終わることなく続くのではないか、と思われていたバルサの公式戦連勝が、「敗北」によって18で終了した。
このゲーム、ライカーはプジョルとバルデスを休ませるという思い切った決断をする。デコにエトー、チャビらが欠場するうえに守備の要である2人を外すというのは、非常に大胆である。そして試合開始当初、試合の主導権はバルサが握る。けれどもそれは圧倒的な支配というよりは、サラゴサが幾分計算してバルサに支配させているというような印象を与えていた。サラゴサは、“その時”が来るのをじっと伺っていた。
そして20分を過ぎると、サラゴサは突如バルサ守備陣に牙をむく。中盤でボールを奪い取ると、素早く最終ラインの裏側へロングボールを送り込み、ディエゴ・ミリートとエベルソンのスピードある突破でバルサゴールに迫るサラゴサ。そして立て続けに3点、たった4分の間に3点を叩き込むのだった。まるで1年前のスタンフォード・ブリッジの悪夢を彷彿とさせるような、守備のもろさを露呈したバルサ。トーナメントでこのようなエラーは致命的となる。
バルサはその3往復ビンタによって目を覚まし、すぐさまラルソンが1点を返すが、その次がどうも続かない。サラゴサとの中盤の潰しあいに巻き込まれ、しかもチームの中心ラインがない(バルデス、プジョル、デコ、エトー)という状況では、上手くチャンスを作り出すことが出来ないのだ。しかしそれでもバルサは61分には審判の“サポート”によってペナルティのゴールを提供される。スコアは3-2。このままゲームを終えていたなら、第2戦をカンプノウで戦えることを考慮すれば、けっして悪い結果とはいえなかった。
しかし試合終了間際、エヂミルソンがエリア内で痛恨のハンド。彼のような経験ある選手が犯すミスではない。集中力が不足していたと批判されて然るべきだろう。かくして最終スコアは4-2となり、2点のビハインドを背負ってバルサは残り90分の“後半戦”へ。果たしてこの逆境を跳ね返し準決勝へ進めるかどうか。バルサは来週、ひとつの正念場を迎える。 |