クラブの宝、カンテラ

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FCバルセロナは、世界に誇る優秀な下部組織(フットボル・バッセ Futbol Base)を擁するクラブです。

下部組織は年代別に

プレベンハミン 9歳以下 アマチュア
ベンハミンA、B、C、D 9~10歳
アレビンA、B、C、D 11~12歳
インファンティルA、B 13~14歳
カデッテA、B 15~16歳
フベニールB 17~20歳
フベニールA プロ
バルサB

に分類されています。そしてフベニールからインファンティルまではAとBに、アレビンとベンジャミンはそれぞれがA、B、C、Dに分けられています(バルサCは06/07シーズンで廃止。バルサBは08/09よりバルサ・アトレティクと名称変更、10/11より再びバルサB)。

フベニールAからはプロセクションに入り、いわゆる育成部門となるのはフベニールBまでです。

この年齢別けは絶対的なものではなく、各カテゴリで飛び抜けた能力を持つ少年は、“飛び級”によって一気に上位カテゴリへとステップアップ。近年ではイニエスタメッシが17歳頃にトップチームに参加するようになったのが記憶に新しいところですし、ボージャンも彼らと同じ道を歩んでいます。後に主力に定着するような選手は、20歳頃にはトップチームに上がってくることが多いです。

下部組織は、一般的にカンテラ(=石切り場、養成所)として知られます。目的はもちろん、才能ある若手選手を発掘・育成すること。一人でも多くの少年の才能を磨き上げ、トップチームへと送り込むことがカンテラの目標となります。それゆえに、下部カテゴリの各チームは、トップチームと同じシステムでプレーするというのも特徴。幼い頃から、バルサのプレー哲学を身体に叩き込まれて育っていくのです。

◇土台を作ったヌニェス

クラブ創成期から、現在ほど組織化されたものではないにせよ、独自の若手育成哲学をもってカンテラを運営してきたFCバルセロナ。しかし細かく年代別に分類された下部カテゴリを持つようになったのは、近年になってからのことです。その現在に至る組織の土台を築き上げ、発展のきっかけを作ったのは1979年に会長に就任したジョゼップ・ルイス・ヌニェスでした。

後の“大会長”となるヌニェスはまず、下部カテゴリをほぼ現在のものと同じ年代別に分け、BやCチームには昇格したものの、Aチームには上がれない選手の他クラブへのレンタルというシステムを考案しています。これによってカンテラの血の巡りがよくなり、組織は徐々に活性化していきました。カンプノウの隣りに立つカンテラ専用の寮、ラ・マシア(LA MASIA)を作り出したのもヌニェスの功績です。

◇ラ・マシア

地下鉄マリア・クリスティーナ駅方面からカンプノウを目指すと、巨大なスタジアムの隣りに、歴史ありそうな石造りの古民家のような建物があるのに気付きます(写真)。これが18世紀に建てられ、ヌニェスが選手育成寮として使い始めたラ・マシア(バルセロナの重要建築物)。それ以前はクラブの事務所として使用されていました。現在では、選手たちの生活する寮としての機能はバルセロナ市の隣町サン・ジョアン・デスピにあるトレーニング施設シウター・エスポルティーバに移転しているため、ここに“キラキラ星”たちは暮らしていません。かつては隣りにトップチーム用の練習グラウンドがあり(現在は駐車場)、ここを通称でラ・マシアと呼んでいました。

日本では、スポーツに秀でた少年はひたすらにその練習に打ち込み、ただエリートの道を目指していくというようなパターンが多いと思います。しかしバルサのカンテラ育成哲学で特筆すべきなのは、ラ・マシアが勉学も含めた人間形成の場であり、一流のスポーツ選手であると同時に、一人前の大人にならなければならない、というものです。よってマシアに入寮した少年たちは、フットボルの練習だけではなく、勉強にも励みます。学業が疎かになり、進級できなければ、即退寮。無断外泊など、規則違反をしても即退寮。トップ選手として成功するのはほんの一握りであり、それ以外の子供たちが社会で立派に生活していける道を、ラ・マシアは開いているのです。

2011年現在、バルサのトップチームには多くのカンテラ出身選手が在籍しています。バルデス、プジョル、ピケ、チャビ、イニエスタ、ブスケツ、セスク、チアゴ、メッシ、ペドロ、テージョ、そしてクエンカ。チャンピオンズ優勝候補の常連であるバルサのようなビッグクラブで、これほどまでに下部組織上がりの選手が多いのは、きわめて稀です。しかもそのほとんどがチームの中心ですから、バルサ・カンテラのすさまじさがよく分かります。全てのポジションにカンテラ出身者がいるのも、特筆すべきことです。

過去の輩出選手を見ても、ガブリ、セルジ、グアルディオラ、フェレール、アモールなど多士済々。バルサだけではなく、ルイス・ガルシアにレイナ、デラ・ペーニャ、ルケ、ルフェテ、セラデス、F.ナバーロ、セルヒオ・ガルシア、ジェフレン、ボージャンなどがラ・マシアから巣立ち、各トップチームで活躍をしています。

2006/07シーズン、バルサAチームへの人材供給源として重要な役割を担うバルサBが、事実上4部となるアマチュアリーグへ降格となってしまいました。これでは人材育成の場としての役割をバルサBが果たすことは困難で、多くの選手が他のクラブへとレンタル、あるいは移籍によってバルサを離れることは必至と思われていましたが、前トップチーム監督であるペップ・グアルディオラが見事、1シーズンでのセグンダB復帰を果たしています。続く2008/09シーズンからは、ルイス・エンリケが監督となり、セグンダA昇格。2010/11シーズンは1年目でいきなり3位獲得という偉業を成し遂げました。

エウセビオ新体制となった2011/12は8位で終了。2013/14シーズンは新世代のキラキラ星たち(バグナック、グリマルド、サンペル、デニス・スアレス、ムニル、アダマなど)らの活躍により、序盤の低迷を挽回して2度目の3位フィニッシュを達成しました。一方、2013/14シーズンはフベニールAがリーガとUEFAユースリーグを制覇。こちらも期待される逸材の宝庫です。

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