トップページバルサニュース過去記事>9月02日

2016年9月02日

「とても希望を抱かせるスカッド」

強化責任者たちが夏のマーケットを総括。

カレンダーが9月に入り、欧州では夏の移籍マーケットが終了。自分たちの補強が上手くいったか、ライバルはどうだったかなど、各所で分析や反省会が行われています。FCバルセロナにとっては2016年夏は非常に忙しい季節となりました。若くて活きのいい選手たちを6人補強し、出番のなかった選手たち8人を新天地へ。スカッドはややコンパクトになりつつも競争力はアップしたことで、バルセロニズモの希望を高めるマーケット活動になったといえるでしょう。そして1日には強化担当責任者のロベルト・フェルナンデスアルベルト・ソレールが総括会見を実施。1時間半にわたって報道陣の質問に答えています。

奇妙な静けさだった白いクラブとは対照的に、今夏のマーケットではいろんなことがあったバルサですから、このロベルト・フェルナンデスたちによる総括会見での質問は多岐に渡り、時間もたっぷりかかりました。この会見を担当したのはトップチームのセクレタリオ・テクニコ(SD)ロベルト・フェルナンデスと、プロスポーツ部門の責任者アルベルト・ソレール。印象的だったのは報道陣の質問に応対した二人が、出来るだけ誠実に説明をしようとしていたことです。

以下、二人の回答コメントを出来るかぎり拾ってみました。けっこう長いですので、覚悟してご覧ください^^;

マーケット活動全般について

ソレール:「とても希望の持てるチームとなりました。スポーツ的な成功を維持することが出来る、未来を目指したスカッドであると同時に、クラブとしてバルサは勝つだけでなく良いプレーをしなければならない、スタジアムを満員にしなければならない、と私たちが考えていることが伝わるスカッドにすることが出来ました」

ソレール:「各交渉や契約に携わってくれた全ての人たち、特にラウール・サンジェイ(フットボルディレクター)には感謝を言いたいです。彼は全案件におけるキーパーソンの一人でした」

ロベルト:「全てを説明することはできませんが、出来る範囲で説明していくように努めます。バルサに来て以降、私はクラブにあった物を分析せねばなりませんでした。私は最初の日、非常にハイレベルなチームを引き継いだと言いました。チームは全てを勝ち取り、そしてすばらしいイメージを与えていた。私たちはそのチームをさらに良くするように試みましたが、スポーツ界では状況を困難にする要素が入り込んできますので、それは非常に難しいことなのです。私たちはすばらしい仕事をし、現状を分析しながら幾つもの決断を行ってきました。私はそれらが正しかったと思っています。落ち着いて事に当たれたというのが、私たちの抱く感触です」

ソレール:「テレビ放映権を得た結果、プレミアのクラブがマーケットで力を持って以降、1人の選手に1億2,000万ユーロを出したユナイテッドのようなチームが複数あります。それは私たちが6人に投資した額とほぼ同じです。プレミアからの多額のおカネが流れ込んだことで、マーケットは少し歪みました。私たちは若い選手たちに賭けたのです」

ソレール:「ファイナンシャル・フェアプレーが作られた時、プレミアリーグには今のようなおカネはなかったわけですから、現状に適応させるべきですし、それはUEFAとFIFAの役目です。あまりに大きな格差があるとマーケットに歪みが生じますので、それは普通ではない。1人の選手に1億2,000万ユーロを払えるクラブがあれば、コストはどんどん増していくでしょう。最近バルサがもっともコストを投じたのはルイス・スアレスで、それによってクラブは経済的な調整を迫られました。また、おカネとスポーツの結果は別であるとも言えます」

アンドレ・ゴメスの獲得

ソレール:「私たちは当初、補強の予算は6,000万ユーロだと言っていました。それに加えて、選手を売ることで手にする収入です。多かれ少なかれ、私たちはその額を維持してきました。超過した3,000万ユーロはほぼアンドレ・ゴメスの移籍金ですが、同時に私たちは、もしマーケットに賭ける価値のあるチャンスが現れたなら、獲得するだろうとも言っていたアンドレ・ゴメスはそのケースに該当します」

