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2017年1月13日

メッシの契約更新を巡り、CEO発言でボヤ発生

ロッカールームではピケへの発言も不評だとか。

“プラネット・バルサ”はレオ・メッシという恒星を中心として回っています。バルセロナのスポーツ紙に彼の記事がない日はまず存在しませんし、試合翌日は特にD10Sによる偉大なる記録で盛り上がる。この13日はロナルド・クーマンが保持していたフリーキック得点のクラブ記録(25→26)を上回った話題で、メディアは大いに沸いているところです。一方、世界最高クラックのメッシですから契約更新交渉が集める注目も並みではなく、バルサのCEOの発言とそれに対するロッカールームのリアクションもまた、各方面の良いネタとなっています。マドリーメディアに問題発生と利用されるのは面白くありません。

クラブを左右する契約更新

FCバルセロナは現在、チーム中心選手たちとの契約更新を進めています。2016年に完了したのがネイマールセルヒオ・ブスケツハビエル・マスチェラーノルイス・スアレスで、これからの半年で終わらせたいと考えているとされるのがレオ・メッシアンドレス・イニエスタイバン・ラキティッチテル・ステーゲンら。そのなかでの最重要目標は言うまでもなく、世界最高選手であるメッシとの契約延長です(現契約は2018年6月末まで)。

先日のアスレティック戦終了後の会見で、ルイス・エンリケが「メッシが決定的でない日なんてあったかな?」と言うように、レオがバルサの試合結果に及ぼす影響は絶大です。少なくともあと数年間は、彼のいないバルセロナなんて想像できない。その選手との契約延長が懸かっているわけですから、もし失敗することがあれば彼は無料で退団となり、会長のクビが飛ぶくらいの問題となるでしょう。交渉は完全に売り手有利。メッシにバルサでの未来を確信させるために、その他のクラックたちとの契約を完了させたと言われるくらいです。

“常識が必要”

ただし、世界NO.1選手にはそのランクに相応しい年俸が求められるわけで、まあ大そうな予算が必要になります。年俸総額がクラブ予算の70%を超えてはいけないという制限。火の粉を舞わせたバルサCEO(最高経営責任者。組織図では会長のすぐ下)オスカル・グラウの発言は、経営責任を負う立場としての、“常識”への理解を求めるものでした。

オスカル・グラウは11日(水)、ジョゼップ・マリア・バルトメウ会長とともにバルセロナ市内のホテル PALACE で開催された地域のお偉いさん会合 “FORUM EUROPA Tribuna Catalunya”に出席。クラブの2021年までの戦略プランだけでなく、質問を受けた冬の補強、最近話題の審判問題などについても語っていまして、ギガクラックとの契約交渉もそのひとつでした。CEOのコメントは、MDによると次のようなものです。

メッシとの契約交渉では、私たちは常識と慎重さをもって働いております。私たちには時間があります。契約はあと1年半残っているのです。そして会長がメディアに対して言っておりますように、メッシとの契約を更新するという断固とした意志がある。それ以外のことは一切、誰の頭の中にも巡ってはおりません。しかし、常識は必要なわけです。私たちが方法を見つけ出すと、私は確信しています。ですので誰も苦しむ必要はなく、私としましてはソシオやシンパの皆さんに落ち着いていただきたい。我が家にベストが存在している時、その彼を逃すのは愚かなことです。しかし繰り返しとなりますが、常識は常に必要です。冷静さと常識を失うことなく、優先順位を付けなければいけません

メッシとの契約延長に断固として臨むと述べ、ソシオを落ち着けようとして、常識を強調しすぎてメディアに話題を提供してしまいました。

思い出される、ファウス・ケース

このスピーチでグラウさんは何度も常識という言葉を繰り返しています。フットボル市場自体が常軌を逸しているなかで、CEOは常識への理解を求めた。でも選手年俸が高騰するなかで、常識といっても難しいです。マドリーは三十路のクリスティアノとの契約を、昨年11月に2021年まで延長しています。

このグラウ発言に対しては、このメッシとの契約延長で何を言っているのか、と物申したのがアスレティック戦終了後のルイス・スアレスで、普段は波風立てない彼が「メッシは世界最高の選手。必要なのは彼との契約を更新することで、常識を持つことじゃないよ」とコメントしたことが話題となっています。それがロッカールームの総意と捉えても、おそらく差し支えはないでしょう。

メッシとの契約に関するクラブ理事の発言で思い出されるのは、3年ほど前、当時の経済部門の副会長だったハビエル・ファウスが「半年おきに契約を更新する必要はない」と述べ、ちょっとした問題となったことです。この時は珍しくメッシ自身が「セニョール・ファウスはフットボルのことを何も知らないし、バルサを一企業であるかのように運営したがってる。でもそうじゃないんだ」と批判しています。因果関係は不明ですがファウスはその後、2015年の会長選挙の際、バルトメウ陣営から姿を消すことになりました。

オスカル・グラウはまた、審判に技術向上を求めたジェラール・ピケに自重を求めたことでも、選手たちの反感を買っているとされます。CEO曰く、「私たちはピケの気持ちは理解しますが、バルサにとっての最良を求めるのであれば、審判については語らないことです。私たちはカピタンたち、それにピケと話をし、審判について語らないことがクラブの考えであると説明しました」。これで反発されるのなら、問題は内容より現場との関係性のように思えます。言い方がとても悪かったとか。

元ハンドボールの名選手

メッシが以前批判した経営畑の人ファウスとは異なり、オスカル・グラウはバルサの元選手だった人物です(かなり体格が良い)。しかもハンドボール部の伝説と言っていいくらいの名選手で、バルサ公式サイトによるとパラウ・ブラウグラナ(カンプノウに隣接する総合体育館)には彼のユニフォームが飾ってあるとか。引退後にMBAなどを修了し、FCBエスコラ(スクール)責任者などを経て、スポーツマネージメントのエキスパートとして2016年9月にバルサのCEOに就任しています。余所者の企業経営者ではなく、カサ出身の彼がそんな失言をしたことも変な感じです。

グラウが敢えて何故このようなことを言ったのかについては、SPORT紙が独自の仮説を立てています。それは“悪い刑事・良い刑事作戦”というもので、警察映画で犯人を説得する場面で最初に出てきて犯人を刺激する悪い警官役がつまりグラウCEOとの説。映画ではその後、犯人を落とす“良い警官”が登場するので、その役をノビタ会長が担うわけですが、、、圧倒的にメッシ優位の交渉で相手の気分を損ねる必要はないですから、さすがにその作戦はないんじゃないでしょうか。SPORTも本気で言ってないですけれど。