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苦労しながらも白星発進

痛かったのは負傷者の続発。

FCバルセロナが苦しみながらも、2015/16リーガ・エスパニョーラで白星スタートを切りました。サン・マメスで行われたアスレティック・クルブ対FCバルセロナは、ルイス・スアレスのゴールを守りきったカタランチームが0-1で辛勝。9日前のスーペルコパ・イダでは4-0で惨敗していたカテドラルだけに、難しい試合になることは分かっていましたが、予想どおりのタフな90分でありました。作り出したチャンスは数度と、バルサのパフォーマンスはまだ本来のものからは遠いものの、スーペルコパに比べれば改善は見られたのは良し。メンバーが揃うまでは、厳しい展開が続いていきそうな様子ですが、なにはともあれ祝白星発進&白組エンパテも嬉しい知らせです。

怪我人とプレッシングに苦しむ

スーペルコパ・デ・エスパーニャの二試合では息の詰まるようなプレッシングによってバルサを苦しめたアスレチック・クルブ・デ・ビルバオでしたが、このリーガ開幕節でもまた彼らはラインを高く保ち、ルーチョチームがリズム良くボールを回す場面はほとんど見られませんでした。今回のアスレティックはスロバキア遠征直後だからか、クラウディオ・ブラボを脅かす場面は限られており、バルサが負けそうな感じはなかったのですが、同点で終わる可能性は十分にあった。そこでスアレスの1点を守りきり、勝点3を得られたのは大きいです。

バルベルデチームのプレッシングとともに、ルーチョチームを苦しめたのが選手たちの負傷です。この夏のバルサは、昨シーズンの全員無事が蜃気楼だったかのように怪我人が続いていますが(ドグラス、アルバ、アドリアーノ)、このカテドラルでもダニ・アルベスが内転筋を傷め、セルヒオ・ブスケツが足首を捻ってそれぞれセルジ・ロベルト、マルク・バルトラと途中交代。幸いアルベスの代役はセルジ・ロベルトがこなせそうですが、セルヒオの離脱はかなりの痛手となりそうです。両選手は月曜日に精密検査を受ける予定。アルベスは復帰に1ヶ月は必要ではないかといわれているのですが、ブスケツはマラガ戦のみの欠場で済みそうだとのことです。

レオ・メッシの元気のなさも気になるところです。夏のデビュー戦となったローマとのガンペル杯では、さすがの仕上がり!とクレを感服させたエースでしたが、バルベルデ監督が用意したマークにやられたスーペルコパからはどうも彼らしくなく。今日も試合を通じてほぼ消えており、31分のペナルティもそれが必然であるかのように失敗してしまいました。

ルイス・スアレスの得点嗅覚

メッシがいまひとつ元気のないプレーをしていた一方で、バルサの得点機にほぼ毎回絡んでいたのが決勝点を叩き込んだルイス・スアレスでした。19分には巧みな抜け出しによってエルストンドのペナルティを誘発したほか、オフサイドの網にかかりはしたものの幾度となくライン裏への突破を試み、前線のターゲットとなってバルセロナの攻撃をリード。決勝ゴールとなった、ジョルディ・アルバのセンタリングに左足で合わせたボレーシュートも見事のひとことでした。

エースが不調の時でも、唐突にゴールを決めるスアレスが居るのは非常に心強いです。ルイシートは南米トリデンテで唯一プレシーズンの初日からトレーニングに参加しており、プレシーズンのチーム得点王となっています。南米選手兼に出場したレオネイマールのフォームが上がるまで攻撃陣を引っ張ってくれ、との期待にしっかりと応えてくれているスアレス。実にすばらしい9番です。

怪我明けなのに左サイドを精力的に上下し、良い仕事をしたアルバもよく頑張りました。ラキティッチのロングパスをダイレクトにエリア内へと送り込んだそのパス、グッジョブでした。

JOKER セルジ・ロベルト

もうひとり、この試合の主役となったのはダニ・アルベスの負傷(17分)によって緊急で右ラテラルを埋めたセルジ・ロベルトです。本職の右ラテラルがいないなかで、慌てることなくダニの代わりを務め、むしろ勝ってるんじゃないかというパフォーマンスでファンとメディアの高評価を獲得したカンテラーノ。クロスバーを叩いたシュート、ロングボールからの飛び出し&スアレスへのラストパスなど、攻撃時のセンスはさすがセントロカンピスタです。守備面でも目立ったミスはなく、担当領域をカバー。本来のインテリオールではイマイチなのに、メディオセントロやラテラルとしては良いプレーをする、不思議な選手です。

そのセルジ・ロベルトは試合終了後、右ラテラルでのプレーについてこうコメントしています。「とても気持ちよくプレーしたよ。最高の試合をして、チームを助けられたと思ってる。でもこの試合はもう終わったから、次の試合のことを考えていかなきゃならない」

「不運なことにダニ・アルベスが戦線離脱となって、監督が僕にラテラルでの出場機会をくれるのなら、チームを助けるためにやれる限りのことをやっていくよ

インテリオール、ピボーテ、それに右ラテラルもこなせるとなれば、ジョーカーとしてセルジ・ロベルトを招集する価値は大きくなりますし、実際に出場機会を得る回数も増えていくでしょう。各ポジションのレギュラー選手たちが復帰した場合、ポジションを奪えるかといえば厳しいのですが、、このアスレティック戦のラテラルは上々の出来でした。バモス、ロベルト。

そしてルイス・エンリケ監督はこのロベルトの試合について、「私たちのチームではラテラルの働きがとても重要なんだ。攻撃面だけじゃなくね。今日のラテラルたちは非常に良いプレーをしていたし、セルジ・ロベルトは特に良かったよ。急いでピッチに出たにもかかわらず、ジョルディ・アルバと同じように完璧な試合をしていた。アスレティックのプレッシャーを破るために、チームに貢献していた」と高い評価。ルーチョが個人を名指しで称えることは珍しいので、よほど喜んでいるということでしょう。

全員で汗を流しての勝利

チームとしてのリズムはまだ上がっておらず、ファンが望むような試合が再び見られるようになるには少々時間を必要としそうなルーチョチームですが、そんななかでも難所サン・マメスで勝点3をもぎ取れたのは非常に大きいです。9日前にはこの場所で呆気なく失点を重ね4-0で敗れたバルサでしたが、この日は全員が連帯してボールを追い、支え合うことで貴重な勝利を得ることができた。スーペルコパではやられたアドゥリスにも今回は見せ場を作らせず、アスレティックに許した決定機もわずか一度ほどでした。全員で走っていったことの代償が、キラキラ弾けるプレーの少なさにつながったと思いますが、現時点でサン・マメスを落とせるとすればこういう試合でしょうか。

試合終盤にアスレティックに押し込まれた際も、球際で競り負けず、なにがなんでもゴールは許さんとボールを弾き返していたのも印象的でした。どうなるかと不安だったマスチェラーノベルマーレンのコンビも破綻することなく、久々の零封に貢献。ラインの押上げが課題ですが、途中出場のバルトラとともに、なんとかなりそうな感じはします。マラガ戦はブスケツがおそらく欠場するので、やっぱりドキドキなんですけれど。。

あとはバルサが汗をかきながらも勝点3を手にした一方で、エル・モリノンではベニテス・マドリーが引き分け発進となったのも良い報せです。ルーチョチームは苦しい序盤戦ですが、これを乗り切ればあとで余裕が出てくるはず。幸い今週はミッドウィークの試合がないので、じっくりと身体を休め、次の試合に備えていきましょう。

 

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