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2012年2月06日

テージョ。

 

カンテラからまたひとり、スター候補が出現。


ラ・レアル戦での切れ味鋭いパフォーマンスによって、クリスティアン・テージョがバルサメディアの主役となっています。久々にカンプノウに現れた"これぞエストレーモ!"といったタイプの選手であるだけに、期待度も自ずと大きくなる。クライフのドリームチームの中心だったペップ・グアルディオラにとって、このエストレーモの復活はやってみたい目標の一つなのでしょう。ペップによってより進化したエストレーモシステムばりばりのバルサを、是非見たいものです。


◇子供時代のエピソード

6日のSPORT紙には、クリスティアン・テージョの子供時代のエピソードが紹介されています。生まれはバルセロナから少し山間に入ったところにある町、サバデイ(サバデル)。その町にあるCan Rullというクラブに、テージョは7歳で入団しました。サバデイに良い子がいるぞ、とバルサスカウトが着目し、バルサカンテラに移籍してきたのは10歳の時のこと。後にテージョがサバデイ新聞に明かしたところでは、この頃彼は、クラブから毎月3000ペセタを受け取っていたそうです。日本円なら2000円くらいでしょうか。ラ・マシアには入らず、クラブのタクシーで自宅から通う生活です。

スピードのあるテージョのスタイルは少年時代からでして、Can Rullの会長カルロス・ムルシアノさんによるコメントはなかなか印象的です。それはこんな感じ。「前半だけで5-0で負けている試合があってね。それで後半にテージョとエクトル・ガルシア(サン・アンドレウ所属)が入ると、5-6で勝ってしまったんや。相手監督は私たちのベンチに向かってこう叫んだよ。どうかその子を引っ込めてくれ!ってね」

ムルシアノ会長によれば、クリスティアンの父親も元選手。とても良い家族の中で育ったことで、彼もまた非常に好青年だそうです。現在もサバデイで暮らしているらしく、会長曰く、「彼は誰からも可愛がられているよ。街で見かけたらね、もっとクラブに顔を出せんのかって訊ねるんや。すると彼は笑ってるよ。彼がクラブにあまりやって来んのは、内気な性格やから。注目を集めるのが恥ずかしいんやと思うよ。みんな彼にサインをもらいに行くからね」


◇両親語る

テージョのインパクトは大きく、スポーツ紙のみならず、La Vanguardia(ラ・バンガルディア)紙やEl Periodico (エル・ペリオディコ)紙といった一般紙も、こぞってこの新たなるスター候補生を大きく取り上げています。ラ・バンガルディア紙の記事によれば、自宅でラ・レアル戦を観戦していた父ホアキンさんは息子がゴールを決めてメッシと抱擁したとき、あまりの嬉しさに喜びの涙をこぼしたそうです。ここまでの道のりは、決して平坦ではなかった。元選手だった父は、息子とフットボル話はしないといいます。「彼に言うのはただ、彼が私よりずっと良い選手だということだけです。だから決意したことは、なんだって出来るとね」

ちなみに同じくラ・バンガルディア紙によりますと、カンプノウでスター誕生となる前夜、クリスティアンは自宅で母マリ・カルメンさん、そしてカノジョと一緒に夕食をとっています。メニューはシンプルに、グリルチキン。マリ・カルメンさんはわが子を冗談交じりに、こんなふうに表現しています。「クリスティアンはごく普通の子です。とても気高く(父はそう定義)、でも面白みのない子ですね」


◇バルサの弾丸

2002年にバルサに入団してからここへ至るまで、テージョは一度カンプノウへの成功道から外れています。2008年のクラブとの契約満了に伴い、ライバルチームのエスパニョールへと移籍したのです。しかしクリスティアンはペリコでプレーしながらも、バルサへと戻る夢は捨て切れませんでした。なのでエスパニョールとの契約は更新せず、トップチームへ上げますよという彼らのオファーも断りました。そしてアスルグラナからの復帰の誘いが届くと、迷うことなく首を縦に振ったのです。バルサTVのEl Marcadorへゲスト出演したテージョは、こんなふうにコメントしています。「エスパニョールはトップチームのオファーをくれたけれど、僕にはここで成功したいという願いがあった。ここを出たときから、心にとげが刺さってたんや」

クエンカといい、出戻りのハングリーが昨今のトレンド?でしょうか。それはさておき、同番組内でテージョはこんなふうにも語っています。「ミスターにはタテに突破して行けと言われたから、そうしてみたよ。フィリアルでも僕らは同じようにプレーをしているし、トップチームにはさらにクオリティの高い選手がいる。ゴールの瞬間はメッシが僕を抜け出させてくれたから、僕はただボールを蹴り込んだだけなんや」

