ペップ・バルサが実力差を存分に見せ付け、08/09シーズンデビュー戦を圧勝で終えた。
2001年夏の退団から7年の歳月を経て、我らがペップ・グアルディオラがカンプノウへ帰ってきた!ただそれだけでも、ワクワクする試合。そのペップは先発メンバーで、ちょっとしたサプライズを起こしている。トリデンテの一角に新加入のフレブではなく、ペドロを起用したのだ。
プレシーズンからいい流れを生み出し、地元での初試合にてファンに生まれ変わったところを示したいバルサはこのゲーム、序盤から積極的にビスラに圧力をかけていく。今季のチームは、どうやらやる気が全然違うようだ。この点、大いに期待できる。
先制点はバルサだった。中盤でボールを取り戻したマルケスから、前線左にいたエトーへと絶妙なスルーパス。これをエトーが持ち前のスピードある突破でエリア内まで持ち込み、きっちりゴール右隅へと流し込んだ。スタンドからは“復活”のデランテーロに対し、温かい拍手が贈られている。
一番難しい先制点を奪ってしまえば、あとはもう楽にバルサのペースである。20分にはアンリがあとほんの少し左ならば・・・というミドルレンジの豪快なドライブシュートを放ち、21分にはアルベスのクロスにペドロが一歩及ばず・・・と連続してチャンスを演出。そして25分にはスローインのボールを受けたアンリからゴール正面30数mのチャビへパスが送られ、チャビは迷うことなくこのロングシュートをゴール左端に突き刺すのであった。ユーロMVP男、自信満々。
バルサはその後もいくつかのチャンスを手にするのだが、残念ながら追加点を得ることなく前半は終了。そして後半も、前半と同じようにチームペップが圧倒的にゲームを支配する形で始まった。最初の主役は、ティティ・アンリ。49分、イニエスタ、エトーとワンタッチでボールをつなぎ、ボールを受けたアンリがデフェンサをひらりとかわしてGKと1対1。あとは冷静にバセリーナを流し込むだけだった。プレシーズン、多くの批判にさらされていたティティがついに結果を出した。この試合の彼は非常に活発でいい動き。その調子が続くのなら、期待は出来よう。
スコアが3-0となったことで、さすがにバルサもペースを落とした。アクシデントが発生したのは72分。ダニ・アルベスが右肩を痛め、負傷交代したのだ。アルベスは全治2週間。リーガ開幕には間に合いそうでなにより。ピケが公式戦デビューを果たしている。
そして79分には、この日ノリノリだったエトーとイニエスタにより、決定的チャンスが作られる。ペドロに代わって右サイドに移動していたイニエスタからのセンタリングを、エトーがダイレクトボレー。シュートは惜しくもクロスバー上を越えたが、スタンドはスペクタクルなプレーに歓声を上げていた。また、イニエスタは82分、メッシを思わせるドリブル突破でゴールまであと一歩に迫っている。
ゴレアーダの最後を締めくくる4点目も、そんな“メッシのようなイニエスタ”から。83分、右サイドでボールを受けたカンテラーノはドリブルで中央へ切れ込み、ここぞのタイミングでエトーへとスルーパス。これを9番がしっかりとゴール右隅へと流し込み、祭りに最後の華を添えたのだった。85分には、アンリに替えてフレブ投入。アンリは拍手に包まれながら、ベンチへと下がっていった。
こうして、ペップバルサは公式戦デビューをこれ以上ない形で終えた。新加入の選手はもちろん、古株選手たちのプレーもどれも真剣。この一生懸命プレーがチームペップの代名詞となるだろうし、それが自ずと結果を支えることになるだろう。最初のテストは、文句なしの合格点。ファンに希望を与えるチームが、カンプノウに戻ってきた。
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