ルーチョがただ1つ、セルジ・ロベルトに不満な点

バルサTVのインタビューで1年を振り返った監督。

FCバルセロナのフットボルチーム監督ルイス・エンリケがバルサTVのインタビューに答え、2016年の各話題や2017年の目標について語っています。この1時間番組のなかでアストゥリアス人指揮官は様々な出来事のあった1年を振り返っているのですが、最初の挨拶もそこそこにまず訊ねられているのが、バルサ監督を続けることへの大変さでした。今季で3年目となるカンプノウでのベンチ生活へ臨むにあたって、迷いなどはなかったのか、そして来季もバルセロナを率いていく考えはあるのか。将来に関しては、いつものように、明言は避けているルイス・エンリケです。

契約の延長について

タタ・マルティーノの後任として2014年初夏にバルサのトップチーム監督に就任したルイス・エンリケ・マルティネスは、クラブとまず2年契約を結んでいました。そしていきなりトリプレーテを達成し、バルセロニズモが幸せに包まれる中で契約を2017年6月末まで延長。契約最終年となる今季は、序盤から契約延長についての質問が繰り返されています。しかしミスターの答えはいつも、「シーズン最後に考える」。今回のインタビューでもまた、同様の見解が繰り返されています。

ルーチョはまず、3冠で終わった初年度にもバルサとの契約を延長するかどうかの「迷いがあった」と言っています。最終的には全タイトルを獲得したものの、シーズン半ば頃は苦労の連続。勝っていたとしても毎日が挑戦の連続で、私生活との調和は至難の業だそうです。

「時間がないので、情熱と私生活の調和は難しいよ。監督は内面から私たちを夢中にさせる職業だけれど、明らかに消耗させる要素も含んでいるんだ。選手だった頃は、FCバルセロナの監督なんてのは簡単なものだと考えていたことを覚えている。意欲は常にあるわけで、どこに難しさがあるってね。ただチームにはそれぞれの難しさがあるし、各選手、各グループには異なるやり方が必要で、常に勝つことは大いに消耗する。いつも勝利を望み、義務付けられ、常に証明せねばならないことも疲弊させるね。不幸なことに、いつまでもここにいられる監督は多くはないんだ」

バルサの監督は24時間監督であることが求められ、朝の4時や5時にはもうバルサ監督となっていることが多々ある。私の言うことが分かるかな?これは大変だよ。物事が上手くいっている時であっても、チームに起こることに対して責任があり、休まる時がない。ボタンをOFFにすることがなく、休めないね」

インタビューはそしてチームの総括に入っていくのですが、最後の最後に「自分がここに何年もいる姿を想像していますか」と訊ねられた監督は、こんなふうに答えています。

「そうだね、本当のところ、分からないんだ。自分が最高のチーム、最高のクラブにいることを私は一切疑問に思っていないし、ここは自分のカサであり、最高の選手たちや家族と一緒に大いに楽しんでいる。けれどもこの仕事にはハードな一面もあり、私はそれに苦労している。次のシーズンへと向かうためには、私はそれらも評価しなければならないからね。考える時間はあるし、クラブは私に寄り添い続けてくれている。直近の未来に関してはあらゆるプランを練り、準備をしているよ。私は現在に集中しているんだ。それにここではないなら、別のところとはならないことは承知している。どうなるか、見てみようじゃないか」

気力体力の両面で強靭だと思われるルイス・エンリケであっても、バルセロナの監督を長年務めるのは相当にタフなのでしょう。ああもう疲れてきた、と感じてしまうと、おそらく続投は困難になってしまう役職。彼の言葉からはそろそろ疲れが出てきている様子が感じられますし、もし続いたとしてもペップ・グアルディオラと同じ4年が目処かもしれません。まあ、まずは今季リーガかチャンピオンズを獲得するのが前提でしょうか。

戦術

なにぶん約1時間に及ぶインタビューですから、ルイス・エンリケは各テーマに関し、いつになくたっぷりと見解を述べています。出来ることならばその全部を紹介したいところなのですが、残念ながらその能力がワタクシめには無く。興味を引かれたいくつかを抽出してみたいと思います。まずは戦術の修正、変化についてです。

「相手チームはいろんなことを仕掛けてくるし、私たちのプレーを打ち消すために相手がしてくる事に応じて、私たちも変化をしていく。この3年間で、私たちは多くのことを行ってきたし、変化を加えてきたよ。大部分の人たちはそれに気付いておらず、これから気付くこともないだろう。それらは細かなニュアンスなので、相手チームの多くも気付いていないし、気付きもしないだろう。相手チームの監督たちは私たちを研究し、どのようにしてプレッシャーを仕掛けるか、そのためにハードワークしている。私たちはそれに応じ、変化しているんだ。セントラルをオープンにしたり、ブシを両セントラルの間やセントラルとラテラルの間に置いたり、インテリオールの位置を下げたり、ピボーテのブシからボールを出したり、インテリオールをメディアプンタのように配置したり、レオをラインの間に置いたりね。どこまで行くのか?知らないよ、、、相手チームがどう出るかを見て、彼らによりダメージを与えられるように、相手を打ち消せるようにしていく。私たちにマエストロなるプレーがあって、全てに勝てるわけではないからね。先を読まれないように、絶え間なく修正しなければならない。バルサがどこへ行くのかは分からないけれど、目標は私たちが相手よりも良いプレーをし、相手の仕掛けることが結果を出さずに終わることだよ」