ロベルト:「アンドレのことはずっと以前から追っていましたし、ルイス・エンリケと私は彼のことを非常に好んでいました。しかしチーム内には優先すべき改善ポイントが他にありましたので、それらを早く終了させたいと思っていました」

ソレール:「アンドレ・ゴメスの移籍金の出来高部分である2,000万ユーロは、選手の成績で変化します。私たちにはその内容を説明する習慣はありませんし、契約上の秘密事項としておきます」

第4のデランテロ

ロベルト:「ルイス・スアレスは世界最高の9番ですし、他の選手にはなかなか得ることのできない資質を備えている。彼は別格です。パコは良い選手ですからいろいろなことで貢献するでしょう。しかし彼は多くのことを学ばなければなりません。彼が来たのは偉大なクラブであり、そこでは世界最高の選手たちに囲まれることになります。学んでいく時間はたっぷりありますよ」

ロベルト:「トリデンテの時間配分は、決めるのが監督ですから、彼への質問となります。私たちが探したのは難しい状況でチームを助けられる選手、純粋なデランテロ・セントロ、ルイス・スアレスがプレーできない状況となった時のための選手でした。ペナルティエリア内で仕事が出来るゴレアドールを私たちは求めた。パコは多くのことでチームに貢献できる選手です」

ロベルト:「パコ・アルカセルに関しては、私たちはすばらしいオペレーションを行ったと思います。昨日はあるバレンシアの元スポーツディレクターが私に、バルサは良い値段ですばらしい選手を獲得したけれど、自分ならこうは手放しはしないと言っていました。私からアルカセルには、彼がバルサで何と出会うことになるのかを伝えました。それは入団した全ての選手たちに言っていることです。彼らのコンディションは非常に良く、年齢も良く、希望も抱いています。彼らがチームを助けてくれることを私は確信しています」

ロベルト:「ブラジルでは多くの選手をチェックしました。私は幸運にも多くのチームを見ることができた。ブラジルはハイレベルです。しかし最後は決断を下さなければなりませんし、本当に必要でベストな選手を選ばなければなりません。全員と契約することは不可能なので、私たちが必要とし、私たちを助けてくれると信じる選手を優先しなければならないのです。ブラジルはに良い選手たちがいますが、私たちが獲得した選手がチームを手助けしてくれるでしょう」

主力たちとの契約延長

ソレール:「スカッド作りは完了しましたので、私たちの次の任務は先日会長が言いましたとおり、ラキティッチ、ルイス・スアレス、メッシとの契約更新となります。クラブは止まることなく働き続けていきます。この3選手との契約更新が私たちが次に取り組んでいくアクションとなるでしょう」

ロベルト:「イニエスタは唯一無二の選手ですので、もちろん私たちは契約更新を考えています」

ソレール:「イニエスタメッシのようなカサ出身選手は私たちの旗印です。彼らが望むだけ、彼らはここにいるでしょう」

ソレール:「ネイマールが去ることへの恐怖はありませんでした。何故なら残りたいと思う選手は残るからです。彼は公けにそう発言していましたからね」

バルトラとブラボの移籍

ソレール:「バルトラが800万ユーロで退団したのも、ウンティティが2,500万ユーロで来たのも、どちらもマーケット価格ではありません。彼らのレベルの選手が4,000万ユーロで移籍した例は幾つもあるのです。マルク・バルトラは規定試合数に出場しなければ契約解除金が800万ユーロに下がる条項があったことで、その額に下がりました。その意味で、市場は非常に主観的なものです。私たちはバルトラの幸運を願っていますが、彼が退団したのは彼がここで試合に出なかったからであり、監督云々だけの話ではありません。私たちとしましては、選手が不機嫌でいることは望まないのです。もし選手が去りたいと願うなら、彼を手助けしなければなりません

