勝てていた試合だったが、幾つかの邪魔と不運によって引き分けに終わる。
マルケスとエヂミルソンが負傷、さらにプジョルが出場停止というスクランブル状況のこの試合、ライカーが先発に起用したのはカンテラーノのロドリだった。論理的に考えるとそれが一番だというという判断ではあるが、よく英断したという感じもある。2位とのポイント差が許した決断とも言える。パートナーはウラゲールだった。
そしてその内容はどうだったかというと、結果も内容も上々。マラガの攻撃が寂しかったとはいえ、パーフェクトに近いプレーを披露してくれた。ウラゲールのポジション取り、そしてボール奪取には風格さえ感じられたし、ロドリは初先発でビビッている様子など皆無。まるで何年もそこでプレーしているかのように、落ち着いてボールを処理していた。エリア近くでフリーキックさえも与えなかったのは素晴らしい。
この日のマラガは、決していつもの対戦相手のように中盤で激しいプレスをかけていたわけではなかった。ボールはかなり自由に回せたし、ゴールの予感も漂ってはいた。しかしバルサには、最後の詰めへの執念というか、そういったものは不足していたように思える。
マラガのプランは、おそらく0-0にあっただろう。攻めるより、まずは守る。それも激しく守るのではなく、結果的にゴールを許さなければいいという感じ。そんな相手にバルサは、ロナルディーニョの不在も影響してか、どうにも崩しのパスが上手くいかない。パスは回すのだけれども、様子を伺っての横パスが多く、縦への崩しがないのだ。コンビネーションパスも少なく、それではなかなか守備は破れない。そして時折訪れるチャンスも、活用することができなかった。
チャンスを活かせなかったのはバルサ攻撃陣の気迫のせいともいえるが(エトーのゴールへの執着はすごかったが)、同時にアルナウの好守の結果とも言える。カンプノウでも狂い咲いたアルナウ。古巣相手となると、モチベーションが上がりまくるタイプのポルテーロだ。昨日のパフォーマンスも、ほぼ完璧。ラルソンやジュリの至近距離からシュートを防いでしまうのだから、毎週これができればもっと有名になれるのに。
さらにバルサには運もなかった。後半ロスタイム、相手デフェンサのクリアミスはラインの裏を狙っていたエトーの元へ。ここは運もあったのだが、その次がよくない。エトーは見事なコントロールで強烈なシュートを放つも、あまりにも上手く当たりすぎたのが災いしたのか、クロスバーを直撃するという悲運。勝利に相応しかったのはバルサだっただけに、これが決まっていればメデタシ(×2)だったのだが。
あとはいうまでもなく、前半終了間際の審判のミスジャッジ。ゴール右斜めからのフリーキック、エリア内のラルソンがヘッドでボールを落とし、そこを逃さずエトーがゴール。しかしこれはマラガの抗議によってハンドの判定となり、取り消された。しかし実はハンドをしていたのはマラガの選手のほうであり、バルサとしては堪らない。主審のロドリゲス・サンティアゴはゴールを一度認めていたのだが、線審のラファ・ゲレーロが何を思ったのか間違った意見を吹き込んだのだ。ええ、たしかにハンドはありましたよラファ。ペナルティとなるべきハンドがね。 |