「監督としての目標は、カギとなる選手たちが最大限にプレーに関与することで、それはポジショニングによって可能となる。(中略)自分がチームや選手たちを手助けしているという感覚を持てないなら、監督とはなっていないだろう。自分としては先発を決めるだけでなく、もっと多くを求めているんだ。幸運なことに、監督となって以来、私はその感覚を抱いてきたし、それが私の目標となっている。メッシがいるからといって、彼が4人をドリブルで抜くと考えて計画するのは馬鹿げたことだろう。おかげさまで、私の選手たちは資質の高さで物事を解決してくれるけれど、まず必要なのはその前後のポジショニングだ」

カンテラーノに求めるもの

ルイス・エンリケはこれまでの2年半で、ムニールからマルロン・サントスまで計11人のカンテラーノをトップデビューさせてきました。しかしそのままトップチームに残っているのは、第3ポルテーロで出番の全くないマシップのみ。マラガで活躍しているサンドロ・ラミレスなどは使い方次第で違ったのでは、とも思いますが、なんにせよフィリアルから選手が上がってきていない。それらに関し、ミスターは基本の習得が不十分と考えているようです。

「もし私がインテリオールの選手に、ピボーテのブシがボールを持った時、いつサポートに来る必要があり、いつ無いのかを説明する必要があるとするなら、それは良くないんだ。私が言いたいのは、もしプレッシャーがかかっていないなら、ボールを受けに行く必要はないってことだよ。求められるのはラインの間に入り、数的優位を作り出すことになるだろう。まだ何人かの選手は、そういったコンセプトを身につけなければならない。ジェラールガブリの仕事に疑問を抱いてはいないけれど、彼らは若者たちの蒸気ハンマーとなって繰り返し繰り返し、彼らがオートマチック性を習得するようしていかなければいけない」

バルサでプレーするのは非常に難しいし、選手たちにその難しさを伝え、気付かせなければいけない。新加入する選手たちに一番言われているのは、そのことだと思う。ビッグクラブから来る選手も、ここへきて初めて、フットボルが違うと分かるんだ。ここではボールが異なる駅を通過していくし、選手たちはチームの必要に応じたポジショニングを求められる。必要なのはインテリジェンスだ」

アレイシに再びチャンスは来る

チャンピオンズのボルシア戦で良いパフォーマンスを見せたことで、状況が変わってきたのではないかと見られたアレイシ・ビダルですが、その後も監督の招集リストに入ったり、入らなかったり。冬のマーケットで右ラテラルを補強するのではないか、とのウワサは絶えることはありません。

「状況は変わってきているよ。フットボルは非常に不公平なものでね。おそらく彼は、私がほとんど起用していない唯一の選手だ。プレシーズンの出来栄えや、コンペティションでの最初の数試合を見て、私はその決断を下した。規則によって私が妻としか結婚できないように、バルサ監督である私にはすばらしい選手たちが数多くいるからね」

「選手たちとは良い関係であるように頑張っている。アレイシは非常に感じの良い選手の1人で、グループのなかで彼の周りはいつも賑やかだよ。私も彼のことがとても好きなんだ。彼に対しても、他のどの選手に対しても、私は一切問題はない。ボルシア戦でのプレーはスペクタクルだったし、あれは嬉しい驚きだった。私としても、アレイシをラテラルで見られるのは良いことだからね。もしあのレベルを示し続けるのであれば、チャンスは再び訪れるだろう。ただし、最終的に私は決断を下さなければならない。プレーできないことが選手にとって心地よくない状況なのは、私も理解している。けれども彼らはプロフェッショナルで、私は自分の仕事をしなければならない。今は全ての選手がスイッチオン状態だと思うし、それはポジティブなことだよ」

ロベルトはもっと伸びる

右ラテラルで先発起用されているセルジ・ロベルトに関しては、本職であるセントロカンピスタとして起用したいのがルイス・エンリケの本心のようです。「将来、セルジ・ロベルトのレボリューションがあると思ってるよ。彼はラテラルとして最高の成果を残せる選手だけれど、私はその能力をインテリオールとして使いたいし、そうなっていくと確信している。彼は今成熟する過程にあり、不動のレギュラーになるとしているところだ。彼にはピボーテとなるための資質もある。成りたいと望むような選手に成れるだろうね。ただ一つの課題は、ゴールだよ。下のカテゴリーでは、得点力があったんだ」

「彼にはいつも、フベニールではゴールを決めていただろうと言ってるよ。けれども今は、苦労をしている。プレーするエリアは相手ゴールから遠くなってはいるけれど、資質はあるんだ。何故もっとゴールを決めに行かない?私は右ラテラルでプレーをしても、たくさん得点を決めていたよ。これは信念の問題だと思う。エリアに入っていって、ゴールを決める信念だ。彼ならそれが出来ると私は思っている。私から彼への不満はそこだけ。どこでプレーをしようと、ゴールをしない理由なんて無いんだ」