将来のクラック候補、ジョバニ・ドスサントスが2ゴールに絡む大活躍。主力を温存した“お客さん”インテルに対し、予想外のゴレアーダで勝利した。
試合前、8月9日に死去した名誉副会長ニコラウ・カサウスへの簡素な式典と、28日にこの世を去ったセビージャ選手アントニオ・プエルタならびにカサウスへの黙祷が捧げられる。バルサ選手たちはプエルタのユニフォームを身にまとい、「君のためにプレーする」というメッセージボードを掲げていた。
試合は圧倒的にバルサペースだった。インテルはルイス・フィーゴを含む主力の多くを召集メンバーから外し、なおかつ勝利へのモチベーションも高くはない。逆にバルサはプエルタに敬意を表するため、今季最初のカンプノウでいいパフォーマンスをするため、インテルを押し込んでいった。
序盤、特に輝きを放っていたのはドスサントスだった。まずは7分、トゥレからの縦パスに抜け出して見せると、これを堪らずチブーがファールで止めてペナルティ宣告。ロナウジーニョがきっちりと決めて、呆気なくバルサが先制に成功する。
やる気に満ちるジョバニの進撃はこれでは終わらない。12分には再びトゥレのスルーパスに反応して見せると、またもチブーをあっさりと料理し、豪快な左足シュートをニアポストに叩き込むのだった。2年前にユベントス戦でブレイクしたメッシのごとく、強烈なアピールをするメキシカーノ。
元々インテルはテンションが低い上に、早々に2点差となっては気合も入らない。バルサは乗り乗りでボールを回し、さらに貪欲にインテルゴールを狙っていった。ここからはバルサらしく、チャンスの連続。トゥレのヘッドあり、チャビのロングシュートあり、ジョバニの切れ込みあり、ロナウジーニョの遠距離からのバセリーナあり。とにかく相手がインテルとは思えないほどに楽しいチャンスが続き、37分には大好きな攻撃に参加していたトゥレの25mミドルシュートが豪快に突き刺さって3点差となっている。
そしてハーフタイムに、ライカーはメンバーの大半を入れ替える。この時にロニーがベンチに下がったので、待望の“クアトロ・ファンタスティコス”は先にお預けとなった。
そのエトー、後半開始直後にさっそくいいプレーを見せてくれる。アンリとのワンツーからGKトルドと1対1になってシュートを放つのだが、ここで思わぬアクシデント。ウォームアップが足りなかったのか、彼はこのプレーで筋肉を傷め、ラポルタは用心のためエトーを交代させるのだ。後の初期検診の結果、軽度のダメージであることが判明。ただし、週末のビルバオ戦は様子を見てからとなる。
後半に存在感を示したのは、メッシだった。ベッケンバウアー杯から好調子を継続している彼は、この日も今チームで最もキレている選手(の一人)であるところを披露。55分にはイニエスタとパス交換によって切れ込んでいき、最後は鮮やかなアシストによって美白カンテラのゴールを演出してみせた。
この後、交代によってよく知らない選手ばかりになったインテルに対し、さすがにバルサもリズムを落とす。それでもメッシとアンリは貪欲にゴールを狙っていたが、5点目を決めたのは意外な人物だった。フィエスタを締めくくったのは、これがおそらくバルサ選手として最後のゲームになるであろうチアゴ・モッタ。78分、デコのコーナーをヘッドで決めて5-0とした。
本気ではないインテルとはいえ、イタリア王者を相手にボールを存分に展開し、彼らにその後を追いかけさせ続けたというのは気持ちいい。白熱したドツキ合いとはならなかったが、いいフットボールによって満員のスタンドを満足させたことで今回は好し。天国からプエルタがそれを見て、微笑んでくれていたなら尚のこと素晴らしい。
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