エトーのピチーチ挑戦以外にはなにも懸かっていないバルサが、ユーロリーグ出場を目指すデポルティボと引き分けにて、今季公式戦全日程を終了した。
この試合、ペップ・グアルディオラ(制裁によりスタンド観戦)にはカンテラ満載チームで挑むという選択肢もあったが、トップチーム控え組による編成を選択した。フレブは特に前半、ひし形中盤の頂点のような配置。ペップバルサとしては珍しい、4-4-2の並びとなっていた。
ゲームは序盤、かなりオープンな展開となっている。シーズン最後に、ファンにいいプレーを提供してお別れしたい気持ちの表れ。しかし凡チーム同士(失礼!)の対戦のため、見せ場はそこそこにあっても、決定力がない。特に気合の入らないバルサはいいところがなかった。
決定機はほぼデポルによるものだった。8分にはボディポのおしゃれなヒールパスから抜け出したグアルダドがピントと1対1となるも、シュートはわずかに枠の外。さらには14分にもパブロ・アルバレスに危ない場面を作られるのだが、ピントがシュートを弾いて防いでいる。バルサはそのカウンターからエトーが単騎突破に成功し、エリア内から強力なシュート!これはGKアランスビアがコーナーに逃れた。
前半はボディポが目立っていた。21分も彼はゴール正面から、右マヌエル・パブロのセンタリングを受けてシュート。これは残念ながらポスト左に抜けるのだが、その9分後、今度はバッチリチャンスを活かした。左サイドのグアルダドのクロスに、ファーのボディポが頭で合わせたのだった。これにはピントも、どうすることもできない。
デポルティボは前半終了間際に、もう一度ビッグチャンス。セルヒオのシュートがクロスバー直撃となり、そのこぼれ球を拾ったパブロ・アルバレスのボレーも、ポストのわずか左を通過した。1-0で前半を終えたのは、バルサにとってはラッキーだった。
後半も同じく、オープンな展開で進んでいく。48分、最初の大チャンスはデポル。マヌエル・パブロのクロスを左のグアルダドが折り返し、中央のバレロンがフリーでシュート。正面だったことにより、ピントはどうにか右手一本で弾き出している。その後も両チーム、細かいチャンスの応酬。しかしやはり決め手を欠き、時間の経過と共に、ゲームのリズムは徐々に低下していった。デポルティボは3ポイントを守るべく、エリア前を固めるようになっていた。
バルサはなんとかエトーに点を獲らせようと彼にボールを集めるも、チームとしての予想外の動きがないため、デポルの網にことごとくかかってしまう。ボージャンも時折いいプレーを見せたのだが、やはりいまひとつ精度を欠いていた。そしてそのまま、負けてシーズンにサヨナラかという瞬間、その二人のプレーによってゴールが生まれてしまうのだった。分からないもんだ。
90分、左のボージャンが中央へ移動しつつ、ここぞのタイミングでふわりとしたボールをエリア中央に送り込む。これを後ろから突入して来たエトーが胸トラップで抜け出し、得意のコントロール後、デポルゴールにズドンと鋭いシュートを突き刺した。これでリーガでは今季大台の30得点目。ピチーチはフォルランに譲ったが、ゴールで締めくくれたのは気分がいいだろう。
こうして、ペップバルサによる夢のような08/09シーズンは閉幕した。戦士たちはプレシーズンが始まるまでの1ヶ月、是非とも疲れた身体を癒してほしい。お疲れ様でした!7月にまた会いましょう!
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