スタートは思わぬ“不幸”に見舞われたが、終わってみれば余裕の逆転勝利。
いわゆる消化試合であるシュツットガルト戦、世間の関心はボージャン・ケルキッチがチャンピオンズ大会最年少ゴールを決めるかどうかに集まっていた。しかしベンチ入り禁止のライカーに代わって指揮をとったニースケンスは、ボージャンでは無くロナウジーニョを選択。先発確実と思われていただけに、一同驚いた。
試合は先週末のデポルティーボ戦同様に、バルサにとってしんどい始まりとなる。わずか2分、エリア右20数メートルからのフリーキックがバーを直撃し、ジャンプしたジョルケラに当たって入るという“事故”発生。なんともツイてない失点だ。これにてシュツットガルトは、例外なく自陣に引いて守る作戦を決行してくる。
相手が引いたので、試合の主導権はバルサにあった。いつものごとく、ボールを展開するアスルグラーナ。しかし悲しいことに、こちらもいつものごとく、もう一歩のところでの詰めが甘い。失点直後の4分、バルサは同点にせねばならない場面を得る。相手の不用意なエリア前での横パスをエトーがかっさらい、GKシャファーと1対1になるのだ。だがこれはシャファーの壁に阻まれゴールならず。
シュツットガルトのカウンターを防ぎながら、攻めるバルセロナ。15分には中央のロナウジーニョから右のジョバニへパスが渡り、メキシカンはそのままGKに勝負を挑むが敗北。ファーサイドにグジョンセンがフリーでいただけに、パスを選んでもよかった。この日のロニーは活力があり、いい動きをしていた。35分の同点弾も、彼の左サイドでの頑張りから。プレスをかけてボールを奪うと、エリアに切れ込んでラストパス。これにジョバニが合わせ、1-1としたのだ。ジョバニ、公式戦初ゴールおめでとう。ハンド気味ではあったけれども・・・。
前半終了間際にはロナウジーニョの素早いリスタートからエトーがゴール前でフリーでシュートを放つも、これは惜しくもポスト右。
後半7分、ニースケンスはグジョンセン(ナイスゲーム)に代えてボージャンをピッチに送り込む。ゲームは変わらず、バルサが支配していた。そして57分には、訪れるべくして訪れたバルサの追加点。自陣でチャビがボールを奪うと、そのまま一気にドリブルで侵攻。エリア付近にて後ろから追い抜いたエトーにボールを渡すと、カメルーン人ストライカーは軽いタッチでデフェンサを振り払い、強烈なシュートをネットに突き刺した。エトー、チャンピオンズで15ヶ月ぶりの復活ゴール!
エトーはこれにてお役御免となり、イニエスタと交代。この日のバルサは、リードを奪ってからもアクセルは緩めなかった。なによりも主役の座に加わりたがっていたのは、ロナウジーニョだった。そして67分、ついにガウチョ待望の瞬間は訪れる。ジョルケラ、チャビ、ロニー、チャビ、イニエスタ、シルビーニョとボールをつなぎ、シルビーニョが一気にゴール前にグラウンダーのクロス。これに勢いよくニアに雪崩れ込んだロナウジーニョがスライディング、3-1となり勝負はついた。
となれば、あとはボージャンへのサービスタイムだったのだが、残念ながら記録達成の時は訪れなかった。次の機会に持ち越すしかないが、決勝トーナメントとなるだけにあまり期待はできそうにない。とりあえずは断固たる勝利によるモラル上昇と、勝利ボーナス60万ユーロを手にしたことで満足しよう。
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