主力の大半を休ませての試合だったが、予想以上のゴレアーダ。
国王杯1/8ファイナルのためには重要なゲームには間違いないが、モチベーションのあげにくい試合。スタンドも13000人程度の入りで、閑古鳥ムード満点だ。よってバダローナが、あわやゴールの鋭いカウンターを仕掛ける14分までは、バルサは半分眠りながらのプレーとなる。一方のバダローナは、一生に一度しかないかもしれないカンプノウでの公式戦。気合十分だった。
バルサはこのカウンターによって、ようやく目を覚ます。プレーにリズムが生まれだし、ここからは8分間でチャンス4回の連続攻撃。23分にはエスケーロ、ベレッティのパス交換のあと、ジオが左足でゴール正面からグラウンダーのシュートを叩き込み、バルサ先制となる。
さらにジオは40分、シルビーニョのパスからスペースへ抜け出すと、そのまま良質なクロスを供給。これをファーポストのエスケーロがヘッドで押し込み、とどめとなる2点目をゲットした。この日のジオはインテリオールという、あまり機会のないポジションでの起用だったが、MVP級の活躍。中盤での存在感は抜群で、前線への飛び出しもグッド。オプションとして、今後も使えそうな気配だ。
こうなってしまうと、バダローナには次のラウンドへ進む可能性はない。目指すのはゴレアーダを避け、バルサに一矢報いること。彼らはさらに守りを固めてのカウンター戦術という度合いを強め、ゲームはちょっぴり退屈なものとなる。バルサはボールを支配するものの、最後の詰めが上手くいかず。エスケーロは決定機を幾つか逃し、サビオラはゴールを求めすぎることで、自己チューなプレーが目立っていた。
そして結果的に、サビオラにとって幸運を呼び込んだのが、クロッサスの投入。この日もいいプレーを見せていたイニエスタに替わりピッチに入ったカンテラーノが基点となり、サビオラの2ゴールへとつながるのだ。多少のエゴも、頑張っていれば報われるという事例。
まずは77分、クロッサスのスルーパスに反応したジュリがエリア内でシュート。これは相手GKに阻まれるも、こぼれ球を拾ったサビオラが右足で押し込んで3-0。さらに82分、なんとウラゲールのアシストにより、エリア内から右足でシュートを決めて4-0。なんとしてでもライカーにアピールしたいサビオラにとって、満足のいく結果となった。その後84分、コネッホに替わってジェフレンがイン。
こうして、ミニバルサのアクセル半開カンテラ・デビューショーは幕を閉じた。バダローナは全力で戦い、やれるだけのことはやったが、選手の能力差が生む壁は高かった。第1戦同様に好印象を与えつつも、力及ばず。また、後半の45分間、チュラムと組んでプレーしたバリエンテは、統制を失わず、落ち着いて仕事をこなせた模様。19歳ということで、楽しみな逸材である。
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