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歴史的逆転を信じて:PSG戦

パリと逆の出来事が起こるかもしれない。

さてやってきました、パリ・サンジェルマンをカンプノウに迎えてのチャンピオンズ1/8 ブエルタです。優勝は懸かっていませんし、天下分け目でもないトーナメントの1回戦ですが、ルーチョバルサにとっては今季を代表する決戦の一つ。イダでの4-0をひっくり返すという、チャンピオンズではまだどこのチームも達成したことのない難行にもし成功すれば、彼らは文字通りフットボルに歴史を作れる。3週間前は到底可能だとは信じられませんでしたが、そこから「ひょっとして」と思えるように持ってきたのは見事ですし、せっかくなので祭りにしちゃってほしいです。

先制点、敵陣でのプレッシング、速いパスワーク

チャンピオンズでの大逆転劇といえば、今からもう13年前のデポルティーボ・ラ・コルーニャが思い出されます。2003/04シーズンの1/4ファイナル第1戦で、好調ACミランに4-1で敗れたデポルが、リアソールで4-0の逆転劇をやってのけたあの試合。あの時も「チャンピオンズの歴史で第1戦の3点差をひっくり返したチームはない」と言われてましたし、カルロ・アンチェロッティ率いる前年度王者ミランを大逆転で下したこのイルレタ・デポルの前例は、バルセロニスタに勇気をくれます。

このデポルの例もそうですし、2012/13シーズンのチャンピオンズ1/8 ブエルタで同じくACミランを4-0で下したティト/ロウラバルサの試合もそうでしたが、早い時間帯での先制点がまず重要になってくるのは確かでしょう。これらの4-0試合では、デポルは5分にパンディアーニが、バルサは4分にメッシがネットを揺らし、ハーフタイムまでに2点差以上を付けています。2-0とすることでスタジアムの雰囲気は押せ押せになりますし、浮き足だって弱気が芽生えたチームにはエラーも出てくるでしょう。

“奇跡”を起こすために求められるのはバルサのフットボルをすることで、生命線は敵陣でのプレッシングです。高い位置でボールを奪えれば相手ゴールまでの距離は近く、相手が心身両方で消耗する一方でこちらの疲労は少なくなる。選手間の距離とポジションが良ければパスコースは増え、危ないボール喪失も減ります。そして速くボールを回し、サイドを開き、守ってくるであろうパリチームを崩す。PSGから平常心を奪いたいです。

一方、ラインを高く上げて選手間の距離を縮めることにより、バルサの最終ライン後方には広いスペースが生まれることになります。これは冒すべきリスクです。ウナイ・エメリはここをディ・マリアドラクスラーの速度によって突こうとしてくるでしょうから、バルサはボールの出所をプレッシングで潰さなければならない。速いトランジションを阻止しなければならない。セットプレーも可能な限り与えたくありません。それでも何度かはピンチになると思うので、そこはテル・ステーゲンのパラドンに期待です。我々ファンはパリのシュートが外れるように全力で念じましょう。

ルイス・スアレスは昨日の前日会見にて、逆転実現のカギに忍耐を挙げています。「試合は94-95分続くわけだからね。求められるのは忍耐強くいくことで、死に物狂いでいく必要はないと気付いてないといけないんだ。開始1分からクレイジーにならないようにしないと。ファンにも落ち着きと忍耐を持つことを希望するよ」

ルイス・エンリケ「PSGが4点取ったなら、こちらは6点取れる」

そしてFCバルセロナの指揮官ルイス・エンリケ・マルティネスは今季限りでの退団発表によって重荷が下りたか、今回はもう攻めるしかないとハッキリしているからか、PSG戦の前日会見でのコメントは楽観的でした。ミスターは言います。「彼ら(PSG)がイダで私たちに4得点したのであれば、私たちは彼らに6得点を決められるさ。私たちが6得点したのは1度や2度ではない。何分までに何ゴールを決めなければならない、と考えておかしくなる必要はないんだ。私たちに失うものはない」

「自分たちのスタイルに忠実でなければならないだろう。けれども95分の間には無数の出来事が起こりえるからね、ボールを支配し、危険を生み出すことで、相手への優位を示さなければならない。それがまず第一だよ。PSGのようなライバル相手での試合には特有の難しさがある」

「このチームがレモンターダ(逆転)を達成してないのは、それを強いられたことがなかったからだよ。この試合は良いテストだ。今回起こることとは関係なく、私のチームへの信頼は変わらない」

「歴史を作る云々は私としてはどうでも良いんだ。重要なのは逆転して勝ち抜けること。それへと近づく瞬間が訪れると確信しているよ。だからといって私たちが目標を達成するということではないけれど、近づく瞬間は来ると私は信じているんだ。そのとき、私たちの士気は上がるだろうし、相手の士気は下がるかもしれない。完全に仕留められるまで、勝負は分からない

目標へと達するためにしなければならないことをする、それに集中していくよ。どのようにプレッシングをしかけ、どのように相手へのスペースを減らしていくか、すべきことに集中する」

「エンリケ時代のベスト試合をしなければならない、という感覚はないけれど、最高難易度の試合なのは明らかだ。私たちは非常に効果的でないといけない。時間の経過に従い、すべてが手の届くところへ来るかもしれないし、より困難なことになるかもしれない」

カンプノウの圧力釜化を要請

ルーチョはそしてメディアやファンの期待がD10Sことレオ・メッシに集中している件に対し、「レオは私たちにとって中心となる選手だし、もっとも突破力のある選手だとはいえ、一人の選手に集中すると過度の責任を負わせることになる。チーム全体で目標を達成しなければならない」と責任も成功もチームにあると強調。一方でカンプノウを埋め尽くすであろうファンにはPSGに圧力をかけまくるよう要請し、ファンに落ち着きを求めたスアレスには、その点では同意しないと監督は言いました。

「フットボルの試合では、感情のコントロールが重要となるし、この試合では特にそうだ。けれどもファンは別。カンプノウは圧力鍋となるべきで、私たちは静けさもゆっくりした雰囲気も全く必要としていないんだ。私たちに必要なのは爆発するカンプノウ、ハイパーに熱くなって興奮したカンプノウだ。一方でチームは、正気を持ってプレーをしなければならない」

「私はカンプノウがリバポー様式の“地獄”になるべきとは思わない。それは私たちのファンのスタイルではないからね。けれども私たちをサポートする圧力釜にはなってほしい。選手たちが落胆しないように圧力で励ましてほしいんだ。私はそういう空気になると信じているし、チームが言葉で言うよりもプレーで実行していくと確信しているよ」

ドイツや英国のスタジアムとは異なり、カンプノウは割と静かな観戦スタイルが特徴ですが、このPSG戦はルーチョの要請に応えてキックオフ直後から大いに盛り上がっていくでしょう。これで後押しされたバルサ選手たちが乗りに乗り、良いタイミングでゴールが決まれば、おそらく監督の予言するように勝ち抜けへと近づく瞬間が来るはず。フットボルの神様がバルサに微笑み、魔法の夜が訪れることを大いに期待しようじゃないですか。俺たちは強い!バモス!

 

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