グラスゴーでは苦労したレンジャースの守りを、あっさりと突破。あっさりすぎて単調なゲームとなったが、1/8ファイナル進出はほぼ手中に収めた。
前日の会見でスミス監督が述べていたように、レンジャースの狙いは0-0のエンパテだった。自陣に引いて守り、カウンターを交えつつ、とにかくゴールを死守することに全てを注いでいた。しかし彼らの希望は、呆気なく砕かれることとなる。開始わずか6分。左サイドのロナウジーニョから右のメッシへと大きなパスが展開され、メッシはこれをヘディング。そして左ポストにボールが当たるところにアンリがなだれ込んできて、ゴールへと押し込んだのだった。
バルサのこの日の目標は早い時間帯での先制点だったが、それが思いのほか容易に達成できた。これにて、バルサには非常に大きなゆとりが生まれることになる。プランが崩れたことにより、レンジャースは前がかりになると思われたが、なぜか勝負に出ることもなく、変わらず自陣で守りに専念するスコティッシュ。傷口を広げないことが優先だったのか。なんにせよ、バルサは余裕でボールを展開させることが出来た。
しかし余裕がありすぎるというのも、実際としてはあまり宜しくない。アドレナリンが出ないのでプレーのリズムは上がらず、様子を見ながらボールを回しているといった感じのバルサ。スペースもないので、なかなかチャンスも生まれなかった。それでも見せ場は作れるのがバルサで、16分にはメッシの切れ込みによるこぼれ球をイニエスタがミドルシュート、27分にはロナウジーニョのミドルシュート(GKがナイスセーブ)、37分のロニーの豪快な空振りからチャビがエリア内に侵入し、惜しいシュートを放つという場面は作り出している。
そんななか、試合を決めたのはやはりメッシだった。43分、ロナウジーニョがメッシと壁パスを仕掛け、エリア内に切れ込んでシュート。これはGKマクグレガーに弾かれるのだが、そこにしっかりと詰めているのがメッシ。彼はさらりとボールを流し込み、スコアは2-0、勝負あった。
点差が2点となっては、レンジャースにはもう逆転をするだけの力はない。そして同点に追いつこうという気迫もないので、後半はもはや消化試合の様相を呈していた。ギアを下げ、流してプレーするバルサ。これといった得点機は、3回程度。49分と63分でのチャビのロングシュート、そして57分のメッシの単独突破による至近距離からのシュート。これらはいずれも入っていてもおかしくはなかったが、あと少しの運のなさとGKマクグレガーの頑張りによって無得点に終わっている。
試合を通じて、レンジャースの決定的チャンスは82分、ダルシュビールの強烈なフリーキックと、92分のノボのボレーのみ。それ以外は中盤にてバルサが事もなくプレスでボールを絡めとり、すいすいと試合をコントロールした。先制点、効果絶大。
これにてバルサは10ポイントとなり、残る2試合で1勝でもすれば1位通過を決められるらしいので(グループリーグ突破へは1ポイント)、気持ちよく次のリヨン戦にて決めてもらいたい。
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