3戦全勝を義務付けられた、カンプノウ3連戦初戦。オサスナは予想通り、最終ラインを高く保った積極的な守備戦術でバルサのパス回しを封じてくる。7割以上のボール支配率を誇るバルサだったが、チャビとデコに密着マークをつけられ、極度の密集のために攻撃がなかなか機能しない。
そんななか20分にベレッティが、35分にデコが連続して負傷し、スタジアムには嫌な空気が立ち込めていた。
25分、ショートコーナーからメッシーがウルトラフリーな状態からヘディングを放つが、フリーすぎたのかこれはクロスバー直撃。さらには前半終了間際にロナルディーニョの縦パスに反応したエトーがもう一歩でゴールという場面を作るが、至近距離からのシュートをリカルドが好セーブ。無得点のまま、ハーフタイムへと突入した。
オサスナの壁を崩すにはかなりの努力が必要かと思われていた後半、わずか30秒でメッシーが決定機を演出する。ドリブルでエリア内まで突撃し、シュートを放つメッシー。これは惜しくもコーナーに逃れられるのだが、続くコーナーをエトーがフリーで決めて、バルサは開始1分にして先制点を奪い取った。
これでオサスナは意気消沈し、その5分後にはまたもエトー。今度は左サイドをロナルディーニョとの華麗な壁パスで駆け上がったシルビーニョのセンタリングをリカルドが弾いたところを、ごっつぁんですとばかりに流し込んでのゴールだった。
点差が2点となったことで勝負の行方はほぼ確定し、あとはロナルディーニョとメッシーのやりたい放題ショーのスタート。右へ左へ中央へ、と変幻自在に姿を現すクラックたちに、オサスナは守りに追われることしか出来なかった。
そして終了間際には、途中出場のジュリーが「メッシーには負けるか」とばかりに発奮し、ロナルディーニョの“背中パス”を見逃さずに3点目をゲット。カンプノウ上空にかかった分厚い雲を吹き払う予感を秘めた内容と結果で、試験の第一関門は突破した。 |