スポルティングの守備力の低さにも助けられ、大勝にてリーガ初勝利。
ゲームはいつものように、バルサがボールを支配する展開で始まっている。スポルティングの戦術も、基本的には守備を固めてのカウンター。ただバルサにとってありがたかったのは、ヒホンの守備力がヌマンシアやラシンほどではなく、守り方も前2試合ほどガチガチではなかったことだった。序盤はスタジアムの雰囲気に押され気合プレーもあったスポルティングだったが、徐々に弱点を露呈。前半だけで13本のコーナーをバルサが得ていることからも、それは見て取れる。
守備力のないスポルティングだったが、攻撃力もあるわけではなかった。前半の枠内シュートはゼロ。要するに、おそらくは今季リーガで最も降格に近いチームということであり、序盤の攻撃はメッシの単独突破くらいだったバルサも、自ずと決定機は作れるようになっていく。そして26分、その瞬間は訪れた。ブスケがワンタッチで展開したボールを受けた左サイドのイニエスタが、小刻みに切れ込んでセンタリングを供給。これに突入を仕掛けたチャビが頭で合わせ、先制点をゲットしたのだった。バルサ今季初となる、リーガでの流れの中でのゴール。
よくあるパターンとしては、先制をしながらも追加点をなかなか奪えず、不運なゴールで同点にされるバルサなのだが、この日はすぐに追加点も訪れた。32分、もう何回目のコーナーだったろうか、チャビの蹴ったボールをニアのプジョルが流すヘディングシュート。これをファーで待ち構えていたエトーがさらに頭で押し込み、あっさりと2点のリードを奪ったのだった。エトーがとどめを刺さずとも、ボールは入っていたかもしれない。
さらに後半になっても、バルサの勢いは止まらなかった・・・というか運が勢いを付けさせてくれた。48分にいきなり、相手のオウンゴールにより0-3となるのである。コーナーを競り合ったホルヘのヘッドが、そのまま自ゴールへと吸い込まれたのだ。うな垂れるスポルティング。
しかしバルサはその直後、ロングボールを1本前線に放り込まれ、あっさりとゴールを許してしまう。3点差となったことで、気の緩みがあったのだろうか。こういう失点は防がなければならない。エル・モリノンのスタンドは活気付き、スポルティングも反撃ムード。バルサの中盤のプレスは効きが悪くなり、ゲームはにわかに相手ペースへとなっていった。
だが、この日のバルサには運があった。56分、GKセルヒオ・サンチェスがバックパスを処理したボールが、メッシの元へ。これをDFジェラールが堪えきれずファールで阻止、一発退場となったのだ。スポルティング、自滅。試合の行方を決めたエラーだった。
こうなってしまえば、あとはバルサが好き放題に攻めるだけ。69分にはメッシのスルーパスに抜け出したイニエスタが、GKサンチェスが出てくるところを見計らい、軽く転がしたボールがそのままゴールイン。派手ではないが、技術がきらりと光るゴラッソだった。これにてスポルティングは完全に意気消沈。バルサはさらに追加点を目指した。
そこからはいわゆる試合というものは存在せず、一方的にバルサが実戦練習をした感じ。84分にはライン際深い位置からのイニエスタのクロス(DFに当たってやや浮いたボール)を、メッシが豪快にボレーシュートにてズドンと決めて1-5。さらに89分には、右サイドのボージャンが中央へ切れ込むと見せつつ上がってくるチャビにヒールパス、チャビが上げたボールをメッシがヘディングで6点目を決め、フィエスタを締めくくった。
相手の弱さに助けられつつも、チャンスを確実にゴールへと結び付けていったのはポジティブな点。モラルは上昇するだろうし、これからの強敵たちとの戦いに向けて弾みになることを願う。ペップバルサ、徐々に上昇ムード。この流れで次のベティス戦、エスパニョール戦もいってほしい。
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