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2016年9月07日

確立するセルジ・ロベルト、そしてアレイシは

アルベスが去った右ラテラルの主となりそうな多機能選手。

バルセロニスタの大きな愉悦、それはカンテラーノたちの開花です。メッシイニエスタのように鳴り物入りで昇格してくる選手もいれば、フィリアル時代はほぼ無名だったのに主力となったブスケツペドロのような例もありますが、数年間は鳴かず飛ばずで放出濃厚ともされたセルジ・ロベルトの開花は本当に嬉しい。先日は彼にとって代表で初の公式戦となったリヒテンシュタイン戦で右ラテラルとして先発起用されると、キレのあるプレーで期待に応え、インテリオールとなった後半にはラ・ロハでの初得点も記録しました。バルサだけでなくスペイン代表にとっても、そのポリバレント性が欠かせぬ要素になろうとしているロベルトです。

「今季は右ラテラルが僕のポジション」

9月7日のMUNDO DEPORTIVO紙はセルジ・ロベルトのポリバレント性(ルイス・エンリケは彼をすでに8つのポジションで起用している)にスポットを当て、“11人のロベルト”なる表紙としています(さすがに不気味^^;)

しかしながらセルジ・ロベルト本人は今季は右ラテラルとして勝負をする、ダニ・アルベスが去ったこのポジションでレギュラーの座を掴むと意気込んでおり、プレシーズンからそのように明言。先日のラ・ロハでの記者会見でも次のように語っています。

1年前は自分が(次)どこでプレーをするのか知らなかったんだ。僕にとっては新しいポジションとなるラテラルでプレーするのか、本来の中盤になるのかね。でも今年はバルセロナの中盤が補強されたことで、ほぼラテラルとしてプレーをしている。ラテラルで僕は機会を手にしていくだろう。ラテラルでハードワークを続け、全力を出そうと思っているし、もし監督が僕にラテラルでのプレーを求めるのなら、できる限りのことをやっていくよ」

「僕の自然なポジションは中盤だったけど、去年僕らは新しいポジションを見つけ出し、試合に多く出られるようになった。今年はおそらくラテラルが僕のポジションになるだろう。どんどん楽しくなってきてるよ」

フットボル的知性に優れたセルジ・ロベルトは、これから学びを重ねることでラテラルとしての完成度を増していくでしょう。英国でのプレシーズン合宿中、彼はこう言っていました。「ラテラルを僕は快適に感じているし、ミスターにはバルサのラテラルはほとんどいつも攻撃をしているから、僕にとってそう難しくはないだろうと言われるよ。事実、ポテンシャルのあるチームとの試合では守らなければならないけど、大半の試合では僕らが攻めてるだろうしね。でも守備の改善は必要だ。守ることに僕はそう慣れてはないけれど、中盤としてもカバーリングは求められる。だから僕は守備が良くならないといけないんだ」

世界最高レベルの右ラテラル、ダニ・アルベスの後任となるのですからハードルは非常に高いですが、ここまでのところセルジ・ロベルトは豊富な運動量と卓越したテクニックによって右サイドに安心感をもたらしています。レオ・メッシとの関係も上々。自ら課題とする守備も、これから良くなっていくと確信を抱かせます。ラ・ロハにおける存在感も右肩上がりとなるでしょう。

アレイシの逆襲に期待

疲労によるコンディション低下がなければ、先発レギュラーは早くもセルジ・ロベルトで決まりの雰囲気もあるバルサの右ラテラル。今季が勝負の年となるアレイシ・ビダルにとって、ポジション奪取はそう簡単な仕事ではなさそうです。入団2年目となるアルダ・トゥランが実力を証明してきているのに対し、同時加入のアレイシは監督の信頼をまだ勝ち取れていないように見える。夏の親善試合ではロベルトが中盤の穴を埋めていたことで先発起用されていたアレイシですが、公式戦ではスーペルコパのブエルタでフル出場したのみです。

9月6日のMD紙が伝えるところによりますと、ルイス・エンリケアレイシの試合でのプレーだけでなく、トレーニング中の姿勢にも満足をしていないらしく。同紙は彼がクラブに対して自由移籍を求めた、公けに言われている事とは反対に選手は退団を望んでいたとも記しておりまして、もし事実とするならば、それでロベルトとのポジション競争に勝つのは困難に思えます。ただ、ビダル獲得をクラブに求めたのは他ならぬルイス・エンリケですから、選手が成果を上げられるように工夫するのも彼の任務でしょう。どうにか上手くやれると好いんですが。

もしアレイシ・ビダルが成功しなかった場合に備え、ロベルト・フェルナンデスはすでに行動を開始しているとされます。8月末にはアダマ・トラオレをチェックするためモナコを訪れたことが報じられていますし、若手選手を中心にセルジ・ロベルトを補完する候補選手のリストを作成中とか云々。もちろんベストなのはアレイシが疑念を晴らす活躍を見せ、セルジ・ロベルトにプレッシャーをかけていくことですから、これで終わることなく“逆襲”をしてほしいです。そして外野から適当なことを言っている我々クレをぎゃふんと言わせて。

