アジアツアーでの第2戦となる横浜Fマリノス戦は、ジョバニ・ドスサントスのゴールによってバルサが0-1と勝利した。
この試合、フランク・ライカーはついにアンリ、ロナウジーニョ、エトーによる“最強トリデンテ”を先発起用してくる。アンリはいつもメッシが務めている右サイドを担当した。
夏の親善試合にて、マリノスとバルサが対戦するのはこれが3度目であり、過去の2試合はいずれも引き分けに終わっている。つまりはバルサを相手に、負けを知らなかったマリノスだ。バルサはその“難敵”に対し、やや重い立ち上がりを見せる。日本へ到着してわずか2日目、コンディションは見るからにもうひとつそうだった。逆にマリノスは、カウンターを中心にあわやというチャンスを前後半通じて何度となく作り出していた。
持ち前のテクニックにより、ボールはコントロールするバルサ。しかしマリノスの守りはなかなか崩すことは出来ず、エトーがデフェンサの裏へ抜け出しても、寸でのところでオフサイドを取られるというパターンの繰り返し。ロナウジーニョとエトーの連携はさすがであり、今年も数々のゴールを生んでくれそうな予感を漂わせたが、ほんの少しタイミングの修正が必要でもある。
アンリはまだ感覚が本調子から遠く、不慣れな右サイドということもあり、あまり精彩は感じられなかった。ロニー、エトーとのコンビももうひとつで、じっくりと時間をかけて仕上げていくことになるだろう。秋以降に期待。
このゲームの主役は、ここまでのプレシーズン3試合と同じく、ジョバニ・ドスサントスだった。アンリに代わって後半開始からピッチに登場すると、暑さも疲れもまったく問題ないとばかりに大暴れ。マリノスが彼へガチマークをかけていなかったというのもあるが、オフボールの動きでフリーとなり、ここぞというタイミングでスペースへと飛び出す感覚はすでに一流。チャンスを幾度となく演出し、スターたちを凌ぐ輝きを放っていた。
決勝点も、ジョバニの最終ライン突破によるもの。74分、ロナウジーニョの洒落たヒールパスを受けたエトーから鋭い縦へのスルーパスが送り込まれ、それに瞬時に反応したジョバニがGKと1対1となり、冷静に流し込んで0-1。勝負を決める仕事、つまりクラックの役割をやってのけたドスサントス。07/08シーズン本番での活躍が、本気で楽しみになってきた。
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