冬休み明け、かっちりと勝利しておきたいゲームだったが、欠場者の影響が多く見られた。
ロナルディーニョとデコが出場停止、チュラム、ザンブロッタ、ウラゲールが怪我、もちろんエトーとメッシはリハビリ中と、主力級選手を8人欠くという苦しい台所事情のバルセロナ。結論からいくと、さすがにそれは辛かった。
ヘタフェは堅守が売りのチームであり、中盤から圧力をかけてくることは予想されていた。バルサもそれに対応すべく準備をしていたはずだったのだが、このボールへと圧力競争で、ヘタフェが圧倒的に勝利を収める。彼らは引いて守るのではなく、積極的なプレスを展開。一方のバルサは動き出しがとても鈍く、試合を通じて主導権を握られっぱなしだった。
ボールへの寄せ、パスコースを作るための動き、パススピード、縦への展開、これらすべてがレベルに達していないバルサは、中盤でボールを組み立てることが出来ない。パスミスが多く、ヘタフェに簡単にカットされ、思うようにボールを回されていた。それでも失点を防げていたのは、相手のパンチ力不足によるところが大きい。
バルサはしたがって、守備ラインから前線へのロングボールによる打開を試みるのだが、12分、マルケスからのボールを受けたグジョンセンが、あと少しのところへ迫ったくらい。惜しくもこのシュートは、ポスト右へそれた。
前半最大のチャンスはヘタフェ。24分、カスケロからのスルーパスに抜け出したグイサが、プジョルのチェックを押し切りながらエリア内まで持ち込み、シュート。バルデスがどうにか右手一本、防ぎきった。
そして後半も、前半と同じような展開で進行していく。チームとしての精彩を欠き、個人でどうにかしようとするも上手くいかない、の繰り返しだ。そんなときは、普段では考えられないようなエラーも起こるもの。53分、バックパスをしようとしたマルケスが、まさかのキックミス。転がるボールをグイサにさらわれ、ゴールを割られてしまうのだ。プジョルの猛追、バルデスの突入もあと一歩及ばず。重い先制点を、嫌な形で奪われた。
バルサはそこから反撃を試みるが、それも長くは続かない。攻撃は単発に終わり、結局ヘタフェペースへと持ち込まれるのだ。そんななか、光を放ったのがイニエスタとチャビだった。イニエスタがドリブルでエリア際まで持ち込み、ファール獲得。それをチャビがロニーばりの見事なキックで突き刺し、同点に追いついたのだ。逆を突かれたアボンダンシエリ、一歩も動けず。
無念だったのは、昨日のバルサには、この同点をさらに大きな流れに結び付けられないところ。コーナーによる一連のプレーから、ジュリが強烈なシュートを放つというシーンがあったが、攻撃での見せ場もその程度。一方で、バルデスが最後に大きな見せ場を作ってはくれたが。。。
試合終了間際、バルサは立て続けに2つほど決定的な場面を作られる。マヌに強烈なミドルを放たれ、45分にはコテロの同じくミドル。これはバルデスがジャンプ一番、左手で弾き出して事なきを得た。またひとつ、バルデスによって敗戦を免れたゲームがひとつ。
というわけで、チームとしてほぼ何も出来ずに、バルサはコリセウム・アルフォンソ・ペレスを去ることに。セビージャが前日に敗れていただけに、その機会を活用したかったが、今のチーム状況では1ポイントが精一杯か。次節以降、欠場者の復帰にしたがうプレー内容の向上を願う。
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