苦戦が予想されたビジャレアル戦だったが、自力の差と若干の運によってバルサが勝利した。
序盤はビジャレアルが積極的に勝負を仕掛けてくる。前半2分、エリア内でソリンがバルデスと交錯した場面。ペナルティの笛が吹かれても文句を言いがたいプレーだったが、ムニス・フェルナンデスはこれをサラッと流す。バルサは助かった。
その後もしばらくはビジャレアルのペースで続くものの、バルサはじわじわとペースを掴み始める。リケルメらへのプレスが機能し、ビジャレアルのパスはつながらないように。逆にバルサは、メッシーやロニーのプレーがラインを崩すようになっていった。地味ながら、ドリブルで突っかかるモッタも何気に効いていた。
バルサの先制点は、そのモッタのプレーから。エリア際左寄りでファールを得ると、ロナルディーニョのフリーキックはGKの手前で上手くバウンド。質の高いGKなら止められていた可能性が高いが、ビエラはこれを弾き、前にいたDFペーニャに跳ね返って自らのゴールへと転がり込んでいった。思わぬ形によって、願ってもない先制点をゲットした。
となると、もはやゲームはバルサが支配するようになる。ビジャレアルもしきりにプレスを仕掛けるものの、バルサが一枚上手。チャビの不在をほとんど感じさせないパフォーマンスにより、バルサが完全に流れを掴んだままハーフタイムに突入。
後半も基本的に、流れは変わらない。ビジャレアルは60分頃にややペースを掴むようになるのだが、63分のデコのゴールがそれも阻止した。エリア際からの得意のミドルシュートは相手デフェンサに当たり、微妙に角度を変えながらゴールネットへ。なぜだか相手選手に当たってから入るデコのゴール、バルセロニスタにとってはおなじみの光景だった。
この後、ビジャレアルはホセ・マリの申し分ないヘディングシュートであと一歩のところまで迫るが、バルデスのファインセーブによってサヨウナラ。残り20分、バルサはモッタが負傷交代し、マルケスが2枚目のカードで退場になるなどというアクシデントもあったが、危なげなく勝点3をもぎとった。エル・マドリガル、しかも厳しい状況下で掴んだ勝点3の持つ意味は大きい。 |