レアル・ソシエダ戦後の会見でテージョのパフォーマンスについて問われ、ペップは彼をこう称えました。「クリスティアンは純粋なエストレーモやし、見つけ出すのがかなり難しいタイプの選手やね。彼は弾丸や。とてもええプレーをしたし、時間とともに多くを身につけていくやろう」。アスルグラナの弾丸!さすがはインテリペップ、ステキな表現をします。ちなみにダニ・アルベスはテージョを指し、「フェラーリのよう」と語っています。

ちなみにテージョとクエンカはアレビン時代からのチームメイトで、兄弟のような関係だそうです。どちらもエストレーモではありますが、弾丸スプリンターであるテージョに対し、クエンカはドリブルを得意とするテクニシャン。タイプの異なった彼らが揃って大きく成長すれば、バルサの攻撃はさらに厚みや凄みを増すでしょう。テージョはかつてバルサの下部カテゴリーで、プレシーズンやら親善試合やら各種大会やらすべてを合わせ、1年で100ゴール以上をあげたことがあるそうです。そしてその7割がクエンカのアシストだとか。その"クエンカが出して、テージョが決める"がトップチームでも再現されるのか。実に楽しみじゃないですか。バモーーース!!イザーク&クリスティアン!!

 

その他ぷち情報

 

◇キャンパスチャビ IN コロンビア

有名フットボル選手が夏に自らの名を冠したフットボルスクールを開講するのは珍しくはないですが、今夏、チャビ・エルナンデスが一歩進んだプロジェクトを開始するようです。なんでも彼、南米コロンビアにスクールを開設するというのです。キャンパスの責任者であるアルフォンソ・アギレラ氏がコロンビアのラジオ局に対し、こんなふうにコメントしています。「交渉はかなり進んでおりまして、来週にはこのプロジェクトに関心を抱くコロンビア企業と、マイアミで契約することになるでしょう」

アギレラ氏によりますと、この夏オープンする自らのキャンパスに、もちろんのことチャビ自身も参加をします。つまり夏休みを利用し、コロンビアを訪問するわけです。スクールは元バルサ選手を含む30名ほどのコーチが指導するらしいのですが、チャビも5日間、子供たちとフットボルを楽しむ。このあたりはカタルーニャで行なっているキャンパスと同じ感じのようです。いつかキャンパスチャビ出身のコロンビア人がバルサに入団したら・・・と想像すると、楽しくはあります。


◇プジーの新カノジョ

コロンビアで話を引っ張りますと、ジェラール・ピケのカノジョさんはコロンビア人シンガーのシャキーラです。で、そのシャキーラがキューピッドとなってプジョルへと紹介したのが、コロンビア人モデルのGiselle Lacouture さん(24)なんですな。出会いの場所は、バルサが夏にツアーを行ったアメリカ合衆国のマイアミ。ふたりはすぐさま意気投合したのですが、プジョルは当時マレーナ・コスタさんと交際していましたので、とりあえずは友人関係だったようです。Giselleの発音は難しそうなので、ここではとりあえずジゼルと呼びます。

しかしカピタンがマレーナと別れたとの時を同じくして、ジゼルは親戚が暮らすというバルセロナを訪れています。当然これはプジーに会うためと推測されるわけでして、実際にゴシップ誌には、彼らがバルセロナ市内を堂々と歩く写真も掲載されています。ということでジゼルさんがプジョルの新カノジョで間違いないだろうという、下世話なお話でした。


◇ビジャの脛骨からネジ除去

ダビド・ビジャの回復は順調に進んでいるようです。早いもので、グアッヘがムンディアリート中に日本を去り、骨折した脛骨を手術(12月19日)してから1ヵ月半が経過しました。その間もビジャは休むことなくリハビリ作業を続けてまして、経過も順調。先週金曜には執刀医であるドクター・ラモン・クガットのいるキロン病院を訪れ、骨を固定していた6本のネジを抜き取っています。

これにより、ビジャのリハビリは次の段階へと入っていきます。ここまで彼はヒザの運動、あるいは筋肉を伸縮させないアイソメトリック・トレーニングを中心に行なってきたのですが、ここからはクラブの物理療法士とともに、少しずつ左脛のリハビリを開始していくのです。これを1ヵ月半ほど続けていけば、軽いジョギングを行なえるほどに回復するそうであります。


◇ドウデモ情報

3月1日からバレンシアで開催される、火祭り。セビージャの春祭りやパンプローナの牛追い祭りとならび、スペインの3大祭りとされる、それはもうステキなお祭りです(行ったことないケド)。この祭りの主役は、バレンシアの街中に飾られる"ファジャ"といわれる巨大な張子人形です。で、今年のクレ的注目人形が、バルサのジャージを着た人物に指を突っ込む人相の悪い男のファジャ。彼の足元にはバルダーノっぽい人物の頭が転がっているすばらしさです。火祭りに行かれる方は、是非チェックを♪