思ったよりも労力を要したが、最終的には勝点3をゲット。エトー復帰戦をカンプノウ8連勝で飾った。
今季、降格圏内で苦しみながらも、獲得13ポイント中の9までもをフエラで稼いでいるデポルティーボ。この試合もその傾向どおり、彼らは非常に組織立った守りによって、バルサを自由にさせなかった。特にいきなりの開始2分、バルサカンテラ育ちのクリスティアンが豪快なミドルシュートを叩き込んだことによって、デポルはガッチリと守りを固めてくる。自陣に引き、徹底的なマークを仕掛けてくるラコルーニャに対し、バルサはなかなか効果的な攻めを行えなかった。
ボールはいつものごとく、ほぼ完全にバルサが掌握していた。この日から戦列に復帰したエトーを絡めつつ、どうにかサイドを開こうとするバルサ。しかしメッシとロナウジーニョは厳しいプレスに遭い、守備陣を突破できない。チャビ、イニエスタからのパスも、裏のスペースをなかなか突けなかった。最初の決定機は22分、ロナウジーニョのフリーキック。GKムヌーアは弾くのが精一杯だったが、その後の混戦をデポルはしのぎきり、無得点に終わっている。
だが前半終了間際、バルサは願ってもないペナルティを得る。40分、波状攻撃からドリブルにてゴールライン際からエリア内に侵入したイニエスタを、クリスティアンが明らかに足をかけて倒し痛恨のファール。これを職人ロナウジーニョが確実に決め、バルサはいい時間帯に同点に追いついた。
そして後半、ピッチにはデコが戻ってきた。負傷者たちが続々と復帰し、いい雰囲気のカンプノウ。ハーフタイムが明けても、試合の流れに変化はなかった。守るデポルティーボと、攻めるバルサ。ただしボールを回させられていた前半と異なり、後半のバルサは能動的に攻めのパス展開を行えるようになっていた。
目立ったチャンスは、47分のメッシからのスルーパスに飛び出したエトーのエリア内でのシュート(ムヌーアが壁となってコーナーに逃れる)と、57分のイニエスタ、ロナウジーニョ、イニエスタと渡ったカウンター。だがこの美白カンテラーノのシュートは勢いがなく、かつポスト左にも逸れている。ゴールの匂いは漂っているのだが、最終的な仕上げが上手くいかないバルサ。
64分、ライカーは復帰戦で無理をさせたくないエトーを下げ、ボージャンを送り込むことで攻勢をかける。そしてこれが結果的に功を奏することになる。71分、メッシからオーバーラップで攻めあがるプジョルにパスが渡り、プジョルがニアに絶妙のセンタリングを供給。ここに走りこんできたボージャンはボールに触れることはなかったのだが、それによってムヌーアとデフェンサはボールを取りこぼし、無人のゴールにチャビが流し込んで2-1。逆転に成功したバルサが、そのままデポルをいなして逃げ切った。
見せ場の少ないゲームではあったが、エトーの前線からのプレスとそれによる波状攻撃、勝負を挑もうとするロナウジーニョ、こぼれ球を確実に処理してくれるデコなど、今後に向けての希望も差していた。シュツットガルト戦で完成度を高めていけば、勝負のメスタージャでもイケそうな感じはする。
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