トップページバルサニュース過去記事>8月02日

2016年8月02日

0ユーロ放出作戦...

構想外の選手移籍の際、金庫を潤せないバルサの伝統。

カレンダーは8月に入り、ルーチョバルサのプレシーズンもそろそろ中盤から後半に差し掛かっています。グラウンド上ではテクニコたちによる戦えるチーム作りが進む一方、強化担当部のオフィスでは第4のデランテロ探しと監督から構想外とされている選手たちの移籍先探しが急ピッチで実行中。昨日はマルティン・モントーヤとアレックス・ソングがそれぞれバレンシア、ルビン・カザンへと旅立つことが決まりました。この二人が揃って契約解除による移籍、つまりは0ユーロでの退団となったことは残念ですが、レンタルを繰り返していた選手に行き先が決まったのは良い知らせ。新天地での幸運を願うこととしましょう。

バルサの“スタンダード”、自由移籍

選手の自由移籍はFCバルセロナの伝統ともいえます。契約が満了しての場合もありますし、解除しての場合もありますが、グアルディオラやリバルド、セルジ、アベラルド、フランク・デボエル、クリスタンバル、アルフォンソ、アンデルソン、ボナノ、コクー、クルイベル、ジェラール、ラルソン、ガブリ、サビオラ、ジオ、エヂミルソン、エスケーロ、シルビーニョ、ジョルケラ、アンリ、マルケス、ミリート、フレブ、ケイタ、エンリケ、アビダル、ムニエサ、ピント、バルデス、クエンカ、チャビ、アフェライ、アルベス、サンドロなど枚挙に暇はない(実際はもっと多数)。他クラブのことはよく分かりませんが、さすがにこれは抜きん出てるのではないでしょうか。カンプノウを去る選手の半分近くは自由移籍です。

バルセロナに所属していた選手が自由契約になる経緯は大きく分けて、■クラブに複数年在籍し実績を残したベテラン選手の功労に感謝し、移籍し易くなるように契約を解除する。■契約満了。■そうしなければ移籍先が見つからない。の3つです。

今季の件で言うと、ダニ・アルベスが自由移籍となる権利行使(クラブは来夏だと想定していた)。サンドロはFIFA制裁があったことで1年残留してくれたことと模範的な姿勢でシーズンを戦ったことへの報い。モントーヤソング、それにおそらく列に加わるであろうドグラスが、そうしなければ移籍先が見つからないから。アドリアーノも移籍金は残しましたが激安の60万ユーロですから、こちらに含めて問題ないでしょう。

高額年俸がボトルネックに

バルサは構造的に戦力外選手を安価で手放すことになるよう出来ています。バルセロナの年俸制度はチーム内の貢献度や実績によるヒエラルキーが導入されていて、カンテラーノや入団間もない選手は低いランクに設定されるのですが、それでもビッグクラブですから中小クラブに比べると破格の年俸が与えられる。モントーヤらカンテラーノたちで推定手取り100万〜200万ユーロ、他クラブから入団した控え選手だと300万ユーロあたりになることが多いようです。

これが例えばバレンシアだとどうやら、昨季のアンドレ・ゴメスで手取り100万ユーロ、パコ・アルカセルで同120万ユーロ、オタメンディで130万ユーロほどと。当然控えだともっと少なくなります。セルジ・ロベルトくらいになると「100万ユーロ?もっと上げてやってほしい」と思ってしまいますが、他クラブとの比較ではそれなりの高給取り。バルサで要求されるレベルの高さやプレッシャーを考えると、妥当なところなんでしょうが。

選手は基本的に移籍先でも同等の給与がもらえるように求めますゆえ、ビッグクラブからオファーの来ない選手の場合は、オペレーション総額で調整する=移籍金を低くするような方向へ話が進むのは自然な流れです。ソングベルマーレンアルダマティエウアドリアーノら補強選手となると、控えであってもそもそものスタートラインが手取り300万ユーロ近辺なので、戦力外となった時には新天地探しは難航します。結果バーゲン価格もしくは無料での大放出となり、ハンデを背負った交渉でバルサが移籍金を引き出せる図はほぼ想像できません。

ではレアル・マドリーはどうかというと、レンタル戻りのカンテラーノを完全移籍とする際、マスカレル(100万ユーロ)、メドラン(150万ユーロ)、ヘスス(50万ユーロ)など移籍金を発生させています。トップチームでの出場1-2試合の彼らに100万ユーロの値が付くなら、我らのモンちゃんだっていけるだろと思いますが、付かないんですよ、これが。

7人で1,360万ユーロ

ということで、バルサが今夏ここまで7人の選手を移籍させ、手にした移籍金は1,360万ユーロです。7人で1,500万ユーロに届かないのも泣けますが、スペイン代表マルク・バルトラが800万ユーロ、クロアチア代表で将来性抜群の“神童”ハリロビッチが500万ユーロなんて泣けるじゃないですか... でもまあバーゲン放出はもはやバルサの伝統哲学ですから...!控え選手は金庫を潤すことなんて二の次で行き先を探す、クラブの優しさですから...!(物は言い様、捉え様)