トップページバルサニュース過去記事>8月05日

2016年8月05日

磨け、“原石”マルロン

短期間でルイス・エンリケの評価を勝ち取ったセントラル。

このプレシーズン一番のサプライズ、夏の衝撃、というのは大げさですが、少なからぬインパクトを生み、クレにあいつをもっと見てみたいと思わせているのがフルミネンセからお試し移籍中のマルロン・サントスです。セルティックとの夏初戦で約30分間プレーした彼を、ルイス・エンリケはレスター・シティ戦では先発起用。ハーフタイムでセルヒオ・ブスケツと交代となりましたが、そのパフォーマンスは20歳らしからぬ落ち着きと安定感があり、ひょっとしたら強化部はすごい“当たり”を連れてきたのではないかと期待させるものがあります。テクニコも彼の資質に驚き、しっかり育ててみようと考えているようです。

ポテンシャルを高く評価

マルロン・サントスのデータを調べてみますと、2014年はブラジル選手権で20試合に出場、それが2015年は24試合に増え、2016年に入ると0試合に激減しています。今年に入ってからは、よく分からない国内大会に幾つか出場しただけ。それはマルロンの出来が悪かったからではなく、フルミネンセの監督が新加入したエンリケ(“あの”元バルサのエンリケ)らベテランを優先起用したことで、出番を失っていたようです。とはいえ一時停滞だったのは事実で、そこだけ見ると、やや不安になります。

しかし実際にトレーニングや試合でのプレーを見てみると、テクニコたちは彼のポテンシャルに驚いたといいます。パス供給能力があり、キック力があり、スピードもあり、落ち着きもある左利きのセントラル。しかも20歳と若い。SPORT紙によると監督たちはマルロンのことを磨けば輝くダイヤの原石だと見ており、もし今季その必要性が出てくれば、トップチームのセントラルを強化するオプションだと考えているのだそうです。

マルロンがバルサに貸し出された経緯については、よければこちらの過去記事を参照ください)

買取オプション 残り180万ユーロ

なんでもフルミネンセは最近、マルロン・サントスとの契約を2020年まで延長したのだそうです。レンタル移籍中の選手と契約を延長するなんて珍しいケースですが、それはきっとバルサが来年夏に彼を送り戻した場合にビジネスをしようとしての事でしょう。

しかし500万ユーロで買取オプションを行使できる条項に影響はありませんし(ジェルソンの件ですでに320万を払っているので、残り180万ユーロ)、SPORT紙の見解では、レスター戦でいきなりバルサスタイルに適応してみせたマルロンをブラジルへ戻す考えはバルセロナにはありません。

バルサの左セントラルにはまずハビエル・マスチェラーノなる不動のレギュラーがおり、マティエウや移籍しなければベルマーレン、新加入のウンティティも控えています。クラブとしては将来性を買った若きフランス人セントラルにもまた育ってもらわねばなりませんから、時間配分は難しそうです。

とはいえ長い1年、必ずや人手が欲しい状況は訪れますし、マルロンはレスター戦では右セントラルを危なげなくこなしていました。ドグラスで も昨年は3試合に出ているのですから、5試合はいけるんじゃないかと^^;主戦場はひとまずフィリアルとなりますが、トレーニングは今後もトップチームで 続けていくらしく、リオ五輪よりバルサでのプレシーズンを選んだその意気込みでミスターにアピールしていくことでしょう。ということで地味に気になる存 在、マルロン・サントスについてでした。

 

ラファ・ムヒカ:期待の17歳デランテロ

レスター・シティ戦では初得点を記録。

プレシーズンのお楽しみの一つは、普段はなかなか見る機会のないフィリアルやフベニールに所属する若者たちのプレーを割とじっくりと見られることで す。この夏は12選手がセント・ジョージスパークのステージへと参加し、先日のレスター・シティ戦では9選手が出場。トップチーム選手たちが夏休みを終え るにしたがい、若者たちも徐々に若大将ジェラールの元へと戻っているのですが、マルロン・サントス(セントラル)、ファン・カマラ(左ラテラル)、ラファ・ムヒカヘスス・アルファロ(デランテロ)の4選手はどうやらプレシーズン終了までエンリケの指揮下でトレーニングを続けることになりました。4人には聖地ウェンブリーやカンプノウでの出場チャンスがあるわけで、それは彼らにとって得がたい経験となることでしょう。

