試合の序盤は、非常にフィジカルなぶつかり合いのゲームだった。バルサの中盤を制するために、エスパニョールはハードなプレスと肉弾戦で対抗。雨の降りしきる中、非常に体力の要する展開でゲームは進んでいく。なにせボールを前線に運ぶ前に厳しいチェックを受けるため、いいボールが供給されない。エスパニョールの守備はとても組織立っており、バルサといえども簡単にはチャンスは作れなかった。
19分のベレッティの単独突破(キックフェイント付)はGKカメニの左手1本に阻まれ、33分のメッシーのバセリーナは惜しくもクロスバーの上。この2つの決定的チャンスを逃してしまい、そのまま無得点のまま前半を終えそうな雰囲気のバルサだったが、そこでなんとかしてくれるのがクラックといわれる選手たち。43分、デコのロングシュートによってバルサはついに待望の先制点を獲得する。予想外のタイミングで放たれた強烈なシュートが目の前でバウンドし、さしものカメニもどうすることも出来なかった。
非常にいい形で前半を追えたバルサは、後半も最高の形でスタートする。わずか1分、ロナルディーニョのスルーパスに反応したエトーが最終ラインを突破し、ゴール左端に鋭いシュートを突き刺したのである。がっくり肩を落とすエスパニョール。勝負は決まったかに思えた。
しかし56分頃、モッタとの衝突でデコが負傷交代したことで流れは変わる。動揺したバルサの心の乱れを利用して、エスパニョールが1点を返すのである。ロングパスからタムードが抜け出し、バセリーナを決めたのだった。
こからは意気上がるエスパニョールペース。バルサはゲームをコントロールすることが出来ず、ひたすら相手の攻撃をしのぐ時間帯が続いた。バルセロニスタとしては重苦しい後半半ば過ぎだったが、終盤にくるとさすがにエスパニョールも燃料切れ。根性によるフィジカルなぶつかり合いは続いたが、これといったアイディアはなく、バルサはどうにか耐え切ったのだった。
こうして公式戦での連勝記録を15にまで伸ばし、リーガでの連勝も11に。これは1シーズンで達成したものとしては、クラブ新記録。またひとつ、歴史は塗り替えられた。 |