ロベルト:「ブラボに関しては、以前に言ったとおりです。彼はリスクのある状況にあった。彼との契約は残り2年でしたので、次のシーズンにはフリーエージェントとなり、彼が自由に移籍交渉をできるようになっていたのです。もし来年のことを考えなければ、彼はわずかの額で移籍していたでしょうから、私たちは前倒しする必要がありました。そうしなければ、あなたたちは私を信頼できないやつだと言っていたはずです。私たちにはマンチェスターからのオファーがあり、それを評価した結果、話し合いは合意に達しました」

ポグバを獲得しなかったわけ

ソレール:「私たちはユベントスと、もし彼らがポグバを売りたいのであれば私たちが優先権をもつことで合意していました。それは当時の状況の産物でした。あの頃のクラブは選挙を控えており、私たちが考えたのは、もしポグバと契約をしなければならないのであれば、それを決めるのは選挙で選ばれた理事会であるということです。そこで私たちはポグバを獲得する可能性を残し、次の理事会が決める時間を持てるようにした。そしてロベルトがクラブに来たことで、スポーツ面でより適した選手たちを獲得することに決めたのです」

ソレール:「ポグバの優先交渉権はなにかの対価ではありませんでした。ユベントスと私たちは非常に良好な関係にありましたし、アリエド・ブライダの存在も私たちを大いに助けてくれました。それによって私たちは可能性を残せた。マーケットで誰にも先行されないことが、執行部の仕事でした」

残留選手と移籍選手、それぞれの状況

ロベルト:「ラフィーニャが気持ちよく過ごしていないとはあちら側から一切言われていませんし、彼はチームにとって非常に重要な選手です。ラウール(サンジェイ)と私が彼との契約を更新することを決めたのは、もちろん監督の賛成を得てのことですが、彼が重要な選手だと考えるからです。彼はブラジルから戻ってすぐにビルバオ遠征に加わり、試合にも出場した。彼が重要な選手になり、多くの試合に出場することに私は疑問を抱いてはいません

ロベルト:「アルダに関しては、他に手立てがなかったのではなく、彼を放出しようという考えはずっと以前から私たちにはありませんでした。彼は試合に出場できない時間が何ヶ月も続きましたし、入団1年目はいつだって難しいものです。このシーズン序盤の彼の活躍ぶりに私たちは大変満足しています」

ソレール:「ムニールはトップチームで出場時間を持てないことから、試合に出場し、そしてここへ戻るために外へ出ました。バレンシアのようなクラブで1年間過ごすことにより、彼はここでは得られないものを得るでしょう。バレンシアには1,200万ユーロでの買取オプションがありますが、それはひとつの選択肢です。ムニールはレンタル中です」

ソレール:「サンドロのケースでは、彼にはプレーする可能性がなかったというのが強化部の見解でしたし、私たちに出来る最善のことは選手を手助けすることです。カサで育った選手がプレーをしていないなら、その彼に害を与えるようなことをクラブはしません。私たちは彼の幸運を願っています。コストゼロで売るのではなく、選手に自由を提供するのです」

ロベルト:「バルサでプレーするのは非常に困難なことで、私は経験上それを知っています。チームに入るためには、時には少しの運も必要なのです。選手が成長するために、私が重要だと考えるのは最初の数試合です。良い出足でチームに入ることがとても重要であり、ドグラスにはその運がなかった。彼はブラジルでは上手く機能していましたし、バルサは彼を安価で獲得できたのですが、ここでのドグラスには運がありませんでした。ヒホンでは幸運を期待しています。ヒホンは入って行きやすいクラブですし、彼は複数のポジションをこなせる選手。私たちは彼に期待しているのです。彼はチャンスを手にしている。あとは彼次第です」

ロベルト:「ハリロビッチは2年前にバルサに入団しました。フィリアルでの1年目はカテゴリを落とすなど良いシーズンとはならず、試合にもあまり出ていなかったのでトップチームに上がる状態でもなかった。そこで私たちは全員にとってプラスとなる移籍先を探すことになりました。スポルティングへのレンタルは非常に上手くいきましたし、私たちはいつも彼の成長を気にしていたのです。そして彼は次のステップを望んだので、私たちはどうするかを考えた。ハンブルグへ行くことは大きな一歩ですし、私たちはシーズンを通し可能性を評価していきます」