プレシーズンの最後までトップチームで

プレシーズンをトップチームと一緒に過ごす若者たちにとっては、シーズン開幕までエリート選手たちとトレーニングを続け、親善試合に出場し続けるこ とがまず第一の目標となります。トップチームの選手編成など運の要素もありますが、そこらも含めての実力。今回その目標を達成した4人はルイス・エンリケの評価を得たことを誇りに感じているでしょうし、もっと大きな夢の実現に向け新たに気合を入れ直していることでしょう。最後までチームに残った選手には割とシーズン中にもお呼びがかかることが多いですし。

一方、4日をもちましてバルサBへと戻っていったのは、ホセ・スアレス(ポルテーロ)、ホセ・マルティネス(セントラル)、ニリ・ペルドモ(左ラテラル)、カルラス・アラニャ(インテリオール)、アレックス・カルボネル(デランテロ)の5人です。

21世紀の最年少ゴール記録 5位

ラファ・ムヒカはさらに、親善試合ながらもトップチームで得点デビューを飾ることにも成功しました。セルティック戦は約30分、レスター戦はわずか13分ほどの途中出場ですから、これはなかなかの効率の良さです。記念すべきその初ゴールは、エリア中央に入った自分の前に来たこぼれ球を右足で止め、左足で思い切りよく蹴り込んでのもの。ムヒカはいわゆる“持っている”選手かもしれません。外野としてはそう願います。

このカナリア諸島出身のデランテロは現在まだ17歳です。正確に言えば、レスター戦の時点で17歳9ヶ月4日。SPORT紙によるとこれはバルセロナにおける“21世紀以降では5番目に若い初得点”となるそうで、ランク2位は2007年4月に16歳7ヶ月25日でネットを揺らしたボージャン・ケルキック、そして3位は17歳と25日(2004年7月20日)で決めたレオ・メッシ。4番手に17歳2ヶ月17日のジョバニ・ドスサントスが続き(2006年7月28日)、ムヒカは17歳9ヶ月4日で5位となります。ただしこれは親善試合を含む記録なので、公式戦では17歳1ヶ月20日のボージャンが最年少ゴール記録保持者です。

(親善試合を含めた21世紀最年少は2009年11月、トップチームとバルサBがシウター・エスポルティーバでボリビアと対戦した合同練習試合においてPKを決めた16歳7ヶ月7日のジオ・チャントゥリアと)

「言葉では言い表せない」

12-13歳からラ・マシアの門をくぐっていたボージャンメッシとは異なり、UDラス・パルマスに所属していたラファ・ムヒカがバルサに入団したのは2015年5月、16歳でのことです。マジョルカで行われていた大会にカナリア諸島選抜として出場する彼を見たガルシア・ピミエンタが、是が非でも獲得すべきだと評価してクラブが契約を交わした選手。バルサ入団前の目標はレバンドウスキ、現在はルイス・スアレスを見習っているというデランテロですから、そのスアレスにツイッターで初得点を祝福されたことは堪らなく嬉しいでしょう。

ムヒカにはもう一つ、応援したくなる要素があります。それは彼が入団した2015年夏、バルセロナはあのFIFAとかいう組織の制裁を受けていたことで、若きデランテロがガブリ・ガルシア率 いるフベニールAで試合に出場できるようになったのは、トレーニングだけの5ヶ月を経た2016年1月であること。そこからはエスパニョールとの“フベ ニール・デルビー”で2得点をあげたり、バルサBでのサバデイ戦でセグンダB得点デビューを飾るなど、才能を示しているようです。

レスターとの試合後、ムヒカはバルサTVのインタビューにこう答えています。「世界最高の選手たちと一緒にいる時の感情は、言葉では言い表せないよ。フットボル選手にとっての子供の頃からの夢さ」「ゴールは運が証明されたね。決まるのを見た時は信じられなかった」「トリデンテ?彼らは世界最高のデランテロだよ。トレーニングでは彼らをずっとお手本にしてるんだ。食事をする時まで彼らを真似ようとしてるくらいさ」さわやか…!

ということでラファ・ムヒカがこのレスター戦の一発に終わることなく、これからも成果を上げ、いずれはトップチームに上がってくることを期待するところです。ボージャンメッシとは比べられずとも、カナリアの先輩ペドロのように昇ってきてくれれば嬉しい。バルサのデランテロが成功するための道は極めて厳しいですが、、ファイト!

ちなみにラファ・ムヒカは8月11日から18日にかけてレオンで開催される国際大会へと参加するスペインU-19代表に招集を受けたということで、ルーチョチームをもうすぐ離れることになるようです。10日のガンペル杯は出場できるかな?