カンプノウで、カンプノウらしいゲームをしての圧勝。
降格ゾーン周辺に低迷するベティスを無敵要塞カンプノウに迎えての一戦は、両チームの実力差が顕著に現れたものとなった。前節は同じく下位を彷徨うバジャドリに苦戦を強いられたバルサだったが、この日は出足から好調。守備陣に多くの故障者を抱えるベティスを相手に、すいすいとゲームに入っていった。
フエラでは退屈で平凡なチームに成り下がるバルサだが、カーサでは集中力を保ち、効果的な攻めを繰り出す。そんな光景がよく見られるが昨日もその例外ではなく、プレスをかけるでもなく自陣に引きこもるベティコに好きなようにボールを展開し、次々とシュートを放つ。この1週間の動きがウソのように、バルサはゲームをコントロールしていた。
試合を通じてチーム全体の動きは良かったのだが、前半特に輝いていたのはティティ・アンリ。最前線から精力的に走り、ラインの裏を狙う。イニエスタらからの絶妙パスに再三反応し、1ゴールに終わったのはちょっとした運の問題といえよう。相手後方のスペースへのボールに対する突破力は、やはり絶品。周囲の選手たちも、アンリの活かし方をより掴んできたように思える。
前半からチャンスの連続だった。10分にはロナウジーニョがイニエスタとの華麗な連携からエリアに侵入し、サイドネットに突き刺さるシュート。15分にはチャビのクロスにアンリがあわやというヘッドを放っている。さらに21分にはまたもアンリが絶妙のボールタッチでエリア内まで持ち込み、豪快なポスト直撃弾。そして33分には存分にパスを展開した上でイニエスタから悪魔的なスルーパスが送り込まれ、スピードに乗ったアンリがGKリカルドの股を抜くシュートにて先制点をゲットした。
そうこうして、前半は1-0で終了。しかし圧倒的な内容差により、印象としては3-0あたりで勝っている感じだった。久々に気持ちよく、ハーフタイムを楽しむカンプノウ。
後半、バルサは若干ペースダウンしてゲームに入っていく。そしてベティスは反撃を開始するのではあるが、かなり控えめで遠慮がちなものだった。迫力を感じないベティスの攻めを、バルサ守備陣はサラリと処理をしていく。そして52分には、これまたサラリと追加点をゲット。得点の主はこれまでフリーキックを2つ外していたロナウジーニョだった。エリア右よりの位置からのセットプレーを、絶妙なコースとスピードのシュートにてゴール右に叩き込んだクラック。美しい弾道を描く、これぞフリーキックというゴールだった。
点差は2に広がり、試合はこれで決まった。・・・そしてバルサは目を覚まし、またも好き放題ベティス陣内へと攻め込んでいった。あとはほぼ一方的に、バルサによるゴールチャンスSHOWである。
57分にはロナウジーニョの落としたボールを、チャビが豪快にハーフボレー。これはGKリカルドが弾くのだが、どフリー・アンリのヘッドはなぜか枠の外へ。69分にはメッシによる中盤からのド迫力ドリブル突破。昨シーズンの国王杯ヘタフェ戦を思い出させるプレーだったが、今回は惜しくもシュートがわずかに枠の左に逸れてしまった。そしてロスタイム、またもロナウジーニョがフリーキックを決めて3-0。今度はエリア左側、デフェンサ壁の中央をすり抜けてゴール左端に決まるシュートだった。よくぞあんなところを通ったものだと、感心するばかり。
もうちょっとスコアは開いていておかしくなかったが、とりあえずは納得の3-0。ベティスがイマイチだったとはいえ、完全にゲームを支配し、チャンスを量産しての勝利というのは、チームに自信と勢いを与えてくれるだろう。カンプノウに再び、ベストのバルサが帰ってきた。あとはこれと同じイメージを、フエラで残せれば文句はないのだが・・・。幸いなことに、次の試合もカンプノウ。レンジャースに完勝し、いいムードにてヘタフェ攻略へと臨んでもらいたい。
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