またもメッシが大活躍。一気に試合の流れを引き寄せた。
リヨン、セビージャとの連戦で、いずれも勝負を決定付けるゴールを決めているメッシ。この日も彼の勢いは止まらなかった。抜群の切れを見せるイニエスタと共に、サラゴサ守備陣をこれでもかと翻弄。いま、彼を止めるのは困難を極める作業だ。
あらかたの予想通り、サラゴサのスタイルはバルサにとっては非常に組みし易かった。中盤でボールを保持しゲームを組み立てようとするサラゴサに対し、バルサは積極的なプレスを実行。危険なパスを出される前にボールを摘み取り、ゲームを完全に支配していった。
先発メンバーはセビージャ戦とまったく同じだった。ザンブロッタ、マルケス、ミリート、アビダルと並ぶ守備ラインは鉄壁。唯一負傷交代したザンビーの容態が気になるが、代わりといってはなんだが、近日はプジョルが復帰予定なのが明るいニュース。中盤ではとりわけデコが活きのいいところを見せ、バルサ100試合出場に花を添えている。ベストのデコはもうそろそろと思わせる、高いパフォーマンスでゲームを取り仕切っていた。
試合はいきなり、メッシの電撃ゴールで幕を開ける。5分、右サイドから対角線ドリブルで中央へ切れ込み、アンリが一度ポストとなったところを、豪快にダイレクトでサラゴサゴールへと突き刺して見せたのだ。今日もメッシはアクセル全開、そうスタンドに宣言する得点だった。
しかしサラゴサのリアクションは早かった。直後の9分、左サイドオリベイラの素早いカウンターからミリート、アイマールと綺麗にボールをつながれ、最後はエリア右角に走りこんでいたサパテルが押し込んで1-1の同点。ゲームは激しい打ち合いになるのか、との印象を与えた。
だがそんなムードを打ち消したのが、メッシだった。11分、ドリブルでエリア前までボールを持ち込むと、なぜかここにいたマルケスが潰され、混戦の中デコがボールをエリア内に蹴りだすのに反応したレオが、冷静に決めて2-1。これで一気に流れはバルサに傾いた。
そして22分には右サイドのデコがメッシとのワンツーでエリア内に侵入し、最後は逆サイドに優しく流し込むようなパス。これに詰め寄っていたイニエスタが間に合い、スコアは3-1となった。バルサの勝利、これにて確定。さらに前半ロスタイム、デコのフリーキックが左ポストに跳ね返されたところを、マルケスがヘッドで押し込んで4-1。十分すぎるリードを手に、試合はハーフタイムとなった。
サラゴサに元気がなかったというのは差し引いても、前半のバルサは素晴らしいプレーを披露してくれた。プレッシングは速く、選手たちの動きもよく、こぼれ球はほぼ完全にバルサが拾い、多彩なパスでサラゴサを圧倒した。ボールはよく回り、見るものに非常に快適な印象を与えていた。
3点差の後半となると、さすがにゲームはペースダウンする。次の試合は中二日で土曜日。無理をする必要はまったくない。バルサはリズムを低下させるが、サラゴサもモチベーションを失っているのでなんら問題はなかった。
後半に望むものがあったとするならば、それはやはりティティ・アンリのリーガ初得点だったろう。チームメイトもそれを意識し、積極的にアンリへとボールを回す。実際にサラゴサの守備ラインを突破すること数度、GKセサールと1対1に持ち込む場面も幾度もあったが、今回もアンリには運(あるいは思い切り)が不足していた。その多くはセサールの好守に阻まれ、ティティゴールは次回以降にお預け。しかし確実にチームにはフィットしてきており、期待は持てるようになっている。
カンプノウ3連戦を、見事に3連勝で締めくくったバルサ。いずれも相手チームに元気がなかった感はあるが、それだけバルサのプレーが良かったのだといいように解釈する。土曜日のフエラでのレバンテ戦にも心地よく勝利し、この勢いを本物としてほしい。
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