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2016年8月29日

価値ある3ポイント!:アスレティック戦

決定機を逃しまくったものの、無事勝利。

バルサ史上屈指の安定感を誇ったポルテーロ、クラウディオ・ブラボがチームを去った直後の難関サン・マメス訪問。テル・ステーゲンが高い資質を備える門番であることは間違いないのですが、ブラボが不在となって初の試合がこのカテドラルというのは、さすがに少々不安もありました。あとはもちろん、寂しさもそうです。注目されたのは若きドイツ人だけではありません。リーガでもっとも要求度の高いスタジアムのひとつで、個人レベルとグループレベルの両方で良い結果を出せるかどうか。バルセロナにとってこのアスレティック戦は少し生まれ変わったチームの最初の実力テストのようなもので、その点数は合格点だったといえます。期待広がるのは、今夏の補強目的だった層の厚さ向上に成功していることです。

アスレティック戦の良かった点

今回のサン・マメス訪問で、バルサが手にした手応えは幾つかあります。まず最初に浮かぶのは、昨年のスーペルコパではここで悪夢の4失点を喫したテル・ステーゲンが、再び致命的エラーを犯しながらも顔面ブロックで自らそのピンチを凌ぎ、無失点で試合を終えたこと。バルサの1番はそのベニャとの1対1後はビルバオのシュートを危なげなく処理し、得意の足技によってポゼッションに貢献しています。アスレティックのハイプレスをパスでかわしていくのは緊張もしますが、バルサらしくてステキであります。

プレシーズンから好調のアルダ・トゥランはカテドラルでも躍動しました。昨季のスローさは別人の如しで、左サイドの偽エストレーモとして存在感を発揮。イバン・ラキティッチの先制点を生んだ超高精度クロスだけでなく、魔術師と言われたドリブルも戻り、今のチームに欠かせぬ戦力となっています。リーガ2節にして3得点3アシスト。あとはインテリオールとしてもこの存在感を出せれば、アルダ獲得は大正解だったといわれることでしょう。

セルジ・ロベルトも着実にレベルを上昇させています。バルサ的に世界最高の右ラテラルであるダニ・アルベスの穴を埋めるという高難度任務を任せられたセルジですが、ここまでのところは非常に順調に任務を遂行中。右サイドが決壊した場面はまだ見られていませんし、攻撃時には絶妙なパスでレオ・メッシルイス・スアレスをサポートしています。時折見せるドリブルの推進力もなかなか。ロベルトがラテラルにいることでラキティッチがより負担なく右サイドの拠点となれているようで、イバンの活躍ぶりも非常に目立ちます。アレイシもファイト!

夏の新戦力では、サムエル・ウンティティがまずバルセロニズモの認定を手にしています。“ウンティティ殿、あなたがサン・マメスにてバルサのセントラルとしてのテストを見事通過されましたことをここに認めます”。ウンティティはパスのつなぎ良く、コースを読んでのカット良く、確実性の高いバルサ向きセントラルであることをこの2試合で証明。マスチェラーノマティエウたちもうかうかしてはいられないでしょう。新加入選手たちによって競争が生まれ、チーム力は上がっていきます。

強化された“中間レベル”

内容的に快勝ながらも、簡単な試合ではなかった理由は言うまでもなくバルセロナがチャンスを逃しすぎたことにあります。最少失点差で終盤までいったことがビルバオ(サン・マメス)に希望を与え、同点の機会を与えることになってしまった。フットボルにアクシデントは付き物ですから、もっと確実に勝てるようにするのが今回の修正課題です。その点ではデニス・スアレスアルダ・トゥランのシュート効率性が上がれば、バルサはさらに手のつけられないチームになりましょう。

ただベティスとの開幕節でも感じましたが、チーム層が分厚くなったことはこのアスレティック戦で再確認されました。アルダ・トゥランネイマールの不在をしっかりと埋めていますし、イニエスタ欠場はデニス・スアレスアンドレ・ゴメスがカバーしている。怪我明けのマスチェラーノに無理をさせることなくウンティティが良い仕事をし、ここにパコ・アルカセルが加われば、スカッドは本当に分厚くなります。あとはアレイシ・ビダルが先発でやれることを示してくれれば最高で、ルーチョが上手くローテーションを組めればこちらも最高です。

昨シーズンの春先、チームが思いがけぬ下降期に入った時、指摘されたのは先発組とベンチ組の差でした。鉄板イレブンで勝負をつけられれば問題ないけれど、彼らがダメだと打つ手がない。同じメンバーを酷使し、大事なところでガス欠となった。この反省をふまえ、この夏の補強ポイントは“中間レベルの強化”となったわけで、まだシーズン序盤ではありますが、ロベルト・フェルナンデスの強化策は上手くいったように思えます。シーズン最初の会見でルイス・エンリケは「バルサでの3年間で最高のスカッド」と評していましたが、底上げは確実に成されています。

ルイス・エンリケ「私たちを強くする勝利」

バルサ監督となって126試合目にして早くも100勝へと到達したルイス・エンリケは試合終了後、ごく短い記者会見(というよりはLa Ligaの代表記者さんによる立ちインタビュー)にてこのアスレティック戦の感想を語っています。ミスターが評価したのは、選手たちの意欲の高さです。

熱狂的なリズムの試合となったし、シーズンのこの段階にはそぐわないものだったね。けれども私たちは献立の材料、つまりは彼らが前線からプレッシングをかけ、こちらのパス出しを難しくしてくる事は知っていたんだ。序盤はいくつかエラーを犯したけれど、アスレティックのプレッシングをかわすことも出来たし、スペクタクルな先制点も生まれた」

後半は試合をコントロールし、たくさんの得点機を生み出していた。もっと早く試合を終わらせることもできていただろう。けれどもサン・マメスでアスレティックを相手にプレーするのは非常に難しいことだから、この結果は私たちを強くするよ。最終的に勝てたので、とても満足してる」

私としてはもっとコントロールの効いた試合が好みだけれど、相手チームも圧力をかけてくるからね。見るべきポイントは幾つもあるんだ。私たちは試合を上手く読み、非常に真剣に大いに汗を流していた。得点機はたくさん作れていたのだから、もっと早く試合を終わらせるべきだったとは思う。しかし私たちはすばらしいパフォーマンスを見せたし、このレベルのライバルから3ポイントを獲得したことには大きな価値がある

私たちのこのシーズン序盤は、昨シーズンの終わりによく似ているよ。選手たちは全員競争への強い意欲をもち、首位に立ちたがっている。選手を数人欠いてはいるもののチーム状態は非常に良いと思う。すばらしいスカッドだよ」