とりあえずは、順当に勝利。
サンティアゴ・ベルナベウから、収容人数7,500人のセンテナリスタジアムへ。相手はセグンダBの地方チーム、バダローナ。となると、どうしてもモチベーションを上げるのは用意ではない。十分に予想されていたことだが、やはり前半は芳しくないプレーのバルサ。
チェルシー、マドリーとの連敗で見受けられた欠点は特に修正されるところもなく、序盤はカンペオンとのゲームで意気盛んなバダローナのペース。テンションは低く、激しさもなく、当然の流れとしてボールも支配できない。気合だけでいけばバダローナが明らかにバルサを上回っていたが、選手の能力差によってリードを奪えないという状況だった。相手を倒そうと全力を尽くし、プレスをかけ、ボールを奪う。バルサが手本にすべき、気持ちの入ったプレーを披露したバダローナが、前半の主役。陰の主役は、相手のシュートをことごとく跳ね返したジョルケラ。
ハーフタイムを終え、そのままではダメな後半。主役の座を掴んだのは、眠れるアイスランド人グジョンセンだった。グッディは前半、中盤として起用されていた。しかし結果は、いまひとつ。いきなりのインテリオール(しかもバルサの)というのは、いささか無理があった模様。動きもいまいち定まらず、気合のバダローナに、ボールを次々と奪われてしまっていた。
しかし後半、サビオラとポジションを入れ替えることで、グジョンセンのパフォーマンスは向上する。62分の得点は、サビオラのアシストから。ソンブレロでデフェンサを抜いたコネッホが、ゴールライン際からセンタリング。これをグッディがズドンと決めてバルサ先制となった。
そして76分、エスケーロのミドルシュートを相手GKが弾いたこぼれ球を、詰めていたグジョンセンがごちそうさま。オフサイド気味だったようだが、グッディにゴール感覚が戻ってくれそうなのが、いい感じ。試合は事実上、ここで決着した。
前半の不甲斐ないプレーにより、「本気でプレーしなきゃ勝てない」という当たり前のことを選手たちは思い出したのだろう。後半は目覚めたかのようにアグレッシブさを取り戻し、それによってゲームの流れも変わった。気持ちの入れ方でプレーが変わることを、いま一度再確認してほしいところだ。
後半、フィジカル中心の根性勝負に出るしかなくなったバダローナを、巧みなコントロールでいなしていたのが、チャビ。やはり、この人が輝くとバルサも輝く。完全復活のきっかけとなるか。
敗戦、あるいは苦戦の根本原因といわれる、“集中力・激しさの欠如”が今回もきっちり修正されてなかったのは気になるところだが、試合のモチベーションから見れば、それも仕方ないといえる。週末のリーガにて、どこまで欠点を改善できているかがポイントだ。
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