グループリーグ突破に向けての貴重な勝利。しかしまたも主役は怪我人だった。
先発か途中出場か、注目のロナウジーニョは大方の予想通り先発で出場。プジョルではなくチュラムを先発させ、マルケスをセントラルに、イニエスタをピボッテに置くというのがライカーの選択したラインナップだった。チビッ子三銃士に中盤を任せ、ボールを小刻みにつないでゲームを支配するプランだ。
初戦を落とし負けられないシュツットガルトは、少なくともバルサの思い通りにはやらせないという意気込みを感じさせるプレーで勝負を挑んできた。しかしチャンスは4分、バルサに訪れる。エリア右端、メッシからのパスを受けたデコがミドルシュートを放つのだが、惜しくもこれはポスト直撃でゴールならず。
その直後の5分、バルサを第一の悲劇が襲う。マルケスがふくらはぎにダメージを受け、ピッチを去らねばならなくなったのだ。これにより、カピタンプジョルが急きょ出場。このマルケスの欠場はバルサにとっては痛かった。彼の不在によりバルサは後方でのボールコントロールに苦労するようになり、シュツットガルトの反攻が開始されるのである。
その後は、お互いに攻めの応酬。9分にはマリオ・ゴメスのシュートがバルデスのゴールを襲い、11分にはロナウジーニョの30mフリーキックが炸裂。21分にはロナウジーニョとのコンビネーションからメッシがシュートを放ち、24分にはロニーの浮き球による好パスを受けたアンリのダイレクトシュート。さらに29分と33分にはマリオ・ゴメスが再びバルデスに襲い掛かるといった具合なのだが、お互いのポルテーロの好守などによって、ゴールを陥落させるには至っていない。
前半はバルサもシュツットガルトも、容易に敵陣深くまで侵入することができていた。決定機といえる場面も多く、1点も入らなかったことが不思議なくらい。両チーム共に、あと一歩のところでのゴール運とシュート精度を欠いていた。
だが後半、均衡は呆気なく破れる。52分、コーナーキックからのロナウジーニョの叩きつけるヘディングはGKシェファーがどうにか弾くのだが、ちょうどそこにはカルラス・プジョルがいた。ゴール前の混戦の中、カピタンが左足でこぼれ球を流し込み、バルサついに先制。シュツットガルトが攻勢を仕掛けていただけに、このゴールは大きかった。試合はこれにより、バルサがコントロールすることになる。
しかしまたも怪我の悲劇がバルサを襲う。63分、ゴールの殊勲者であるプジョルがおかしな着地でふくらはぎ(足首?)にダメージを受け、ピッチを去ることになったのだ。ライカーはこれにシルビーニョを投入。アビダルがセントラルに入り、急場をしのぐこととなった。
バルサにとってありがたかったのは、この精神的に厳しい時間帯に追加点を奪えたことである。67分、メッシのスルーパスを受けエリア内にを強引に侵入したアンリが、後方から走りこんできたメッシに絶妙のお返しパスを送る。そこまでお膳立てしてもらえれば、今のメッシにゴールは容易い。クラックはサクッとネットを揺らし、リードは2点と広がった。
その後しばらくはバルサのペース。特に72分、デコ、ロニー、アンリと華麗にボールをつないでのメッシのシュートは決定的だった。ゴールは入ったかと思われたが、ギリギリのところでデフェンサがクリアして追加点ならず。シュツットガルトも最後まで諦めることなくゴールを狙ったが、そこはバルサが上手くいなして防いでいる。
最後ロスタイム、メッシのパスを受けたボージャンがあわやチャンピオンズ最年少ゴールか、というシーンもあったのだが、これは惜しくもわずかに枠をそれてしまった。残念。
バルサはこうして、苦手ドイツで貴重な勝点3をゲットした。結果だけ見ればいうことないのだが、やはり続発した怪我人が痛すぎる。特に守備の主要選手であるマルケス、プジョルの離脱はダメージが大きく、昨年同様にバルサはドイツから嫌な手土産を持ち帰ることになってしまった。
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