものに出来たのはとても評価できます。リアクションを起こすべき瞬間に、ギアを上げてスコアをひっくり返せる力強さ。バルサはこれにて公式戦8連勝となり、現地スポーツ紙の表紙からは幸福感がほとばしっている今日この頃でありますが、そういう雰囲気だからこそ指揮官ルイス・エンリケは周囲に向かって浮かれすぎる事無かれのメッセージを発しています。

この試合は私たちがすでにコパ決勝に勝ち進んでいると考える人たちにとって、最高の見本だよ。ビジャレアルとの準決勝はハードさを極める、それを大いに教えてくれる試合だった。この試合で私たちはバランスが必要であることや、やり過ぎが高く付きかねないことを確認した。ビジャレアルにはクオリティやスピード、突破力があり、すばらしい監督に率いられている。手本として役立つ試合だ」

まあこの試合を見て、ビジャレアルとのコパ準決勝は余裕と考えるクレはいないんじゃないでしょうか。アトレティコとの1/4ファイナルでカギとなったのは、カンプノウでのイダで相手にアウェイゴールを許さなかったことです。来週始まるビジャレアルとのコパ対決(第一幕カンプノウ)では、今回のように2ゴールを与えてしまうと次がキツイ。往来の激しい試合も落ち着かず精神的によくない。もう少し相手を自陣に押しこみたいです。ゲーム全般に関しては、ルーチョの評価は次のようになっています。

「一つの試合として、概ねポジティブに評価してるよ。最初の失点後の10分間を除けば、私たちはリアクションを示せていたし、カウンターアタックに苦しめられることもほとんどなかった」「3-2とスコアをひっくり返した後も、私たちは追加点を求め、逃げ切ろうとはしなかった。もっとポゼッションをすべきなのは明らかだけれど、もし相手チームがスペースを残しているなら、勝負を終わらせるためにもっと点を取りに行けと指示を出すよ」

メッシのポジションとスアレスへの信頼

レオ・メッシのポジショニングについて、ミスターの説明はこうです。「今現在はプレーのバランスを取るために、彼は右サイドでプレーをしている。けれどもメッシには、自分がより有利だと考えるポジションを選ぶ絶対的な自由があるんだ。だから後半の彼は中央へと移動していた。可能なかぎりメッシがボールに触れ、相手に向かっていくことが私たちの利益となる。そういう時は私たちは彼のためのスペースを開けるし、彼がポジションを変える時はそれをカバーすべきことをチームメイトたちはよく知っているよ」

また、南米トリデンテに対しては「彼らのように守備バランスを崩せて突破力のある選手たちが前線にいるのは嬉しいことだ」と喜びを表した監督。ケチャップのふたが開きそうで開かないルイス・スアレスのことは、心配は無用だと改めて強調しました。

ルイスが多くのゴールを決めること、さらにシーズンのカギとなる瞬間にそうなるであろうことを私は信じている。もしチャンスを作れていないのであれば心配したかもしれないけれど、それは出来ているからね。今回はアセンホの信じられないようなセーブがあったりと運がなかったとはいえ、彼はチームに多くをもたらしているんだ。彼はセントラルを引き付け、得点機を作り出している」

ここまでで最高のパフォーマンスを見せたラフィーニャに関しては、「彼のことはバルサBやセルタでも見てきたから、とてもよく知っているよ。他の選手たちと同じように今日はかなり完璧な試合をしたし、将来重要な選手となることに私は疑問を抱いていない。今季はチームでのポジションを固めないとね」とコメント。バルサから契約延長のオファーがなく、このままでは退団となるダニ・アルベスの契約更新については、「私が公に語るテーマではない。それはクラブとフロントの仕事だ。私はグラウンドで彼の最高のパフォーマンスを引き出すためにいる」とのみ語っています。

 

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