サビオラのハットトリックで、どうにか勝利。
敵地での第1戦を0-2で勝利していたバルサにとって、このゲームは完全なる消化試合だった。2点差以上で負けないかぎりは1/4ファイナルへ進出となり、それはアラベスのチーム状況からすると、起こりえるものではない。
さらに最初の20分だけで、サビオラが2ゴールを決める大活躍。1点目は16分、ロナルディーニョのフリーキックを相手GKが弾いたところを、逃さず詰めての得点。さらにその5分後、モッタのクロスをペナルティスポット付近からヘディングし、これがゴール右隅へ吸い込まれるという、サビオラにしては珍しいゴールで、1/4ファイナル勝ち抜けを完全に決定付けた。いま、確実にサビオラはもっとも心身ともに充実している選手。さらなる先発での起用を、ライカーには請いたい。
2試合合計で4-0。相手は2部に所属するクラブ。普通であれば、さらっと流してそのまま終わるか、あるいは追加点が決まってゴレアーダとなるか。そうあって当然なのがバルサというチームである。しかし歯車の狂ったバルサは、その"普通"ができない。コネッホの連続ゴールによって気が緩んだのであろうか。選手たちはアグレッシブさを失い、2-2の同点にされてしまうのだ。
35分、守備ラインのスペースへ流し込まれたボールをウエリントンが受け、そのままゴール。42分にはエリア際からのフリーキックを、アルトゥロが右脚でズドン。もちろんのことながら、スタンドからは口笛も鳴り響く。
またも、悪い癖を出してしまったバルサ。チームとしての集中力、激しさを失い、少しずつズレたパスやポジションが、個人のエラーを誘発する。そしてボールを奪われ、プレスの網に絡めることもなく、守備ラインを突破されてしまうのだ。シルビーニョはオフサイドトラップを掛け損ない、マルケスは致命的なエラーを2つも犯すなど(プジョルと運の助けで、失点にはいたらず)、いつもなら考えにくい散漫なプレーもいくつか見られた模様。これは早急に改善する必要がある。
後半もそういった流れを修正されることなく、アラベスにチャンスは続く。しかし彼らの決定力が不足していたことによって、これ以上の"まさかの展開"にはならずに済んでいる。あとはプジョルの、決死の守りと。
そしてばたばたするチームに再び落ち着きを与えたのが、サビオラの3点目だった。62分、チャビからの浮き球のスルーパスに反応したコネッホは、そのままダイレクトにどかんとシュート。常にチャンスをうかがい、集中を切らすことなく、きっちりとここぞという場面で仕事をするサビオラ。彼のプレーへの姿勢が、チーム全体に波及することを願う。
その後ライカーはザンブロッタとエヂミルソンを投入し、どうにか守備組織も安定。アラベスの反撃ムードも収まり、波乱もこれ以上起こることなく、試合は終了した。消化試合で嫌な気分になるという事態からチームを救った、サビオラに改めてグラシアス。
|