ゲーム後、ピッチではリーガトロフィーの授与式などが行われ、ファンは大いに選手たちとその喜びを分かち合った。プジョルがトロフィーを掲げ、肩車され、ペップが胴上げされ、非常にリラックスしたムード。今日のゲームはそんなこんなで、ほぼ心ここにあらず。ゲームはオマケみたいなもの。そのフワフワ状態で、闘えるはずもない。闘う必要もない。
一方のオサスナは、ただいま残留争いの真っ最中。よく集中し、ゲームに臨んでいる。彼らにとって、このタイミングでのカンプノウ訪問は非常にありがたかったろう。これほど、3ポイントに近いゲームはない。モチベーションなどないバルサの攻撃は、実に淡白。そのプレーはどれも予見できるものばかりで、縦への動きなども、ほとんど見られなかった。
オサスナはなんとしても3ポイントを持ち帰るべく、組織立った守りでスペースを消し、忍耐強くじっとその時を待ち続けた。そしてそれは25分に訪れる。プニャルによる左コーナーキックを、ニアのヘディング職人パンディアーニが頭で押し込んだのである。あまりにプラン通りに進みすぎ、カマーチョ監督も驚いたかもしれない。
0-1となり、ゲームはいくぶん眠気を誘うものとなっていく。このゲームに燃えるところのあったエトーも、一人ではどうも出来ず。どうにかしようとしても変に力が入り、ゴールにはならないものだ。そもそも、チャンスすらないのだから、どうにかなるはずもない。ボージャン、ペドロからも頑張りは感じられたが、なにせチームとしての盛り上がりがなかった。
後半となっても、状況に変化はなかった。両チームともに、少しでも早くゲーム終了の笛が鳴ることを期待している様子あり。後半、ありがたくない形で主役となったのは、50分にシルビーニョと交代でピッチに登場したマルク・ムニエサだった。おそらくはこれが最後のカンプノウとなるシルビーニョと、未来を担うムニエサ。印象的な交代ではある。
その10分後、サミ・エトーもまたピッチを去っていた。ローマ決戦のためには、これ以上エトーにリスクを伴わせるわけにはいかない。サミのピチーチレースは、これにて終了した。そしてベンチにて彼は、サンマメスでフォルランがハットトリックを決めた知らせを聞く。
トップデビューとなったムニエサにとって、この試合は忘れられないものとなった。時間は進んで80分、主審ルビノス・ペレスがフィエスタムードに冷や水を浴びせかけるカードを提示したのだ。イダルゴへ強烈なタックルを仕掛けたムニエサに対し、なんと一発赤紙を示す審判。カードに値するファールではあったが、断じてロハではない。不当な判定に、カンプノウは怒りに包まれた。繰り広げられるパニョラーダ。ムニエサは目に涙を浮かべながら、ロッカーへと去る。これに抗議したペップもまた、退席処分と相成った。
リーガ優勝を祝い、チャンピオンズ決勝へ気持ちよく選手たちを送り出すためのオサスナ戦は、ルビノス・ペレスによって興ざめとなっていた。スタンドは抗議の白ハンカチを乱舞させ、口笛が吹かれる。こんな試合にまで白ハンカチを携えている準備のよさよ!このところ、どうもカンプノウでのフィエスタは最後に水を差されている。終わりがよくないと、スッキリもしない。水曜、このモヤを吹き飛ばす勝利が待っていることを、切に願う。次はいよいよ、マンチェスターだ!
|