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MERCI ABIDAL!

6年間過ごしたバルサを去るけれど、きっとまた戻ってくるとアビさん。

アビダルのさよなら会見

 

出来ることなら、もっと幸せな会見であればよかった。5月30日(木)に行われたエリック・アビダルによる退団会見は、非常に切ないものとなりました。チームメイトたちに見守られながら、バルサを去ることへの思いと周囲の人たちへの感謝を述べたアビさん。この日彼のこぼした涙が嬉し涙なら、どんなに良かったことでしょう。バルセロニスタはアビダルとのこの6年間を、彼の戦いを、決して忘れることはありません。彼は本当に偉大で、本当に尊敬できる選手であり人物だった。アビダルのような選手がバルサの一員だった(である)ことを、心より嬉しく思います。

 

涙のさよなら会見

エリック・アビダルが今シーズン限りでバルサを去る、とのニュースは、数週間前からメディアで流れていました。なのでこの会見があると発表された時、そこで何が伝えられるのかは想像がついていましたし、覚悟も出来ていました。それでも実際にアビダルから退団することになった旨が語られ、希望はバルサでのプレー続行だったと改めて告げられると、切なさはMAX。肝腫瘍のヤロウが恨めしくってなりません。

この6月で終了となるアビさんとの契約を延長しない、とのクラブの決定は、十分に理解の行くものですが、その半面で冷淡ともいえます。自分の体調がどうであるか、バルサでのプレー要求に耐えられるかどうかを一番よく分かっているのは他ならぬエリックですし、彼がここであと1年戦いたい、戦えるというのなら、その希望をクラブ側の条件とすり合わせることで実現させてもいいんじゃないの、と思ってしまうからです。決定を伝えられた時の彼は、さぞ無念だったでしょう。堪えきれなかった涙が、その感情を表しています。

しかしアビダルはこの会見で、クラブを決して批判しようとせず、誰かを責めようともしませんでした。彼がただ残念がったのは、大好きなバルサで是非ともプレーを続けたかったのだけれど、クラブの考え方が違ったという点だけ。そして彼はバルサの決定を尊重する、と言い、別のチームで現役続行したいとの考えを明らかにしています。

アビダルによれば、クラブから決定を伝えられたのは10日ほど前だったそうです。まずはサンドロ・ロセイ会長が契約の延長は行わない旨を彼に伝え、その後ジョゼップ・マリア・バルトメウ副会長(昨日は仕事上の理由で不在)とアンドニ・スビサレッタが決定理由の詳細を教えた。あと1年延長のほうがずっと万人受けしますし、伝えるのも簡単だったのは間違いないのですが、クラブが選んだのは反対の道。それ自体は仕方ないにせよ、この会見ではその理由については明かされておらず、ファンとしましてはあと一歩でいいので説明が欲しかったかなというところです。

 

「バルサでプレーを続けたかったけれど、クラブの考えは違っていた」

以下はこの会見における、エリック・アビダルの言葉です。

「今日は僕にとって、すごく難しい日だ。僕はバルサで6年間を過ごし、最高のチームメイトたちに恵まれた。ここで僕はものすごく多くのことを学んだんだ。僕を信頼してくれた監督や、ドクターやフィジオをはじめ、僕を助けてくれた全ての人たちに感謝してる」

アビとティト「家族やいとこ、妻、娘たちにも感謝してる。病気にかかった時、僕は2つのことを目標にしたんだ。1つは娘たちが成長する姿を見て、妻と共にいるために戦うこと。もう1つはプレーに復帰するために戦うことだった。もちろん僕はバルサでプレーを続けたかった。でもクラブの考えは違っていていて、僕はそれを尊重しなければならない。とても悲しかったし、僕はここでプレーを続けるために戦ってきたから、残留すると考えていたのは事実だけれどね。最終的に道は2つある。僕は別の場所でプレーを続けていくよ」

「僕のなかでは決断は難しくなかった。僕の希望はバルサでプレーを続けることだったんだ。シューズを脱いで、生活を変えるのはすごく難しいよ。オファーはまだ届いていない。それについて考える時間はあるさ。重要なのはバルサでの最後の試合にミスターが出番をくれて、カンプノウで何分かプレーできるかどうかだよ^^」(会場のティトは、分かった、というように首を縦に動かした様子)

僕はここを去る。でもきっと、また戻ってくるだろう

ファンのみんなには感謝をしている。この最後の2年間、彼らは僕をものすごく励まし、回復を気遣ってくれたよ。みんなありがとう。ビスカ・バルサ」(会場は大きな拍手)

「ピッチに戻れた日のことは忘れない。ウェンブリーの日や、そしてなにより今日もね」

「他のクラブとは、バルサでの契約が終了してから話をするだろう。僕はバルサでキャリアを終えたかったんだ。次のチームはヨーロッパになるだろうけど、どこの国かはまだ分からないよ」

自分の身体には強さを感じてるよ。トップの状態ではないし、病気以前と同じでもないけれど、半年前よりは良くなってるんだ。気になるのは、今はプレーをした後、回復するのに少し時間がかかることさ。けれどもまだ、シューズを脱ごうとは思っていない。プレーを続けることが僕の幸せだと、家族も知っているしね。ドクターにフットボルを止めろと言われた時にはシューズを脱ぐだろうけど、今はまだそうじゃないんだ。あと2年は身体は耐えられると思う」

クラブの取った決断は、僕が期待していたものとは違うものだった

「スビ、会長、そしてティトと、彼らの考えを聞くために話をしたよ。契約延長しないのがクラブの決定だとは、会長から伝えられた。10日前のことだった。その後はバルトメウ(副会長)、スビと、僕の将来について話し合ったよ。決定を受け入れるのは難しかったけれど、僕はそれを尊重しなければならない」

 

チームメイトたちとの抱擁

さよなら会見が終わると、アビダルは壇上の席を立ち、最前列で彼を見守っていたチームメイトたち(プジョル、チャビ、イニエスタ、バルデス、メッシ、ピント、セスク、アルバ、アドリアーノ、ピケ、ブスケツ、アレクシス、ペドロ、ビジャ、マスチェラーノ、ジョナタン、つまりは代表招集を受けてない全員)、そしてティト・ビラノバを始めとするテクニコたちと1人ずつ抱擁を交わしていきました。その間、拍手の鳴り響く室内。これだけ心を振るわせる退団会見ってのも滅多にはないわけで、いかにアビさんがチームやクレの心を鷲掴みにしていたかが判るというものです。

来シーズンはふとした瞬間に、アビダルのことを思い出し、彼の不在を寂しく思うことでしょう。しかし、エリック本人が言うとおりに、今季はまだ地元でのリーガ最終節(対マラガ)が残されていて、そこでアビさんに盛大なる拍手と感謝の言葉を送らなければなりません。22分には割れんばかりの拍手がスタジアムに響くでしょう。そしてアビはきっと、キャプテンマークを腕に巻いてピッチに立つ。上手くまとめられませんが、偉大なるエリックに多くの幸あらんことを。メルシー、アビダル!

下は、このさよなら会見で映され、アビさんが涙した映像です。

 

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