コパではやられ続けているサラゴサに、またしても一本獲られた。
週末のセルタ戦に改善の兆しが見られていたバルサ。この試合も、序盤は圧倒的にバルサのペースで進んでいた。ボールをコントロールし、プレスをかけ、中盤は支配下に。動きも悪くはなく、とりわけウラゲール、ザンブロッタの両ラテラルの働きが目覚しかった。けれども肝心のチャンスメイクという点では、いまひとつ決め手に欠くというのが現状。まだプレーに奥行きがなく、ゴールへと至る縦への崩しというのが不足しているのだ。前半、ゲームを支配しながらも決定機がわずか1回というのが、それを物語っている。
サラゴサのこの日の狙いは、引いて守ってのカウンターだった。自分たちからは特に前へ出て行こうとはせず、バルサの攻撃を絡め取っては、前線へボールを送り込むという黄金パターンを確立。それがバルサよりもチャンスを多く生み出すというのだから、堪らないといえば堪らない。とにかくサラゴサはバルサ相手にハードに守り、審判の"寛容さ"がそれに拍車をかけていた。主審は昨年、同じ舞台でロナルディーニョを謎の一発退場へ追い込んだロドリゲス・サンティアゴ。なにか恨みでもあるのだろうか。
この試合、バルサは全体を通して9つしかファールを犯していない。対するサラゴサは、前半だけで13回。この数字だけでもハードさの違いは分かるものの、サラゴサのファールの特徴は、ほとんどが中盤=バルサの攻撃の要で行われている点にある。ロニー、デコ、チャビらのフリーキックを避けるためにエリア近くではファールを犯さず、ボールの出所で徹底的につぶす。イマイチバルサはこれをやられると、辛い。
そして後半、バルサの勢いは失速する。特にどうしちゃったの?というのはデコ。前半は偉大なるデコだったのに、後半はどうにかしようと無理を重ねすぎ、ボールを失ってはピンチという有様。ライカーはどうにか局面を打破しようと攻撃的な采配を行うものの、流れは取り戻せず、逆に77分にダレッサンドロの右コーナーからディオゴにヘッドを叩き込まれ、悪夢の失点。ウラゲールのチェックを巧みに左手で阻みながらの、"技あり"ヘディングだった。
後がないバルサは、さらにスクランブル交代でゴールを狙いにいくが、前がかりになりすぎたことによって守備のバランスが崩壊。それでも得点さえ奪えればよかったのだが、頼みのサビオラは相手守備陣に包み込まれ、ロナルディーニョはディオゴとピケのマークに成す術なし。全体としての組織が存在しなくなったチームでは守るサラゴサの壁を崩すことなど夢の話であり、自然な流れとして敗戦という結果に至った。
コパは優先度は低い大会とはいえ、さすがにまたもサラゴサに屈するとなると気分は悪い。幸いにも、スコアは0-1。ロマレダの第2戦で2点以上とって勝ちさえすれば、勝ち抜けはバルサとなる。実質的に望みは薄くなったものの、リバポー戦に挟まれた日程でもやってやろうと考えるのなら、奮起を期待したい。
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