9月11日、カタルーニャの祝日“ディアダ”に開催されたコパ・カタルーニャ決勝は、2部A所属のナスティックが、少年たちによって構成されたベイビーバルサをねじ伏せて初優勝を決めた。
代表戦ウィーク真っ只中のため、この日もトップチーム選手は4人という寂しい陣容。これにライカーまでが風邪で休養となり、ベンチの指揮はアシスタントのニースケンスが執ることになった。
名義はバルサでも、実情はカンテラーノによるベイビーバルサに対し、1部リーグ復帰へ向けた景気付けとして、この大会初制覇を目論むナスティック(準決勝でエスパニョールを撃破)は、高いモチベーションで試合を支配する。いくら才能ある少年たちといえども、気合の入った2部Aトップクラスの実力者チームを相手にはそう簡単にはプレーはさせてもらえない。
バルサに訪れた最初のチャンスは、20分が経過した頃だった。左サイドからのエスケーロの申し分ないクロスを、デフェンサのボティアがヘディングシュート。しかしGKファンミを破るには至らない。
対するナスティックは30分、コーナーからマイラタが至近距離のヘッドを放つが、これはわずかに枠を捉えず。その後は両チームともにちょっとしたチャンスは作るが、基本的には退屈な前半となった。
後半、ゲームの空気は変化する。50分、ビクトール・バスケスがナスティック守備陣の裏を取ることに成功し、ファンミとの1対1から冷静にゴールを陥落させたことで、均衡が崩れたのだ。ここから、試合は若干の活気を得る。
ゴールに沸いたバルサだったが、喜びは束の間だった。わずか5分後、元バルサの大ベテラン選手ピニージャが、ジョルケラの隙を見逃さずに同点弾を叩き込む。フリーキックでポジション取りを誤ったジョルケラを、ヘッドで破ってのゴールだった。
ならば再びリードを奪いたいバルサではあったが、残念ながら昨日の彼らにはそこまでのパワーはなかった。全体的にバランスが悪く、チャンス自体が作り出せない。フベニール、バルサB、バルサAの急造混成チームではそれも仕方なしか。
逆にナスティックは時間が経過するにつれ、リズムを掴んでいった。70分頃から、彼らは立て続けにゴールチャンスを手にすることになるのだが、自分のエラーによって同点とされてしまったことを悔やむジョルケラによって、これらのシュートはことごとく阻止される。しかしそれにも限界はあった。
79分、オスカル・ロペスのファーサイドへのクロスを、マルドナードが豪快にボレーで決めて2-1と逆転。これでほぼ勝負は決まった。ニースケンスは準決勝の英雄シルビーニョに最後の反攻を命ずるが、89分、それに応えたブラジル人ラテラルの最高のパスを、ゴール前でフリーだったエスケーロが行かせずゲームセット。バルサにとっては寂しいフットボルの寂しい祝日となった。ナスティックはクラブ初タイトル、おめでとう。
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