ハイレベルながら、逃したものも多かった試合。
前半からバルサは、持ち前の攻撃哲学を存分に発揮。積極果敢にベンフィカ陣内へと攻め込んでいく。開始早々の相手GKのエラー(バックパスを手で処理)に始まり、イニエスタやバン・ボメルのドリブル突破、デコがドフリーで外したシュート、エトーの1対1など決定的なチャンスは次から次へと訪れるのだが、そのひとつとしてネットを揺らさないという不運。バルサの選手があれほどまでにゴールを決められないとは、信じられない光景である。しかし、それが現実。でもやっぱり信じられない。
バルサの積極的な攻めによって、ベンフィカは思い通りのプレーができない様子だった。“9番”タイプのデランテーロがいないことによって、前線でポイントを作れないベンフィカ。シマオやジェオバンニらがドリブルでエリア近くまで切れ込むが、そこからの手段がない。結局ミドルシュートという、いささか運に頼った攻撃パターンだけ。たしかにベンフィカの選手はいいミドルを持ってはいたが、効果といえばもうひとつ。前半のバルサは、非常に楽に守れていた。
ところで今日の先発、セントラルは予想のロドリとは異なり、モッタ&ウラゲールという構成だった。中盤の底にはイニエスタ。プジョルが欠けることで不安視された守備陣だが、結論から言うと素晴らしかった。特にピボッテとして開眼しつつある感のあるイニエスタのチェック、そしてボール捌き。たまにエラーはあったものの、文句の付けようのない働きだった。そしてモッタも無難に任務を遂行し、最後の壁バルデスが好セーブを連発。プジョル不在によってオフサイドをとり損ねる場面は数度見られたが、全体として合格点といえる。
後半もバルサは、決定機を逃し続ける。ドリブル突破からのラルソンのシュートはGKモレットとポストによって阻まれ、それで得たコーナーでのモッタのヘッドもDFとポスト。バン・ボメルのシュートやらなんやらもことごとくモレットの網にかかり、結局すべてのシュートはゴールラインを超えることがなかった。
そんなわけで間違いなく勝てていたゲームで、スコアレスドローのバルサ。正直気分はスッキリしない。次のカンプノウでは、勝利が必要条件となる。ま、そのほうが目標がハッキリしていていいかもしれないのだが。今回の分のゴールを、思い切り叩き込んでやろう。
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