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“カピタン” ピケ

残念だったセルタ戦で、強い印象を残したセントラル。

個人的なエラーが連鎖し、あれよあれよと3ゴールを奪われた11分間が大きな痛手となり、バルサはバライードスで黒星を喫しました。立ち上がりが良かったことにわずかながらも油断をしたのか、セルタの圧力が増してからのルーチョチームはプレーが緩く。特に22分から33分にかけては、あらゆるボールに激しく迫ってきたセルタの前に文字どおり為す術がないような状態で、水色の嵐がようやく収まる頃には3点差がついていて呆然、そんな様子でした。後半イニエスタが入ったことで持ち直したバルサですから、テクニコたちも修正ポイントは理解している。同じ失敗を繰り返さないよう教訓とすること以外にバライードスでの3ポイント献上を補う方法はありません。

逆転を信じプレーし続ける闘志・誇り

散々な前半のセルタ・デ・ビーゴ戦でしたが、後半は幾つかの明るい出来事もありました。その一つが、テレビ観戦のファンがチャンネルを変えたくなるような3-0となってからも、選手たちは勝負を捨てることなく、同点さらに逆転を目指して戦っていったことです。ルイス・エンリケは選手交代によってどんどんリスクのあるフォーメーションに移行させ、最後はアンドレ・ゴメスが最後尾、ピケは前線に上がりっぱなし、なる状態。1本裏を取られたら終了というなかで、攻め続けるのは強い気持ちがいるでしょう。自尊心や誇りも不可欠です。

テル・ステーゲンがやらかし、縮めた点差がまた広がった瞬間は、心が折れていても不思議ではありませんでした。しかし選手たちは追加タイムの最後まで、逆転は無理でも同点はいけると信じゴールを目指した。ほんの少しの運が味方していれば、ピッケンバウアーのハットトリックが決まりまさかの同点!となっていたところでした。

逆転へ向けチームを引っ張ったジェリ

30分ほどを残して1点差へと迫り、この流れだと逆転もあるかもしれない、とバルセロニスタに希望を抱かせたのは、失われていた中盤を甦らせ、バロンデオロ級の輝きを放っていたアンドレス・イニエスタと、この俺がチームを引っ張ってやるとの気概を全身から漲らせていたジェラール・ピケです。4日前のグラッドバックでは、チームに勝利をもたらす決勝ゴールを決めたセントラルは、このビーゴでも攻撃面で大活躍。後半が始まるや顔を高く上げてぐいぐい攻めていく姿からは、心の手で胸のエンブレムを叩きながら走っていると言いますか、カピタンのオーラが感じられました。それを見て(恥ずかしながら?)惚れ直したわけです。

そして仲間を鼓舞するだけでなく、逆転へ向けた狼煙となる3-1ヘッド弾で貢献。その後も中盤で前線でボールに絡み、テル・ステーゲンのあれの後も挫けることなく、4-3ヘッド弾を叩き込んで見せました。絶対諦めない気持ちをプレーで示す。このあたりのキャプテンシーも見事です。

MDやSPORTによりますと、セルタ戦のあった10月2日は奇しくも、永遠のカピタン カルラス・プジョルのトップデビューからちょうど17年だったそうです(1999年のバジャドリー戦)。そのプジにとって思い出深い日に、弟分のジェリが腕章のないカピタンとしてプレーでチームメイトたちを牽引した。プジョルがいなければ借りてきたネコの様だと批判されていたあのピケが、苦しかった日々を乗り越え、成熟し、こうして真ピッケンバウアーとなってチームを支えている。なんとも感慨深いものがあります。

報われなかった、初のドブレーテ

ジェラール・ピケがドブレーテ(1試合2ゴール)を達成したのは、このセルタ戦がキャリア初めてだそうです。しかしプロ初のドブレーテは、残念ながらチームに勝点をもたらすことはなかった。もしポストをかすめた最後のヘッド弾が入っていれば奇跡的エンパテでしたが、セントラルの彼にそこまで求めるのもなんでしょう。ドンアンドレスバルサで600試合出場の記念日でしたし、クレ的ハッピーエンドになってほしかったところではありますが。

ちなみに、、SPORT紙によりますと、今季のバルセロナはジェラール・ピケサムエル・ウンティティが先発でペアを組んだ4試合では、その全てに勝利しているそうです。逆に言うと、どちらかがいないと取りこぼし率が上がっているということ。バルサ入団間もないフランス人セントラルですが、そのデータは彼がジェリと非常に良い補完関係にあることを示しています。プジョルがいる頃は、試合中絶えずカピタンに怒られていたことで有名なピケ。今は立場も変わり、ウンティティを叱咤激励しているのでしょうか。偉大な先輩から多くを学び、ウンティティもいつかはバルサの黒いカイザーとなれ!

ということでジェラール・ピケプジョルの面影を感じたセルタ戦。最後はピケの試合終了後の言葉で(強引な)まとめといたしましょう。「僕らには改善すべき点が数多くあるし、それがこれから学ばなければならない教訓だよ」「テル・ステーゲン?彼は足元が上手く、僕らはそれですごく助けられてる。多くのプレーが、彼のおかげで始まるんだ。エラーは誰だってするものだよ」「彼は彼のプレーを続けていかなければならないと思う」

 

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