序盤はカーディスの猛烈なプレスに苦しめられる。中盤で激しいチェックを受け、ボールを奪われてはバックラインの背後を突かれるバルサ。カーディスのコンセプトは非常に明確で、なおかつ効果的だった。ただ不足していたのが、前線でチャンスを確実にモノにできるデランテーロ。誰が一人質の高いゴレアドールがいれば、もっと上位に食い込めるチームだ。
と、バルサはかなり苦戦を強いられていたのだが、その局面を打開したのはイニエスタの才能。3人に取り囲まれながらズバッと送り込んだスルーパスにジュリーが完璧に反応し、最初の決定機で1点を奪ってみせた。この効率性、素晴らしいです。
こうなるとゲームはバルサのペースに。落ち着きを取り戻したバルサは自由にボールを回せるようになり、ゴールを脅かされる回数も減少してくる。そしてハーフタイム直前、マルケスがエリア内で豪快に転倒し、ペナルティ獲得。やり直しにも影響されずにエトーがこれをしっかりと決め、2点のリードを奪って前半は終了。
さらに後半5分にはデコのドリブル突破→エトー強烈シュート→アルマンドがセーブ→メッシーがこぼれ球拾う→ゴールライン際のドリブルでDFを抜き去る→エトーへバックパス→ゴール!という流れから3点目を決めて完全に勝負あり。その後もメッシーのスルーパスにラルソン!という絶好の追加点のチャンスもあったが0-4ならず。
普通ならバルサに0-3にされたチームは意気消沈するのだが、どれだけゴールを入れられようとも応援をやめないファンに鼓舞され、カーディスの攻撃は続く。そして試合終了間際、その諦めない気持ちが実を結び、ついに一矢報いたのでありました。その姿勢は敵ながら天晴れと素直に認めざるを得ない。メッシー交代時の拍手もあり、カーディスはなかなか好感の持てるクラブだった。毒白とは大違い。 |