バライードスでの開幕戦ということで、内容よりも結果を評価。
ゲームの立ち上がりは、両チームともにかなり慎重だった。やはり初戦という緊張感からか、セルタもバルサも積極的に相手ゴールを狙おうとはしない。中盤周辺に選手を密集させ、ただただ相手の攻撃の芽を摘み、それで終了。とにかく失点をしないことが最優先という雰囲気がひしひしと伝わるなか、ゲームは30分が経過していった。
そういう風にボールを回すだけなら、有利なのは言うまでもなくバルサである。なんとなくながらもボールを支配し、プレーのリズムを作っていくバルサ。選手たちとしては、そろそろグッとギアをあげ、先制点を奪いたいところだったはずだ。しかし、先制点はセルタだった。
41分、左サイドからのスローイン。バルサは守備での集中力の乱れを突かれる。ボールを受けたネネがエリア内にボールを持ち込み、シュート。これはバルデスがどうにか弾くが、こぼれ球をゴール正面につめていたバイアーノに押し込まれるのだ。
そして後半。リードを許したバルサは一気に同点、逆転と攻め込みたいところだが、試合展開の基本ラインは前半と変わらず。バルサもセルタも、どうもプレーにキレがない。しかしそれでもクラックがいるといないでは大違い。個人の能力によって、バルサは逆転に成功してしまうのだ。
同点弾は55分、エトー。エリア左寄りから、メッシとの距離のあるワンツーによって守備ラインを抜け出すエトー。オフサイドぎりぎりだったが上手く飛び出し、角度のないところからネットを揺らした。
さらにその5分後、イニエスタが華麗なドリブルでエリア内右側まで突入し、デフェンサに取り囲まれて潰されながらも中央のメッシへと極上のパス。メッシはくるりとターンを決めながら、ゴール右側へとシュートを突き刺した。バルサ、まんまと逆転に成功。
こうなれば、あとはバルサがイケイケで押しまくるはずだったが、またも守備のエラーで苦境に立つことになる。わずか4分後、セットプレーでのマークの乱れから、グスタボ・ロペスに同点弾を決められてしまうのだ。
このゴールによって気合を充填しなおしたのが、エトーだった。絶対に勝つんだという強い気持ちのもと、チームメイトたちを奮起させようと、ボール奪取に走りまくるエトー。この鬼気迫るエースのプレーに仲間たちも勝利を信じ、一丸となって再逆転を狙う。その結果が、グジョンセンのゴラッソだった。
終了間際の87分、デコからの浮き球スルーパスを、グッディはエリア中央で胸トラップする。そして横からデフェンサが詰め寄るのを確認すると、もう一度そのままポンとリフティングでかわし、最後は強烈ボレーを突き刺した。まさにゴラッソ!まさにファンタスティコ!バルセロニスタに新しいアイドルが誕生した瞬間だった。
こうして勝つには勝ったが、もちろん課題も多い。特に今回目立ったのは、セットプレーからの失点の多さ。全体的な守備は悪くないのだが、集中しなければならないセットプレーから2失点というのはいただけない。このあたり、もう一度しっかりと対策を練る必要がある。
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