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9番候補、トニー・サナブリア

 

17歳のパラグアイ代表デランテロ。

FIFAウィーク期間になると、メディアを賑わせるのが次のマーケットでの移籍のウワサです。折りしもバルサは昨日、サンドロ・ロセイ会長、ジョゼップ・マリア・バルトメウ副会長、アンドニ・スビサレッタSD、ヘラルド・マルティーノ会長、カルラス・レシャック顧問らによるレストラン会議があり、バルセロナのスポーツ紙は“セントラルと9番獲得に関する話し合いがあった”と報道。セントラルはプジョルの状態次第でしょうが、より可能性があるとして各紙に共通しているのがデランテロ・セントロの補強です。まあ、いつものよくある話題ではありますが。

 

ラ・マシアで育ったストライカー

そんな冬のマーケットはさておきまして、、、バルサには実はすでに面白いデランテロが1人います。フベニールAに所属しバルサBでもプレーし始めている17歳、トニー・サナブリアです。中盤の選手はたくさん輩出するけれど、本格的なストライカーは生まれてこないラ・マシアなのですが、最近は潮目が変わってきたようで。正統派9番タイプのジャック・ドンゴウ、点取り屋のサンドロ・ラミレスに加えてこのトニー・サナブリアと、豊作モードになりつつあります。

“プランB”の必要性が常に語られながらも、発動させる機会は限られているバルセロナ。シーズンで数回だけある“9番がほしい状況”のために、高額な投資を行えないのがバルサの難しいところです。求められるのは、安くて能力があり、控えメンバーでも不満を爆発させないデランテロ。そんな都合のいい選手はベテランか若手に限られるわけで、カサ育ちの9番が誕生するのがクラブにとって一番望ましいのです。

サナブリアは身長180cmで、2009年に13歳でバルサに入団。この夏には弱冠17歳にしてパラグアイのフル代表に招集され、10月のFIFAウィークでも南米予選に参加中です。どんなタイプのデランテロかといえば、誰に似ていると明確に言える選手のない独特なタイプだそうで。敢えて言うならベンゼマっぽいと、あちらこちらでは書いてあります。エリア周辺を動き回り、機を逃さずにトドメを刺すタイプのデランテロ。スピードと技術に優れ、守備への献身も怠らない。MUNDO DEPORTIVO紙は彼を、ゴールエリア内で獲物を探すワニだと表現しています。まだまだ修行中ですが、ドンゴウやサンドロと並び、将来が期待される逸材です。

 

マドリー入団目前だった

パラグアイ代表であるサナブリアが、バルサ選手となった経緯はこんな感じです。トニーは1996年3月、4人兄弟の長男として生を受けました。彼の家族は当時パラグアイのサン・ロレンソで暮らしていたのですが、南米での暮らしは決して簡単ではない。母シルレイさんがスペインで職を探すことになり、2007年、単身セビージャへと移り住んだのです。そしてしばらく後、親類のつてと努力によって彼女はバルセロナへとたどり着きました。夫と4人の子供たちも合流し、家族全員で暮らせる日々の再開です。

サン・ロレンソでフットボルを始めていたトニー少年は、バルセロナでもプレーを続けたいと願いました。家計は苦しかったのですが、叔父の援助のおかげで従兄弟が所属していたシッチェスのラ・ブランカ・スブール(La Blanca Subur)というクラブに入団。そこでトニーはめきめき頭角を現し、1歳年上のチームでプレーしながらも、1年目にいきなり70ゴールをあげるという活躍を見せています。

そこでサナブリア家の元へやってきたのが、レアル・マドリーのスカウトマンであるマノロ・ロメロでした。母シルレイさんによると、「息子はマドリー入団でほぼ決まり」だったそうです。「けれどもその当時、彼らは会長選挙の只中にあり、話は凍結となりました。そこにバルセロナからの誘いがあったのです」(abc.com)とのことで。アラどうもすみませんね、白組さん。

SPORT紙によると、ブランカ・スブールのコーディネーターであるジョゼップ・パスクァルさんから友人のアルベルト・ベナイヘス(バルサの元著名スカウト)へとトニー少年の状況を知らせる連絡が入り、彼は入団テストを受けることとなったそうです。彼の運命が白いシャツを拒み、青えんじを引き寄せた。そうしてバルサのサナブリアが誕生しました。

 

他クラブの注目度もアップ中

現在サナブリアは、ジョルディ・ビニャルス率いるフベニールAに所属しています(Bチームにも登録されている)。このシーズン序盤は、非EU人ならではの問題もありました。EUのパスポートを持たない選手は、スペインに居住して5年が経たないかぎり国内の公式戦には登録できないという制約があり、その条件を満たすまでの2ヶ月間、サナブリアは練習試合とトレーニングだけの日々を送ったのです。

バルサBにはドンゴウとサンドロがいますので、すぐさまそちらが主戦場になる可能性は低いです。しかしサナブリアは17歳にしてパラグアイのフル代表に呼ばれる逸材。先日行われたセルティック・パークでのUEFAユースリーグ(0-2)ではゴラッソを2つ決め、バルサフベニールAの勝利に貢献しています。英国方面ではさっそく彼を獲得しようという動きも出ているらしく、スビサレッタは近々その対応に迫られることになりましょう(バルサとサナブリアの契約は2015年6月まで)。

いずれにせよ、カンテラ育ちの9番がBチームで重なってしまう状況なんて、一体どうしたことか^^; そのなかで誰が生き残り、トップチームに上がってくるのか。楽しみです。

 

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