ルイス・エンリケの契約延長

ロベルト:「私が見るに、ルイス・エンリケは力と希望に溢れています。バルサでは解決していくべき状況が常に現れてきますし、監督との契約更新は重要なテーマではありますが、それについて話す時はまた後日訪れるでしょう。その時がくれば私たちは交渉の席に付き、ベストを探していくでしょう。いつも言っていますように、一番重要なのは監督が必要とされる力を持って、落ち着き、幸せでいられることです。私は今彼にパワーがあり、意欲もあると思います。彼はプロジェクトに本当に胸をときめかせている。なので私は落ち着いていますよ」

ラ・マシア

ソレール:「世界最高のチームを手にし、全てのコンペティションで優勝するために私たちは資金を投じました。ラ・マシア出身の選手を数多く擁することが私たちのモデルです。現時点では24名のうち10名が下部カテゴリー出身となり、それはモデルが機能していることを示しています。おカネは使いましたが、クラブとして優先することは変わっていません。バルサのモデルが歪んできているとは私たちは思っていない。もし下部育ちの選手が3-4人しかいないのにこの金額を使えば、モデルは歪んでいるでしょうが」

ロベルト:「(Bからの昇格選手がいない)もちろん私たちはそれを気にしていますが、バルサBが降格したことは忘れるわけにはいかず、ハイクオリティなチームへと昇格する際にはそれは問題となります。バルセロナでプレーするのは難しく複雑です。今季はフィリアルから上がった選手はいませんが、これから2-4年後には、2-3人のカンテラ選手たちがトップチームに上がっていることでしょうその可能性と意欲を備えた選手たち私は何人か見ています

ロベルト:「クラブはタレントたちを守っていきます。ただし最適なコンディションで昇格することの難しさも分かっているのです。(ジローナにレンタルされた)カマラが良い例です。全ての可能性の中で私たちは選手にとっての最善を探しましたし、クラブにとってはそれは私たちが少しでも早く戻りたいと思っているカテゴリー(セグンダA)で彼が競うことでした」「もしセグンダAやプリメーラでプレーできる選手がいるなら、私はその選手がセグンダBに残ることには反対の立場です」

ソレール:「昨シーズンの育成部門は8チームがリーグ優勝を果たしていますし、それだけでなく、54のアマチュア大会でトロフィーを獲得しています。最近の招集では、フベニールからは6選手がU-17代表に呼ばれているのです。資質のある選手たちは今も生み出されています」

ソレール:「今年はカデッテで最もポテンシャルのある4選手がバルサに残留しました。そして彼らは私たちがたくさんのおカネを払うからではなく、フットボルを続けるにはバルサが一番の場所だと信じたから残ったのです。他の年では、こうはいきませんでした」

レオ・メッシの怪我と代表招集

ソレール:「バルサの医療サービス部とアルゼンチン代表の間に問題はありません。もし選手の身体に問題があれば、彼に警告することが私たちの仕事であり、それが私たちのしたことです。私たちは選手が代表招集に応じることを禁じたりはしません。もしダメージを受けている選手が代表へいく必要があるのなら、医療部と連絡を取って私たちの意見を伝えますが、メッシがアルゼンチンへ行くことを私たちは一切禁じてはおりません」

ソレール:「(マドリーが何故か選手を獲得せず)私たちがここにいるのは、私たちの仕事を評価するためであって、レアル・マドリーであれどこであれ、他チームのことを話すためではありません。マドリーのすることを評価するのは彼らです」

ソレール:「私たちが働いていたこの3ヶ月間の報道陣の皆さんには感謝します。みなさんが紙面を作らねばならないことを私は知っていますし、時には私たちが全てを説明できないことに理解いただいたことに私たちは感謝をしているのです。あなたたちにはあなたたちの仕事があることを私たちは知っている。みなさんの忍耐には感謝しています」