アレイシの穴をどう埋める

Bチームから上げるか、補強するか…。

新年から続いていたコパ月間はハードでしたが、FCバルセロナは立ちはだかる強敵たちを退け、目標の1つである決勝進出を達成しました。ホッとひと息といきたいところですが、三冠を目指す道のりに休みはない。ここからはいよいよ、明日再開するチャンピオンズでもファイナリストとなるための戦いの始まりです。その最初の関門となるのが、お馴染みのウナイ・エメリ率いるパリ・サンジェルマン。ルイス・エンリケはこの試合に選手たちが良い状態で臨めるようローテーションを実施してきたわけで、パリではその成果のほどが示されることになります。外野の印象としましては、まずまず期待を持てそうな感じです。

右ラテラルの控えはニリを招集

ルイス・エンリケが昨日発表したパリ遠征の招集リストでのちょっとした驚きは、4日のアスレティック戦でテル・ステーゲンのひざが顔に入り、鼻骨を骨折していたラフィーニャが早くも医療部からの出場許可を受け、メンバーに名を連ねていたことです。ラファは誕生日(24歳)となった昨日のトレーニングに特注フェイスガードを装着して参加。問題なくメニューをこなし、ドクターから試合に出て良いと認められました。

アレイシ・ビダルの負傷によってセルジ・ロベルト1人となった右ラテラルの控えには、バルサBからニリ・ペルドモが選ばれています。フィリアルでの右ラテラルのレギュラーは彼ではなくセルジ・パレンシアなんですが、ルイス・エンリケの好みはハッキリしていて、こういう状況で呼ばれるのはいつもニリの方。控え選手ですから試合にもあまり出ていないんですが、継続的に出場していてカピタンのパレンシアは選ばれません。ジェラール・ロペスルーチョでは、右ラテラルに求めるものが違っている様子。ニリが元エストレーモである点がポイントなのでしょうか。

パレンシアは10歳からラ・マシアにいるカンテラーノで、プジョルのような闘志を感じさせる選手です。いかにもファイターという面構えは個人的にかなり好み。将来的にはトップチームの一員になってほしいと期待もしてますので、アレイシが今季絶望のこの状況でルイス・エンリケのお呼びがかからなかったのは残念です。

笑顔でメッセージ

一方で、週末のアラベス戦にて試合終了間際にテオ・エルナンデスとかいう選手のタックルによって右足首を傷められ(脱臼)、回復には5ヶ月を要すると発表されたアレイシ・ビダル。昨季のラフィーニャの大怪我もそうでしたが、こういう時は加害者も被害者が回復するまで出場停止になれば良いのにと思います。テオは土曜の夜、病院のアレイシを見舞ったそうですが。

それはさておき、アレイシは負傷後ビトリアのサン・ホセ病院へと救急車で搬送され、脱臼の手術を受けると、クラブ医療部のドクターや世話役のペペ・コスタらに付き添われ、そのまま病院で一夜を過ごしました。スポーツ医学の名医ミケル・サンチェス医師による手術は無事成功し、アレイシは特に問題なく朝を迎えたとのことで何より。メディア情報によると日曜日の11時40分頃に車椅子に乗って病院の正面玄関から姿を現したアレイシは、待っていた報道陣に笑顔のサムアップ(親指を上げる仕草)で答えています。

遅まきながら気付いたのですが、このアレイシ・ビダルは笑顔がとても人懐っこくて好いです。最近はその笑顔に魅了されてきていただけに、この長期離脱は余計に悲しく。こんな瞬間にも笑顔で応じられるんですから、とても強い人なんでしょう。

ビトリアからバルセロナへは、陸路で4時間かけて戻ったそうです。そしてバルセロナに戻ると、シウター・エスポルティーバでも笑顔でカメラにポーズ。クラブ公式ウェブを通じ、「みんなのサポートに感謝するよ。これもまた、望みはしないけれども僕らの仕事の一部だ。今は回復作業を始めること、より強くなって戻れることに意欲を燃やしている」とのメッセージを送っています。

 

これからアレイシには、5ヶ月にも及ぶ長くてしんどいリハビリが待っています。全てが順調に進めば2-3週間ほど短くなるようですが、治るころには季節は夏なのですからなんにせよ長いです。

SPORT紙の情報によると、リハビリの第1期は1ヶ月少々で、この間は患部周辺は動かないよう固定されます。問題が生じなければ6週目くらいから運動といえることが可能となり、2ヶ月頃からは理学療法士との強度の強いセッションが可能になる模様。このあたりになると、おおよその復帰時期が見えてくるようです。

決断を求められるテクニコたち

アレイシ・ビダルの一日も早い回復を願う一方で、ファンにとって気になるのは、バルサが彼の穴をどのようにして埋めていくのかです。シーズン前半戦では試合出場のなかったアレイシがついに戦力として開花し、これからというタイミングでの負傷だっただけに、本人のみならずテクニコにとってもチームにとっても痛い離脱。唯一の右ラテラル担当となったセルジ・ロベルトの負担をどう減らしていくか、最善の解決策をルイス・エンリケロベルト・フェルナンデスは見つけ出さねばなりません。解決策は大きく分けて4つでしょうか。

■スカッド内の現戦力でやり繰りする。■フィリアルの若者を抜擢する。■他所のクラブから補強する。■3バックにする。

こういう緊急時はマーケット外でも追加補強の可能なスペインですが、そもそも特殊なバルサの即戦力となれて他チームが手放しても良いと考える選手がいるかどうかです。獲得可能な選手の条件は、スペイン国内のクラブに所属していること、もしくは現在どこにも所属していないことになります。

よって、こういう時こそクラブ哲学の身に付いたフィリアルの選手に頼るのがバルサの本筋でしょう。かつてのカルラス・プジョルのような逸材が登場してトップチームを救えば最高。もちろん、ハビエル・マスチェラーノの起用やセルジ・ロベルトのようなコンバートなどで凌ぐことも可能でしょう。どの方法を採るのかを、決めるのはテクニコたち。ピンチをチャンスに変えるシンデレラボーイの登場なんて無いもんですかね。