トリプレッテ達成による気の緩みは、シーズン最初の公式戦では見られなかった。先制を許しても、きっちり逆転勝ちするところでもそれは判る。
ゲームは序盤、バルサのペースで進んでいる。早い段階でゴールが決まらなかったのは、少々運がなかったといっていい。GKゴルカ・イライソスの奮闘も目立っていた。前半、いい動きをしていたのはボージャン。ズラタンに負けてなるものか、との気迫が窺える。一方のアスレチックは最初の劣勢をどうにか切り抜け、じっとチャンスを待った。バルサがペースを落とす瞬間は、必ず訪れると。
30分をすぎる頃から、バルサには疲れが見え始めていた。徐々にリズムを掴む、バスクのライオンたち。そしてハーフタイム間際の44分、その時は来た。中盤でボールを奪われ、それを受けた左サイドのデ・マルコスがピケ、アルベスを巧みにかわしてエリア侵入、そのままゴール右隅にシュートを流し込んだのである。
敵地での、嫌な時間帯での失点。ガックリきてもおかしくはない状況だが、ペップバルサはそんなことではタイトルへの情熱を失わなかった。ペースは序盤には及ばないものの、バルサは反撃を開始する。プレシーズンなりの出来栄えで、頑張る。後半、良かったのは効率性だった。チャンスを確実にモノにし、逆転に成功するのである。
59分、左サイドを突破して駆け上がったケイタがゴールライン際から逆サイドにボールを展開し、それを受けたペドロが自ら打つ、と見せかけて中央のチャビへと気の効いたパス。チャビはこれを、思い切り良くズドンとネットへ突き刺した。バルサ的な美しい連携によるゴール。
さらに68分。今度はアシストとゴールの役割を変えてのゴラッソが生まれる。チャビからの横パスを受けたペドロが、前への動きでさっとマークをかわし、そのまま豪快にエリア外からのロングシュートを叩き込むのだ。シュート回転でGKの手から逃げていく、実にきれいでスカッとするゴールだった。
ゲームはそのまま、1-2で終了。バルサが今季最初のタイトル獲得に向け、かなり有利な立場に立った。来週のカンプノウでの第2戦。気持ちよく勝利し、トロフィーを掲げたい。
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