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メッシ、道を切り拓く:セビージャ戦

大エースの同点弾で全てが変わった。

「試合が壊れた時、メッシを止めることは不可能だ。彼やバルサにスペースを与えれば、大きな罰を受けることになる」「メッシのゴールはチームの精神状態に大きな影響を及ぼした」と試合後に語ったのは、ギガクラックの破壊力によってゲームプランを破られたセビージャ監督ホルヘ・サンパオリです。アンダルシアチームは前半、息もつかせぬほどのプレッシングによってバルサのパスワークを分断。バルセロナのお株を奪うポゼッションで、一時は勝利を決定付けるかという場面も作り出しました。しかし我らのメッシの一発によってゲームの流れは一変。後半にダメだったシティ戦とは逆パターンでの逆転勝利(1-2)に成功しています。

ゲームを一変させる全方位的影響力

再びサンパオリ監督の言葉を借りますと、「シーズン屈指の前半だった」と言えるほどにこの夜の、特に最初の40分間のセビージャのパフォーマンスはすばらしいものがありました。熱狂的なプレッシングによってバルセロナへと圧力をかけ、ひとたびボールを奪えば流れるようなパスワークによってバルサ陣内へと進撃。流動的に、小気味よくボールをつなぐアンダルシア勢にカタランチームは為す術ない様子で、1-0のまま40分を迎えられたことが幸運といえるほどの内容差がありました。

バルサは攻撃を仕掛けようとしては容易くボールをカットされ、守備の整わぬままに撤退を余儀なくされることの繰り返し。一度ボールを落ち着かせ、じっくりと仕切り直すこともできず、正直なところイヤな予想ばかりが脳裏を巡る40分でした。

しかし42分、アルゼンチン人クラックの一撃で試合はがらりと様子を変えます。メッシデニスネイマールとつないで決めたカウンターで、エリア際からの通りそうにもないシュートをデフェンサたちの間に通してしまう決定力。そして世界中のバルセロニスタに「これで勝てるかも!」と思わせてしまう影響力。この同点弾がセビージャ選手たちに与えた心的ダメージも大きく、ハーフタイム後は打って変わってバルサ(その中心はレオ)の支配する試合となりました。ルイス・スアレスにとって3試合ぶりとなる(エグイ)決勝点をアシストしたのもこのメッシ。窮地を救うゴールだけでなく、こういった全方面への影響力が、世界最高選手たる所以です。

メッシの能力を最大限に活かすこと

ギガクラックの天性に先導され、1-1で後半を開始したバルサは、前半とはまったく別の顔を見せて試合をコントロール。ハーフタイム前はほとんど作れなかった得点機を、次々に作り出していきます。セビージャの動きがガス欠のごとく重くなった一方、バルセロナの動きは非常に軽快に変化。試合終了後のルイス・エンリケは、チームは後半にある戦術変更をしたといいます。

「後半の私たちは、セルジ・ロベルトをピボーテに上げることで中盤での数的優位を生み出していた。何度かのゴールチャンスでは、状況に応じてセルジ・ロベルトウンティティが攻撃に参加していたね。しかしより多くの得点機を作り出していたのはレオ・メッシだ」

そしてルーチョが高く評価するのは、レオの試合を読む力です。「レオにはどこのポジションでもプレーする能力、ゲームを読む能力がある。私たちが目指しているのは、彼の力を最大限に引き出すことだよ。どの選手もスペクタクルな出来だったけれど、レオのレベルは非常に高かった」

ルイス・エンリケ「後半は極上の出来栄え」

以下、サンチェス・ピスファン攻略に成功したことを満足げに振り返った、バルサ監督ルイス・エンリケの試合終了後のコメントです。

「私たちは何度もボールを失ってはいたものの、序盤は得点機を手にしていた。しかしそれらを決めきれず、セビージャに先制点を決められるなど、相手により得点機を作られていたね。けれども前半最後のゴールによって私たちは試合に入っていけたし、後半はブエニッシマ(極上)の出来となった。私たちは勝ちに相応しかっただけでなく、早くに試合を決めてしまう展開が相応しかった」

「攻撃的な2チームによるステキな、得点機の多い震える試合だった。チームの反応も非常に良かった。またも相手にリードを許したのは問題ではあるけれど、私たちはそれを驚くべき方法で解決できた」

ピッチコンディションは両チームにとって有り難いものではなかったし、相手チームのプレッシングは全てをより難しくさせるものだ。バルサの選手たちがどんな生地を作っているのかを見るには良いテストだったと思う。今節は首位チームも勝っていたので、彼らに付いて行くために私たちには勝利が必要だった」

「チャンピオンズの後、ビッグチームに起こりえることを私たちは知っている。だから私はここで勝てたことを嬉しく思っているんだ。それにこれは、私たちをチームとしても個人として強くする勝利だ。セビージャのように質が高く激しいライバルとの試合では、相手に上回られる時間帯はあるものだけれど、こういった試合をひっくり返せたことはチームの力となる。勝点3を得られたことに満足しているし、次は全員が怪我なく代表から戻ってくることを期待しているよ」

デニス・スアレスを称賛

このセビージャ戦でメッシルイス・スアレスネイマールウンティティらとともに好印象をファンに与えたのが、左インテリオールとして存在感を出したデニス・スアレスです。火曜日のマンチェスター・シティ戦ではアンドレ・ゴメスが同じポジションで良い働きをし、逆転負けを喫したチームの中で数少ない明るい話題となっていましたが、今回はデニスが負けじと躍動。毎回異次元のメッシは別として、普段は個人名を出して褒めることの滅多にないルイス・エンリケも、このデニス・スアレスのパフォーマンスとプレーへの姿勢には賛辞を送っています。

「今回はデニス・スアレスのことを取り上げたい。彼は出場機会を得るたび、ハイレベルな成果を出してチャンスを活かしているね。限られた出場機会やスペースのなかで、あのようにプレーをするのは簡単なことじゃないんだ。出場時間に関わらず、デニスは常に良い姿勢を示している。全ての選手に私たちが望むのはそういった姿勢だよ。彼を祝福し、今のように続けていくよう言わないとね。プロフェッショナルとはかくあるべき、という手本だよ」

 

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