つくづく、モチベーションは重要だと認識させられる試合。
この試合、バルサは中心選手12人を代表召集で欠くという厳しい台所事情で迎える。緊急措置として、わずか2日前にバルサBでゲームに出場した選手たち3人を先発起用。どうにか頭数を揃えたというのが実情だ。
そんな急造中盤のせいか、疲れのせいか、気持ちのせいか、この日のバルサはとにかく中盤でボールを失ってしまう。それはエリアに近い位置でピンチを招くことを意味し、バルデスに代わって先発となったジョルケラは大忙しだ。開始1分にルイス・ガルシアに、4分にウルタードにあわやという場面を作られ、ジョルケラのセーブでどうにかしのぐ。いきなり苦戦を強いられるバルサ。
本来ならば、数少ないチャンスが到来した!と気合を入れまくってもらいたい“控え組”やカンテラの選手たちではあるが、コパ・カタルーニャでは無理な話なのか。それぞれの選手のポジション取りがいまいちで、それによってパスがつながらない。それどころか、カットされて逆襲を食らう。
何回も“プレゼント”をされて、それをすべて無駄にするほどエスパニョールもお人好しではない。39分、ついにバルサは均衡を破られる。ベレッティのヘッドでの不十分なクリアをコロに拾われ、上手くコントロールしたシュートを突き刺されたのだった。ジョルケラ、今回は力及ばず。
そんなわけで、バルサはゴールチャンスを作れない。シュートもろくに放てない。さすがにこれはダメだと思ったライカーは後半64分、中盤のクロッサスに替えてデランテーロのジェフレンを投入。前線に人数を割くシステムへと変更を行った。ライカーにしては珍しい采配。
攻撃せよ、という監督の意図を受け取ったチームは、ここから攻勢に転ずる。エスパニョールが守りに入ったという一面もあろうが、後半の残り半分はバルサの時間帯だった。しかし肝心の仕上げが上手くいかず、エスパニョールのゴールを割ることが出来ない。ゲーム最後に宣告されたペナルティも、「エリアの外でした」ということで取り消されて万事休す。
後半は両チームとも激しいプレーの連発。無用な怪我も心配された。そしてドタバタしたわりにはゴールのなかったゲームは、バルサにとっては不完全燃焼のまま終了。“7冠”とか威勢のいいことを言っていたのも過去の話となり、バルサはすでに2つのタイトルを失ってしまった。やっぱり、謙虚な気持ちでいきましょう。
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