とりあえず、結果はオーライ。ブレーメンとの直接対決に希望はつながった。
レフスキはこれまで、今大会で1ポイントも獲得していなかったが、カーサでの最後の試合でファンを喜ばせようとする、その意気込みはひしひしと伝わってきた。あわよくばポイントを、と積極的にプレーし、ゲームへの集中力はバルサ以上。プレー内容も悪くはなく、ここまで1得点しか出来ていないのが不思議なくらいだった。
しかし、先制点はバルサだった。それも予想外に早い、開始4分というタイミング。右サイドを駆け上がったザンブロッタからのクロスをエリア中央のグジョンセンが落とす形となり、これをなぜか左方面から走りこんできたジュリが豪快にぶち込んだのだ。ただ、切望されていた先制点が思いのほか簡単に手に入ったことにより、バルサのアクセルは願わずとも緩んでしまう。
バルサのゲームへの入り方はよかった。ボールもコントロールしていたし、眠ったようなプレーも見られなかった。しかし早い時間帯でリードを得たことで、明らかにリズムは低下していく。パスのつながりが悪くなり、よくない形でボールを失う場面もしばしば。レフスキは際どい縦パスによってバルサのスペースを突き、後一歩でビッグチャンスというシーンを演出していった。油断、集中力の欠如とまではいかずとも、バルサのアドレナリンが減少していたとは想像できる。
この締まらない選手たちのプレーに対し、フランク・ライカーはハーフタイムで喝を入れなおしたのだろう。休憩を終えてピッチに現れたバルサの動きは、見るからに改善されていた。両ラテラルの動きが活発になり、縦への突破を仕掛ける場面が増加。選手の動きと共にボールの速度もアップし、支配率は強化された。こうなると、レフスキには正直つらい。後半の彼らには前半ほどの勢いはなく、イニエスタの追加点が、それに大いに役立つことになった。
イニエスタのゴールは65分。デコの強力なミドルシュートを相手GKが弾いたところを、右サイドに入っていたイニエスタが走りこんできて左足でズドン。得点感覚を身につけた美白セントロカンピスタの存在感は、ここにきて増すばかりである。ボールコントロール良し、縦への動きも良し。彼のフォームは間違いなくチームトップレベルで、エネルギーに溢れている感じがする。今季の主役は、彼になりそうな予感。
一方で、このレフスキ戦はグジョンセンの日ではなかった。プレスに、スペースへの抜け出しに、いい動きをしてみせたグッディだったが、最後のシュートだけ運が伴わず。決定的なチャンスを3回ほど作ったが、後ひとつのコントロールが上手くいかずに無得点。次に大いに期待しよう。
なお、ドイツでは“やっぱり”ブレーメンがチェルシーを撃破。モウリーニョがバルサを助けてくれるなどということはなく、ブレーメンを“結果的に”後押しした。これでAグループのポイントはチェルシー10、ブレーメン10、バルサ8となり、最終節のブレーメン戦は勝つ以外に道はない。当初からその予定であるし、レフスキが頑張れば、1位通過だって可能性は残っている。アニモ、バルサ!アニモ、レフスキ!
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