 

アルダ・トゥラン復活、そのカギとなったのは

身体を絞り、強い意欲を燃やしたことが効いた模様。

今年7月にアンドレ・ゴメス獲得が発表された時、最初に浮かんだ疑問は人員過多となる中盤でアルダ・トゥランに居場所はあるのか?でした。2015/16シーズンのアルダはアトレティコ時代の輝きがウソのように精彩を欠き、エウロコパでの出来も低調。どこか良いオファーが届くのであれば放出するのが最善ではないかとも思われ、期待より心配が先に立っていました。しかしふたを開けてみればアルダ2.0とでもいいますか、バージョアンアップされた動きで大活躍のトルコの魔術師。ネイマールからポジションを奪うには至らないにせよ、出場機会は多く得られるであろうことを確信させるパフォーマンスを披露しています。

別人のように変化

2016/17シーズンは始まったばかりゆえ、成功に満ちた1年となるかどうかは今後の継続次第ですが、アルダ・トゥランがそのプレーによって自らが死んでいないと証明したのは確かです。そこにはバルセロナやトルコで受けた批判をひっくり返してやるとの強い意志が感じられますし、夏の間にしっかりと準備をしてきたのも間違いありません。エウロコパに参加した選手の中で唯一プレシーズン初日から招集されたことも奮起を促したことでしょう。アルダ・トゥランは昨季最終日とは別人になってシウター・エスポルティーバに戻ってきました。

その変身のカギを、9月7日のMD紙が分析しています。そこでポイントとして挙げられているのは■ダイエット ■心理面 ■前めのポジション ■ルーチョへの恩義の4点。証言などはないのであくまで推察ですが、心身の両面で準備をしたことに加えてチーム状況も彼に味方したと同紙はみています。

4kg痩せてシャープに

MD紙によりますと、アルダ・トゥランがこの夏にまず取り組んだのがダイエットです。昨年の彼は半年間ゲームに出られないことも影響したのでしょう、外見にシャープさを欠き、プレーも鈍重でした。その状態に対してルイス・エンリケからも一言あったと推察しますが、クラブは彼に対し食事改善メニューを提示。その指示に厳格に従い、助言されたものを食べてフィジカルトレーニングも行った結果、昨シーズン終了時点よりも4kgも減量することに成功したのだそうです。

ただ痩せただけでなく鍛えられての減量ですから、動きにもシャープさを増す。見た目ではそれほどの変化を感じませんが、言われてみれば頬あたりは細くなっている気もします。

動ける身体になったことに加えて、ネイマール不在のこのシーズン序盤は偽エストレーモを担当していることもプラスになったと考えられます。このポジションでのアルダは動きにある程度の自由が与えられていて、相手エリアに飛び込んだり、精度の高いパスで守備網を崩したりと楽しそうにプレーしている。その点で状況も彼に味方しました。

あとは約束事の増えるインテリオールでどうなるかですが、別ポジションで自信をつけることでゆとりを得るのはセルジ・ロベルトが証明していますし、上手くやりそうな期待感はあります。フォームも上がっていますし、少なくとも計算の出来る起爆剤としての評価は勝ち取ったといえましょう。

心理的な作用

そして心理面では、昨季とは違ってプレシーズンから試合に出られると分かっていたことが重要だったとMD紙は言います。昨年はFIFAとかいう組織の制裁によって年明けまでトレーニングしか行えず、最後まで実戦のリズムを得ることに苦労。しかし今季は最初から出場ができる上に、五輪でネイマールが不在となることが分かっていたわけですから、自主トレにも熱が入ったと容易に想像できます。エウロコパでの批判もあり、こなくそ、と日々走ったんじゃないでしょうか。

もうひとつの要素も心理面となりますが、ルイス・エンリケへの恩義もモチベーションを上げるのに役立ったとMDは見ています。元々3,400万+出来高700万ユーロの巨額投資でアルダを欲したのはルーチョですから、その彼が選手を信頼せずにどうするといえますが、ミスターはとにかくアルダを信頼していると一貫して言い続けてきました。その気持ちに応えるべく、トルコのセントロカンピスタは奮起した説。シメオネ軍団でレギュラーになれるのですから、根性に疑問はないですよね。

というアルダ復調のMD紙分析+ワタクシの雑感ですが、監督にチャンスを与えられても逃してしまっては成功を掴めないですから、ネイマール不在の状況を活用して“アルダ・トゥランは死なず!”と高らかに宣言できたのは彼の手柄です。そのあたりはさすが。本当の戦いはこれから訪れるにせよ、苦しい時間を経験してきた選手だけに、是非バルセロニスタのお気に入りとなってほしいと思います。アレイシも、ファイト。