激闘の末、バルサがスーペルコパでの雪辱を晴らした。
試合は序盤から、激しいせめぎ合いの連続。今季、公式戦で唯一バルサに土をつけたセビージャだけあり、非常に緊迫したゲームが展開されていく。試合のカギとなったのは、23分から26分にかけての一連の“事件”だった。
まずは23分、セビージャはエスクデが右ショートコーナーから正確なヘッドでバルサゴールを揺らすのだが、これを審判はモッタへのファールがあったとして取消し。実際のところは、そんなものは存在していなかった。そしてその直後の26分、今度はそのエスクデがエリア内でベレッティを倒したとして、フェルナンデス主審はペナルティを宣告したのだった。スルーパスに抜け出したベレッティに対するファールだったが、エリア内かどうかは微妙。これをロニーが決め、バルサが先制となった。0-1のはずが、1-0。これにはセビージャは腹が立ったろう。
しかし、それで滅入ってしまわないのがセビージャのいまの強さだ。絶対に同点に追いつくという意思の元、彼らは激しいプレーで挑んでくる。バルサもそれに応える。そして36分、キレイなカウンターによりセビージャが意地の同点弾。アルベスが右サイドを駆け上がり、アーリークロスを供給。これをレナトがヘッドですらし、カノーテが再びヘッドでゴール。しかし、ドラマはまだ終わらない。
さらにその直後の38分、ゴール左正面からのフリーキックを、ロナルディーニョが直接ぶちこんで2-1。ここぞという時には何かをやってくれるクラックの活躍に助けられ、バルサは激闘の前半を、リードを持って終えることに成功した。
後半も、同点への執念を見せるセビージャの頑張りは続く。相手の最後の詰めが決め手を欠いていたことにより、バルサは失点を許さなかったが、いつまでも好きにやらせていていいことはない。ライカーは“お疲れ様”の意味もこめてロナルディーニョをベンチに下げ、ジュリを投入する。そしてこれが結果として功を奏することになった。
80分、右サイドに開いたチャビからエリア右角のメッシへとパスが渡り、彼は3人のデフェンサの間をスルリスルリとすり抜けていく。そして最後は珍しく右足でゴールを陥落し、勝負アリ。これぞクラックというゴラッソを見せてくれたレオだった。
バルサは強力なるセビージャとの激戦を見事に制し、バレンシアがセルタに敗れたために、単独首位浮上。次週のベルナベウでのクラシコに向けて、これ以上ない状況を整えた。チェルシー戦に向けての士気向上も含め、この勝利がもつ意味は非常に大きい。 |